－これからのバンドにもかかわらず、タイトルが『The END.』だったんでちょっとびっくりしたんですけど、実は「to"The END."」なんですよね。

u.：そうなんです。自分の最期を看取ってくれる人を「The END.」と呼んで、その人に対して歌ってるんです。

－歌詞の"君もそんな風に死んでほしい"って一節がいいですね。

u.：めちゃめちゃ悩みました。最初"死んでほしい"って書いたとき、これはまずいかなって思ったんですよ。たとえば"私、死にたい"と思ってる人が今まさにビルの屋上にいて、たまたま有線でその曲がかかって、"死んでほしい"という歌詞に、やっぱそうなんやなってふっと行ってしまったらと考えて、1回消したんです。でも、その1分後には、もう1回書いてました。やっぱこれしかないって。メンバーにもマネージャーにも"いいかな？"って聞いたんですけど、"いいやろ。好きにやんな"って。その一節だけを切り取ったらそうなんですけど、前の歌詞を読んでもらったら、死んでくださいって意味ではないってことはわかってもらえると思うので、いいんじゃないかなって思いました。

－こういう表現ができるというか、敢えて、しようというところがいいですよね。

u.：中途半端な言葉じゃなくて、そこは思いきろうと思いました。やっぱり、「The END.」なんで。

－その「The END.」を含め、歌詞はけっこう泥臭い。泥臭いというか、切実な想いを歌った歌詞からはみなさんがものすごく真剣にバンドに取り組んでいることが伝わってきます。

u.：俺らにはそれしかないんで。iMagic.しかやることがない。たぶん、今日、バンドが解散したら、明日から全員ホームレスになるしかない（笑）。でも、すげえ田舎からこの5人で上京してきて、ずっと守ってきたものなんで、思い入れは半端じゃない。もちろん、みなさんそうだと思うんですけど、俺たちの表現はどんどん泥臭くなってるかもしれないですね。次のアルバムが怖いです（笑）。

－もっとかっこいい表現や、きれいに聴こえる言葉で作ることもできるけど、自分の気持ちをさらけ出しているようなところがいいですよ。

u.：あまり深く考えてないですけどね。歌詞を書く時は、どういうことを書こうかとか、伝えようかとかを考える時間のほうが長くて、書きはじめたらもう自分の言葉なんで、けっこうさらさらっと。でも、けっこう好き勝手に書いてますね。メンバーからこの歌詞はちょっと......と言われることもない。ありがたいことに好きにやらせてもらってますね。

－『The END.』の曲は前作以降に作ったものなんですか？

u.：そうですね。『Manifesto.』で出し切ったので（笑）。ストックを貯めるよりも、そのほうがいいと思うんですよ。今の自分に書けるものをどんどん出していきたいんです。それに曲を作るとき、一度作りはじめた曲がボツになることが、うちらほぼないんです。6曲入りを出すから10曲ぐらい書いてきてくれと言われても、いや、6曲しか書かへんってやりかたでいつもマネージャーを泣かせてるんです（笑）。今回も6曲で行くよ。全部シュート決めるよって。そんなに苦労した感じはないよな。

shingo：そうやな。

u.：もちろん、そこは物作りですから楽勝ってことはないんですけど、辛かったっていうのは全然ない。レコーディングも含め、あっという間に終わりました。自分らの中にあるものを出すことがうまくなってきましたね。

Shunsuke：そうですね。ギターのフレーズを考えるとき、ヴォーカルとやりとりして、綿密に作り上げるんですけど、今回はそこもスムーズでしたね。ギタリストってヴォーカルを無視してフレーズを作りこむというか、ややこしくしてしまいがちなんですけど、そこはu.君から意見をもらうことで、シンプルにするところはシンプルに、凝りたいところは凝ってというふうにメリハリのつけかたがうまくなってきたと思います。

－ソロも含め、ギターはけっこう聴かせどころが多いですね？

Shunsuke：そうですね。1000回ぐらい弾いたんじゃないかってソロが多いですね（笑）。
弾いては聴き、また弾いては聴きって作業を何度もやりながらフレーズとニュアンスをとことんシビアに詰めていきました。そこは勉強になったと思うんですけど、そういう作業すら楽しかったんですよ。