INTERVIEW
SCAR THE MARTYR
2013.09.18UPDATE
2013年09月号掲載
Member:Joey Jordison (Dr/Ba/Gt)
Interviewer:KAORU Interpreter:Rei Shishido
-Joeyの創作のモチベーションの根底にあるものは、SLIPKNOTにしろMURDERDOLLSにしろ、常に"怒り"があるように思うのですが、それはSCAR THE MARTYRにおいても変わらないところだったのでしょうか。
んー、実はこのアルバムを作っているとき、俺は全く"怒って"はいなかったんだ。ただ正気を保つために書いていた。何のせいかはわからないけど、なぜか今まで考えたこともなかったような衝動に突き動かされたんだ。何かはっきりわからないボヤけたものが突然頭の中に現れて、スタジオへ行けって命令してきたんだ。俺はそれに従ってドラム・セットの前に座り、そしてドラムを叩き始めたんだ。何の計画も予定も全くなかったし、新しいバンドを始めるとか、Henryが誰かも知らないし、Chrisとかと一緒にやるとかも全くなかった。ただ凄く不思議な魔法みたいな"声"が俺にスタジオに行けと命令したんだ。そして曲を書き始めたんだ。凄く変な体験で、意味がわかんねぇよ。全く何の理由もなしに、突然スタジオに行ってクレイジーにドラムを叩きまくったんだ。そして曲ができて、この通りさ。
-全14曲、ボーナス・トラックも含めると18曲とボリュームたっぷりの内容になっていて、長尺の曲もありますが、似たような曲がなくて聴いていて飽きることがないです。この情報量の多い曲を作るのはかなり時間がかかって当然だと思うのですが、実際には全ての作業が終わるまでどのくらいの期間を要したのでしょうか?
曲を書くという行為だけで言えば多分1年半くらいだな。継続的に書いてたわけじゃないんだ。ちょっと書いてからしばらく放置してまた続きを書くこともあった。結果的に30曲くらい出来た。そこから20曲くらいにしぼって収録スタジオに入る前にさらにまたしぼってという風に厳選した曲をスタジオで完成させていったんだ。トータルで言えば数年かかったことになるかな。
-Joeyはドラムはもちろんのこと、全曲のベース、2曲を除いた曲でリズム・ギターをプレイしていますが、その作業をこなすことによって、個人的に新たに学んだことはありましたか?
作業は大変ではなかったよ。普通はドラムが1番大変なんだ。なぜかというと、ドラムのレコーディングにおいてはヴァイブやエナジーも完璧でなくてはならなし、正しく刻むというのは簡単なことじゃないんだ。ギターが1番楽しいかな。俺からすると、ドラムは大変でギターは楽しい。ギターの収録はスピーカーから流れるドラムの音を聴きながらただロックするんだ、凄く楽しい作業だよ。2種類のギターを収録したらそこで曲はもう完成に近くなっている。パーフェクトなギターの協奏のおかげで曲に深みと厚みが出るんだ。さらにベースを重ねる頃には曲の全体像が浮かび上がってきて最高にクールだ。全ての工程は見ていてもプレイしていても楽しいものだよ。素晴らしい体験だ。ある日道を歩きながら思いついた小さなアイディアが、最後は曲として完成されて世界中に聴こえるのだから。
-各曲について聴きたいことはたくさんあるのですが......その中でも「Anatomy Of Erinyes」は特に印象に残りました。この曲について、歌詞も含めて解説をお願いします。
この曲は俺も特に好きな曲の1つだ!確実にトップ3内だな。何が面白いかってこの曲を書いたのは実に8年前のことなんだ!さらに、この曲は一度SLIPKNOTの曲としてアルバム『 Vol. 3: (The Subliminal Verses)』のためにレコーディングしたことがあるんだ。ドラムとギターでこの曲のデモを作った。だけど使われることはなかったんだ。その次のアルバム『All Hope Is Gone』もできたけど、この曲を完成させるには至らなかった。今回SCAR THE MARTYRの曲を書いている途中、書いていた数曲の要素の中にこの曲があると突然思い出したんだ。それで、再びこの曲を探しだして掘り起こしたんだ。だからこの曲はもうちょっとで失われるところだったってことだ。もしかしたら誰も聴くことができなかったかもしれない。俺がSCAR THE MARTYRを結成しなければこの曲を再び掘り起こすことがなければ、この曲は永遠に世に出なかったはずだ。この曲はスタジオに持っていった最後の曲だ。そしてこの曲なしにして『Scar The Martyr』のアルバムは完成とは言えないだろう。なかなかクールなストーリーだろ!
-JoeyはSLIPKNOTのアルバムの制作中でもあると思いますが、SCAR THE MARTYRでのツアーの予定はありますか?
今終わったところだ。DANZIGと回っていたんだ。もうすぐまたツアーに出る。数週間以内だろうな。
-最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。
日本へはもう何度も行っているけど、毎回楽しい!ファンがいなければ俺たちは何もできないから、出来るだけ多くの日本のファンにSCAR THE MARTYRのことを知ってもらいたい。そしてSCAR THE MARTYRとして日本でプレイできる日を楽しみにしているよ。