INTERVIEW
!!!KYONO+DJBAKU!!!
2012.11.02UPDATE
2012年11月号掲載
Member:KYONO (Vo) DJBAKU (DJ/Producer)
Interviewer:KAORU
-風営法は本当に理不尽ですよね……。それでは次の「SICK OF SATURDAY」について教えてください。
K:これは、ちょうど土曜日に打ち合わせがあって、人身事故で電車が止まっちゃって、遅刻しちゃったんですね。なんかその時期にそういうことが凄く多くて。病んでる人が多いというか、ホラー調の歌詞になっています。
B:“腐りかけの!”って歌の部分が好きなんですよね。
-この曲では“B-BOY PARK”での優勝経験もあるMSCの漢さんのMCがかっこ良いフックになっていますが、漢さんには何かリクエストをしたりしましたか?
B:いや、テーマを喋っただけですね。新宿でステーキを食べながら(笑)。
-トラックのテーマはどんな感じでしたか?
B:元々4曲収録ということがあって、似たような速さの曲を入れるのは嫌だなと思ってたんです。で、この曲はダブステップの速さなんですよ。KORN feat.SKRILLEX的なBPM140で作ろうと思いました。漢君も、今までにそういう速さでラップをしたことがないっていうのもあって。「RADICAL GAME」はドラムンべース、「WACK RULES」はBPM210くらいの速いヒップホップ、「REPLUSION」は、GABAっていうか、変な速さなんですけど。基本的に全ての曲のBPMを変えようというのがありました。
K:ミニ・アルバムだと、曲数的にリズムをどうするかが逆に難しいところですね。バリエーションがあった方が面白いし、説明する前に終わっちゃうくらいの長さなので。フル・アルバムの方がむしろ作りやすいかもしれないです。あえて4曲、違う感じのものを入れました。
-因みにBAKUさんはKORNの新作を聴いてインスパイアされるものもありましたか?
B:正直聴いてはいなくて、トレイラーを見ただけです(笑)。でも海外では大御所の人が新世代の人と一緒にやり始めたりしていますよね。CYPRESS HILL×RUSKOとか。それは聴きました。
-そしてオリジナルのラストの曲「REPLUSION」ですが、個人的には1番WAGDUG FUTURISTIC UNITYやTHE MAD CAPSULE MARKETSを彷彿とさせる曲なんですが、KYONOさんの歌のメロディもめちゃくちゃかっこ良くて、トラックも同じくらい主張していて素晴らしいですね。
K:この曲はビートが速くて突っ走ってる感じなので、まだまだ俺は突っ走るぞ!まだまだ俺たちは死なないぞ!みたいな。大袈裟に言うと、そういう意気込みみたいな感じです。「RADICAL GAME」は始まりで、「REPLUSION」は、ここからまだまだ続くぞっていうテーマ。例えると、スターウォーズで、ハン・ソロが氷の中に閉じ込められて終わって、この後どうなるんだろう?みたいな(笑)。あと、REPLUSIONっていうバンドがいたんだよね。元々は仮タイトルだったんですけど、“REPLUSION =反発力”っていうイメージで歌詞も書きました。
B:このトラックは、多分誰が聴いても絶対わからないと思うんですけど。ある曲の一部分を高速にしてサンプリングしているんです。その勢いで作ったんで、とりあえず、“食らわしたい!”、“殺してやる!”“ドラムはドッカンドッカン!”みたいな(笑)。実は、今作のトラックは生で弾いているものはないんですよ。サンプリングで早回しにさせたりとか、遅くさせたりとか、いろいろ混ざってるんですよ。
-そうだったんですか!意外でした。そのようにトラックが出来ているのですね。さて、この4曲ですが、トラックの情報量はめちゃくちゃ多くて、いろいろな要素が詰め込まれているのに、全然散漫になっていないですよね。そのコツはなんでしょうか?
B:結構抜いてはいるんですよ。俺はトラックを作る時、とりあえず最初にデータの限界くらいまで詰めるんです。サンプリングも含めて。そこからいらないと思うものを抜いていくって感じなんですよね。DJ SHADOWとかもそういう手法らしいんですけれど。
K:差し引きが難しいと思うんですよね。どこまで足すか、どくまで引くか。そこがBAKU君が1番悩んでやっていることなんだろうなと思いました。
-なるほど。あと上音のシンセのテーマもはっきりしているからというのもあるんじゃないでしょうか。
B:そうですね。シンセについてはめちゃくちゃ種類が多いから、ちょっと大変ですけど。
-このオリジナルの4曲の後は、各曲のリミックスが収録されてますね。fezerock、y0c1e、HABANERO POSSE、80kidzと。この人選についてはどのように決めたのですか?
K:これは全部BAKU君が決めましたね。1曲ごとに、BAKU君がこの曲はこの人がやったら面白いねっていうのを決めて。
B:そうですね。今回は若手のアーティストにもやってもらってるんですよ。fazerockは20歳くらいですし。y0c1e君は北海道の人でfazerockの友達です。アニソンからダブステップからなんでも作れる人ですね。HABANERO POSSEは結構前から知り合いでした。BINGOさんはアパレルの人で、GUNHEADさんがトラックを作ってます。ヒップホップとエレクトロ寄りの人ですね。80kidzも前からの知り合いで、KYONOさんも一緒にやったことがありますよね。彼らはメロディが綺麗だし、「REPLUSION」をやってもらったらメロディも際立つかなと。
K:でも結構メロディを壊してきて面白いなと思ったけどね。
B:不思議ですよね。一瞬音程合ってるのかな?とも思うんだけど。
K:そこで味が出てきて。
B:そうですね。挑戦してくれた感じがありますね。
K:HABANERO POSSEも面白かったね。
B:彼らはT.IっていうヒップホップのMCがやってるような、トラップとかいうジャンルを最近押していて、808のベースしかないんですよ。いわゆるベースラインっていうのがなくて、“ウウン!ウウン!”って音だけ鳴らして踊れるようにしているというか。グルーヴがあるんですよね。凄いなと思います。