INTERVIEW
CARTEL
2011.12.06UPDATE
2011年12月号掲載
Member:Will Pugh(Vo)
Interviewer:MAY-E
-日本とは08年のMOTION CITY SOUNDTRACKとの来日公演以来ですね。 まずはバンドの近況を教えてください。
そのツアーが終わってからは2枚のCDを制作したよ。『Cycles』と『In Stereo』をね。それから僕らは、アメリカでいくつかのツアーをして、来年は一年中ツアーに行く準備をしているところさ。
-新作『In Stereo』の完成、おめでとうございます。あなた方の新作を待望している日本のファンもたくさんいますが、アルバムを完成させた今のお気持ちを教えてください。
素晴らしいことだよね。新作がリリースされることにワクワクしてるし、日本のみんなに聴いてもらえることが待ちきれないよ。僕らはいつだってファンのみんなとの繋がりを感じているんだ。だから、僕らの音楽で楽しんでもらえるってことはすごく嬉しいな。
-本国では7月に『In Stereo』からの先行シングル「Lessons in Love」がリリースされ、アルバムも10月にリリースされていますね。地元のファンから良いリアクションがたくさん寄せられていると思いますが、いかがですか?
そうだね。ファンのみんなはすごく楽しみにしてくれていたみたいだし、みんないい言葉をかけてくれるよ。今でも僕らの作り出す音楽を楽しんでくれて、サポートしてくれるファンのみんなの気持ちを知れて嬉しいよ。嬉しい経験だね。
-『In Stereo』は高揚感溢れるメロディとダイナミックなバンド・サウンドが融合した、力強い1枚ですね。リズミカルだった前作『Cycles』と比べ、よりバンド感が増したように感じましたが、『In Stereo』は具体的にどんなサウンドを 目指して制作したのでしょうか?
バンドの音を、僕ららしく録りたいって思ったんだ。僕らはたくさんライヴをするし、ライヴこそが僕らの最高の音を出せる場所だって思ってる。僕らが『In Stereo』をこういうサウンドにしたかったのはそういう理由さ。ただ、本当にしたいことっていうのは分からないんだ。でも、もしスタジオで使えるようなトリックなんかを一切使わないで、音楽をそのままの形にすることができたら、僕らはもっと音楽を生のコンサートのように届けられると思うんだ。それが今回のアルバムのテーマみたいなものだし、今作の中にも反映されていると思うよ。
-CARTELは、聴いているだけで前向きな気持ちになれる楽曲が多いですよね。それは『In Stereo』を含め過去4枚の作品に共通していると思うのですが、楽曲制作にあたり常に意識していることや、バンドのポリシーなどがあれば教えてください。
ポジティブであることに対してのポリシーとかはないんだけど、でも、何か対してのメッセージっていう意味ではネガティブよりもポジティブなものだと思うんだ。人生って常に僕らが必要なネガティブなものを与えてくるよね。それを、どうやってそれらをポジティブな人生へとアプローチできるかってことだと思ってる。だから、音楽ってそのネガティブなものとのバランスを取ることができると思うんだ。僕にそのスキルがあるってことなのかもしれないね。
-同タイミングでいよいよ日本盤化される前作『Cycles』との違いを教えてください。それぞれ、どのようなテーマやコンセプトがあるのでしょうか?
『Cycles』は、僕らがバンドとして作ることができたものって感じかな。サウンド的にも素晴らしいと思うし、曲もそうだし、素敵なプロダクションもあったしね。でも、『In Stereo』はどちらかというと、もっとリアルな生の音楽って感じかな。少し自由な感じもあったしね。違いといえば、今作ではラジオで流れるようなことなんかを意識して作ってないってことかな。そうする事で、僕らはもっと曲を作れることが出来たし、音楽的にももっと生のものが作れると思うんだ。
-『Cycles』と『In Stereo』の、注目して聴いて欲しいポイントをそれぞれに教えてください。
『Cycles』に入ってる「Deep South」って曲は一番みんなに聴いて欲しい曲かも。「Retrograde」もそうかな。『In Stereo』でいうと、「Conduit」とか「American Dreams」なんかをみんなに聴いて欲しいな。僕のお気に入りの2曲なんだ。
-どちらも、アートワークには“円=Cycle”があしらわれていますが、関連性はあるのですか?
『Cycles』は僕らの中の終わりであって、『In Stereo』は僕らの新たな始まりっていう意味があるんだ。それに一番近いと思ったのが、あのアートワークだった んだよ。
-今年、ベーシストのJeff Lettがバンドを脱退しましたが、差し支えなければその理由を教えてください。
彼は学業のためにバンドを離れたんだ。僕らも、彼がいずれ学校に戻るっていうのは分かっていたんだけど、具体的にいつになるのかは分からなかったから。彼は学校に戻って、単位を取らなくちゃいけなかったのさ。それに彼はCARTELの後まで音楽をしたいとは思ってないみたいだから。まあそれが人生だと思うし、しょうがないことだよね。