INTERVIEW
EIKOSTATE
2011.11.07UPDATE
2011年11月号掲載
Member:Eloi(Prog) David(Vo&Gt)
Interviewer:ムラオカ
-AFTERFEED-BACKのメンバーを中心に結成ということですが、EIKOSTATE結成やメンバーの変遷などの経緯を詳しく教えてください。
Eloi(以下E):AFTERFEED-BACKは俺たちの最初のバンドで、最高の思い出さ。ドイツで何枚かアルバムを出してスペイン、ドイツ、フランスでたくさんツアーをして、その中でたくさん友達も出来たよ。でも残念ながら途中からもっと別のことがしたくなったメンバーや、バンド活動自体に疲れてしまったメンバーが出てきたんだ。DavidとRogerと俺が新しく何かを始めることを決めたのはその時のことさ。俺たちは何か斬新なことを始めたかったんだ。新しいバンドを始めるのはいつも最高な気分さ。まるで真っ白なキャンバスが目の前にあるような気分だからね。Davidの兄弟のLuisが数ヵ月後に加わって、俺たちの家族は完成したんだ。
-メンバーは4人いますが、それぞれの担当パートを教えてください。
David(以下D):メンバーはドラムのRoger、ギター、琴、プログラミングのEloi、ベースのLuis、ヴォーカルとギターのDavidだよ。
-EIKOSTATEというバンド名にはどういった意味があるのでしょうか?
Eloi(以下E):ある日、俺はある若い作家の本を読んでいたんだけど、その中で作者があるMuchitsujo Eikoという登場人物を描写している場面があったんだ。俺の知る限り、Eikoというのは"浮き沈み"という意味で、Stateは英語で"状態"という意味なんだ。つまり、"浮き沈みのある状態"というのは、まさに俺たちが一個人として一アーティストとして成長してきた過程を表しているんだ。変化に対応し、そこから学び、成長しないといけない、そんな意味さ。
-『Tribute To Perseverance』完成おめでとうございます。このアルバムの制作はいつ頃から始めたのでしょうか?
DAVID(以下D):ありがとう!このアルバムは4年も前にレコーディングされてるんだ。その時はSpinning RecordsというスペインのUniversal系列のレーベルと契約をしていたんだ。レコーディングは俺たちの住んでいるところから近くの友達がやっている小さなスタジオでしたんだ。本当に小さなスタジオで、自分たちでレンガとコンクリートでドラム用の部屋を作ったぐらいだから(笑)。持ち運びできるコンソールを持ってきて録り始めたんだけど、それもすぐに壊れて...。とにかくD.I.Y.の大変なレコーディングだったよ。
-この作品は1stアルバムですよね?EIKOSTATEにとって初めての作品ということで苦労したことがありましたら教えてください。
D:そうだね、EIKOSTATEとしてはこれが初の音源になるよ。一番大変だったのは、俺たちはみんな朝から仕事もしているから、まとまったレコーディングの時間を設けられなかったことかな。レコーディングに丸一日集中したくても、当時俺は朝の6時から昼の2時まで仕事をしていたから、レコーディングの為にわざと怪我をしたからね。病院にいったら2週間安静にしていなさい、という診断書をもらえたから、その期間にレコーディングをしたってわけさ。
-スペインはバルセロナ出身とのことですが、それほどスペインの伝統音楽からの影響はないようですね。その代わり日本などのアジアの伝統音楽が大胆に導入されているようですね。これはどなたのアイデアですか?
E:(笑)。そうだよね。変だよね。同じような質問はされたことがあるよ。"日本の伝統音楽じゃなくて、スペインの伝統音楽を取り入れるつもりはないのか?"みたいなね。俺たちがスペイン出身だからといって、スペインの音楽からしか影響されないわけじゃないからね。実際俺はスペインの音楽よりも日本の音楽を聴く時間のほうが断然長い。別に自分の国の音楽を否定するわけじゃないんだけど、俺たちの音楽にはスペインらしさみたいなものがあるかどうかは自分でもよく分からないよ。
-どういった経緯で伝統音楽の魅力にはまったのでしょうか?
ここカタロニアでは俺たちは鳥山明や高橋留美子などたくさんのアニメを観て育ったんだ。だからこんなに離れた場所でも、日本のみんなと同じ文化に触れて育ってきたんだ。同じように音楽もたくさん入ってきていた。徐々に日本の音楽も聴き始めるようになった。梅林茂が最初に好きになったアーティストだったね。気が付いたら新しいギターじゃなくて大正琴を買ってたんだ(笑)。
-琴や尺八、胡弓の音はサンプリングですか?それとも本物の音色ですか?もし本物でしたらどなたが演奏しているのでしょうか?
E:音源で聴けるのは全部実際の演奏をサンプリングしたものだよ。すごくうまくマッチしたから、ライヴでも使うことにしたんだ。俺は大正琴、尺八、三味線を持っていて、Davidは胡弓を持っているよ。でもこれらの楽器はライヴでは使えないから、ライヴでは俺のエレキ琴を使っているよ。
-またUSのBREAKING BENJAMINやSTAINDなどのモダンロックの影響も感じさせますね。<モダンロック+アジアの伝統音楽>といった音楽性にはどのように到達したのか教えてください。
D:俺は個人的にはBREAKING BENJAMINが大好きなんだ。だからどこか歌い方やメロディにも影響を受けているかもしれない。俺たちらしさを出す為にはもっと特別な事が必要だったんだ。 E:最初にEIKOSTATEを始めた時、俺たちは何か斬新で他のバンドとは違うことをしたかったんだ。俺は日本の音楽の大ファンだったから、これを混ぜたら面白いんじゃないかと思ったらこれが素晴らしくはまったってわけさ。