INTERVIEW
DEGREED
2011.06.01UPDATE
2011年06月号掲載
Member:Mats Ericsson(Dr)
Interviewer:道明 利友
-世界規模の音楽コンテスト“Emergenza Music Festival”の北欧地区大会で優勝、約8,000バンドの応募から21バンドのみ出場の世界大会に進出したという素晴らしい経歴の持ち主である皆さんですが、そのときの思い出もぜひ聞かせて下さい。
世界大会に向かう際、飛行機から降りた時のことを僕たちはいまでも鮮明に覚えているよ。まるで世界の頂点に立ったかのような気分だったね。大会では他にもドラマー部門、ベスト・アレンジ、ギター部門といった賞をとったのも一生の思い出だと思っている。他にもDEGREEDのキャリアを左右する大きな出来事があった。僕たちが決勝大会で演奏をした後に審査員の一人が僕たちに話しかけてくれた。彼はDEGREEDの音楽とパフォーマンスを気に入り、フランクフルトで毎年行われるMusik MesseでHagstrom、Gretsch、Korg、Sabian等のメーカーの代理店を勤める彼の会社のために演奏をしてみないかと誘ってくれた。勿論、これには僕たちも光栄に思った。その後、僕たちは次のMusik Messeで会場内のメイン・ステージで4日間演奏した。このMusik Messeで僕たちはEUROPE等のビッグネームと同じステージに立つことができて本当に嬉しく思った。前の年のMusik Messeでは僕たちが尊敬するTOTOも同じステージに立っていたと聞いて更に興奮したよ。Emergenza Music Festivalの世界大会では優勝こそ逃したものの、僕たちは他に勝ち取ったものがあったと思っているよ。
-そんな多彩な経歴を経てリリースされる今回の日本デビュー・アルバムですが、そのタイトルである『Life Love Loss』はどんな思いを込めたタイトルなのでしょうか?
意味はとてもシンプルだ。Life(生きる)、Love(愛する)、Loss(失う)。生きていれば、恋愛もするし、失うこともある。そのままだ。ちょっと暗いようにも思えるが、よく考えれば決して暗いことではないよ。
-今回のアルバムの制作はプロデューサーErik Lidbom氏との共同作業で行われたということですが、日本のアイドル・グループなどの作品も手がける著名プロデューサーであるErik氏との作業はいかがでしたか? 彼とどんなやり取りをして作品が完成したのか、彼との作業で勉強になったと感じたことがありましたら教えて下さい。
Erikは僕たちの大切な友達だ。彼と出会って以来、常に音楽やビジネスについて快くアドバイスをしてくれた頼もしい人物だ。彼との仕事はいつも楽しい。エリクは僕たちが持っている音を最大限に出す術を知っている。特にレコーディングや編集、ミックスにおける仕事の姿勢は完璧主義だ。彼のそういった姿勢がとても好きだよ。DEGREEDのサウンドも彼がいるからこそ成り立っている部分もある。僕たちは彼を6人目のメンバーだと思っている。
-そのErik氏が手がけてきたものをはじめ、ポップスやロックやダンス・ミュージック系などの様々な音楽が日本でも人気を博しています。スウェーデンを本拠にする皆さんですが、日本の音楽でご存知のものは何かありますか?
勿論、嵐やE.X.I.L.E.、KAT-TUNの音楽は少し聴いたことがあるよ。それ以外ではMyspaceで日本のハードコア系のバンドをいくつかチェックしたことがある。凄くかっこよかったよ。
-その『Life Love Loss』のオープニングを飾る1曲目「B.O.D」は、パワフルでメロディアスなDEGREEDの音楽のスタイルを象徴しているかのような楽曲だと思います。この曲のテーマやコンセプト、また、歌詞に込めた思いなど、楽曲が生まれた背景を教えて下さい。
「B.O.D」はJesperがバンドに加入して最初に書いた曲なんだ。基本的にはジャムして書いた曲だ。新しいメンバーと何か曲を作ろうと思って演奏したものが素晴らしい曲になったので、そのままアルバムのオープニング・ナンバーに使うことにしたのさ。色んな人にこの曲のことを聞かれるから、この曲には誇りを持っているよ。歌詞に関しては特に深い思いがある訳ではないんだ。歌詞を書いて、それを自分に当てはめる。そして更に少し捻りを加えることによって、自分の思いと通じる意味が完成される。
-4曲目の「Captured By The Moment」は元JOURNEYのSteve Perryのカヴァーですが、この曲をカヴァーされた理由は?
これはRobinがレコーディング中にその日の作業を終えて、エリクと帰りの電車の中でアルバムにカヴァー曲を入れる話をしていた時に、iPodをシャッフル再生させて最初にでてきた曲がこの「Captured By The Moment」だったんだ。ロビンはそれが運命だと思ったらしく、次のリハーサルでこのカヴァーを提案した。メンバーはみんなこの曲が好きだったし、Steve Perryはロック史上に残る名シンガーだ。彼を称える意味でこの曲をカヴァーした。それに、アルバムにまた良い楽曲が増えるという意味でも全員が賛成したんだ。