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INTERVIEW

TIMES OF GRACE

2011.01.11UPDATE

2011年01月号掲載

TIMES OF GRACE

Member:Jesse Leech(Vo)

Interviewer:米沢 彰

-Adamは「Jesseのヴォーカル、そして彼の作詞能力が必要だった」と語っているそうですが、実際に『The Hymn of A Broken Man』を通してどういった内容を歌っているのですか?

自分のこと、Adamのこと、一般的なこと、全てが混ざり合った内容なんだけど、苦しみを感じながら希望を持ち続けたいという考えがメインの内容だと思う。俺はニューヨークの自宅からレコーディングをしたマサチューセッツまで3時間くらい運転していき、Adamの家に泊めてもらっていたからいつも夜遅くまで人生について語ったりしていた。自分たちが経験したことや思っていたことを話し合っていたから、歌詞はそういうものからも生まれたんだ。
個人的に経験したこともあるけど、二人が経験したことについてがほとんど全てなんだ。このアルバムでAdamと自分に関わらない内容はもちろん無いけど、もっと広く見ると、人間は誰でも苦しみを抱えているから、誰でも関係するような内容だと思う。結果として、一般的な人間についての内容が全ての前提になったね。

-2008年の時点で、ご自身のMyspace上にTIMES OF GRACEの始動をアナウンスされていましたが、最終的に3年越しのリリースとなりましたね。その間、TIMES OF GRACE以外にあなたはどういった活動をしていたのですか?

SEEMLESSは2年半くらい前に活動しなくなった。最後のツアーを終えると、もう止めようってことになった。その後THE EMPIRE SHALL FALLというバンドを結成して、今はTIMES OF GRACEのために時間を割いているので休止中だけど解散はしてない。それから自分のソロ・プロジェクトとかにも取り組んでいた。だけどそれ以外に、俺は生活のために仕事もしている(笑)。ほろ苦いところだよね、給料をもらうのはいいけど、アーティストとしては好きでもない仕事を生活のためにやらないといけないってことは。でもそれが人生だよ、みんなやらないといけないことなんだ。

-個々の道を歩んだ二人が再び組んで、ここまで素晴らしい音源を作り上げたということに非常に心が動かされました。8年もの間が空いてから、久しぶりに一緒に音源を作るという経験はご自身にとってどういったものでしたか?

さっき言ったような様々な思いはあったけど、それ以外にも報いのようなものを感じた。一周回って元の位置に戻れたような気分だった。Adamと一緒に仕事ができて、例えばスタジオで作業をしている時、俺は喜びを感じたりした。ミュージシャンとして、そして友人として彼をすごく尊敬しているから彼にアルバムへのビジョンで、それが俺のビジョンにもなり、手伝うことができて素晴らしい経験になった。二人とも辛い時期ではあったけど、喜びも多かった。自分の外に目を向けて、自分がやっていることにより大きな目的があることに気付けた。

-8年の間に自分なりに進化した部分や成長した部分を感じられましたか?またAdamについて成長や変化を感じた部分はありましたか?

感じるね。全てに於いて成長したと思うし、この作品は自分の魂でもあると感じたんだ。今までやってきたものの中で一番いい作品だと思うけど、それはAdamと彼の導きのお陰だと思う。彼は俺をいつもよりずっとうまく歌うようにプッシュする才能があるんだ。
俺はいつもパンクロックな態度で、「最初にできたものを使うべき」って考えがあったけど、Adamは完璧にすることを重要視していた。彼と一緒に仕事をして、学ぶことは多かったし、彼の熱心さのお陰で一番いいヴォーカルを引き出してくれた。でも彼が考えすぎる所は俺がもっとシンプルにしてもらって、プロとしてのこだわりを少しだけ忘れてもらったりしたので、お互いにいい刺激を与え合ったと思う。二人はチームとして本当にうまくいく。Adamももちろん成長したと思う。昔と比べたら全然違う人間になっている。この6ヶ月だけも変化があった。アルバムが完成したので、ツアーに出た時はみんな違うAdamを見ることができると思う。KsEとは違う経験になると思うんだ。KsEがやっていることは大好きで、愉快なバンドだけど、このTIMES OF GRACEに関してはシリアスでスピリチュアルなものが体験できると思う。さっき言った映像とかを流すし、あまり沢山MCを入れないものになる。

-『The Hymn of a Broken Man』は音楽的な美しさと、むき出しの感情が同居する素晴らしい作品だと思います。この続きをもっと聴きたいと思うのですが、今後のTIMES OF GRACEの活動について何か決まっていることはありますか?

ここアメリカとカナダで2月にツアーを始める。春から夏にかけてヨーロッパのフェスに参加し、その結果によってさらに計画して行きたいと思うけど、日本やオーストラリアにも行きたいと思っている。

-ヴォーカル以外のすべてのパートをAdamが自身で演奏したと伺っています。楽曲作り、作詞、レコーディングなど、今作のプロダクションはどのように進められたのですか?

最初にAdamが音楽をすべてレコーディングして、そのファイルを送ってくれて、俺はそれを聴いて歌詞を書いたり、メロディを考えたりした。中にはAdamが考えたものもある。彼は1曲リード・ヴォーカルもやっていて、俺が歌わない曲がある。交互にヴァースを歌う曲もある。完璧なコラボレーションで作業に入っていたんだ。