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INTERVIEW

METHODS OF MAYHEM

2010.10.07UPDATE

2010年10月号掲載

METHODS OF MAYHEM

Member:Tommy Lee

Interviewer:ムラオカ  Interpreter:ジンジャー国田

-アルバム・タイトルはアルバム・ジャケットとリンクしている『A Public Disservice Announcement』(※公害アナウンス)というインパクトのあるネーミングですが、このタイトルに決めた経緯を教えてください。

日本にもあるかな、テレビを見ているといきなり公共広告が流れるんだ。“This has been a public service announcement” (公共広告でした)って最後に言うんだけど、その文字を変えて、disservice(危害を加える)にしたら面白いと思って考えただけどのくだらない理由なんだ。たいしたことじゃないんだ。
アートワークの方は、アルバム・ジャケットに自分の顔を出したくなかった。もちろんマスクをつけているのは俺なんだけど、なんかカッコいいイメージが欲しかった。カメラマンといろいろ相談して、写真を撮っている内にできたものだった。

-『A Public Disservice Announcement』に収録されるインストゥルメンタルの楽曲をWEB上にアップし、それを一般の応募者がアレンジして投稿し、その中からアイデアが選ばれた人は実際にアルバム制作に関われる、というリスナー参加型の企画を行ったそうですが、かなり反応が良かったようですね?この企画について詳しく教えてください。

まず、一つ目の理由としてこんなこと誰もしたことがないから。1トラックとかなら過去にも誰かがやっていると思う。例えばトラックをアップして、誰かにリミックスをしてもらうというバンドは多いけど、俺は全く新しい考えで取り組みたかった。
一枚まるごと一般の人に参加してもらうなんてこれが初めてなんだ。大変な作業だけど、やってよかったと思うんだ。これをやることによって、他のバンドも自分達のファンとこうして音作りに取り組もうというインスピレーションになったし。よりオーディエンスと密接な関係が出来る。俺が10代の頃に聞いていたヒーロー・バンドがそんなことをして、俺が彼らの音楽に携わる機会があって、ドラムを叩いて、送り込んで、それがアルバムで使われたらどうだっただろうか、なんて考えたりするとそのぶっとんでしまうだろうなって思う。だから参加してくれた人達がそんな思いなのかと思うと俺も興奮してしまうんだ。トータルで47人が部分的に参加しているんだけど、アルバムがリリースされる2週間後に、クレジットされている自分の名前を見て驚く人たちの顔が見たいよ。
まだ誰のパートが使われたか発表してないので、それをブックレットで確認した時に、きっとすごく嬉しいと思う。リリースされて、彼らが自分だって分かるんだけど、それだけじゃなくて、彼らが住んでいる町や国や近くでツアーで訪れた時は、彼らもライヴに参加してもらうことを連絡するんだ。一緒にライヴにジャムできるから、ワールドワイドのコラボレーションの輪が完成するんだ。全世界からの応募があって、すごいんだ。イスラム諸国からキーボードパートを弾いてくれている人がいるし、ロシア、日本、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージランド、ネットがある所ならどこからでも、応募してきたんだ。

-最近の若手バンドに音楽活動を行っていく上で助言がありましたら教えてください。

確かに今の音楽業界は前と変わったけど、良くなっている部分も多いんだ。
音楽を人に聴いてもらう手段が増えたし、過去と比べると全く違う形になっている。昔はシングル盤を手で作って、オーディエンスに投げて、それを友達にも聴かせて欲しいと願うだけのことだったけど、今は世界中で簡単に聞いてもらえる。ただ、あまりにも音楽が溢れているから、圧倒される感じはある。ついて行くのに苦労するから、いい音楽に気づかなかったり、逃したりする傾向がある。ネットで流れていて、気づかれない素晴らしい音があると思うから残念だし、悲しいことだよね。今時代が変わったことは確かだけど、助言らしき言葉がないな。出来るだけプレイして、出来るだけ多くの耳に届くように工夫しないといけないと思う。人に認められて、自分の才能をさらに磨くことを身につけるしかないと思うんだ。

-2000年から2010年までにリリースされた作品の中で最も気に入っているラウドロック・アルバムを1枚挙げてもらえますか。また選んだ理由を教えてください。

そうだな、ロックアルバムで2000年から2010年で感動したのはなかった。だけど新しいバンドで気に入っているのはPASSION PITというバンド、それから30 Seconds To Marsも中にはいいトラックがある。でも一般的に、「ワー、あのアルバムを手に入れなくちゃ!」って思ったような作品に出会ってないような気がする。悲しいことだよ。今の音楽は一体どうなっているんだ?

-それじゃTommyが“このアルバム手に入れなくちゃ!”って思わせるような作品を作り続けて、人をインスパイアしてください。

頑張るよ。でもさ、このアルバムが“今の音楽は一体どうなっているんだ”の中に含まれないように祈っているよ(笑)。このアルバムがみんなに感動を与えるものになって欲しい。