MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

MELEEH

2010.05.07UPDATE

2010年05月号掲載

MELEEH

Member:Thomas Österberg(Gt) Thomas Florén(Vo)

Interviewer:ムラオカ

-2007年にリリースされた前作『Heartland』がここ日本のアンダーグラウンド・ハードコア・シーンでは高く評価されていましたが、地元スウェーデンや欧米ではいかがでしたか?

Tomas Ostergerg(以下TO):いい感じの反応はあったよ。いいレビューも書いてもらったし、あのアルバムを出してからライヴに来てくれるキッズも随分増えたような気がするね。それにツアーのブッキングが楽になったことや、フェスに出れる様になったことが嬉しかったな。

-MELEEHというバンド名は造語でしょうか?MELEE(混戦、混乱、雑踏などの意味)という言葉に関係しているのでしょうか?

TO: 君の言う通りさ。初めはMELEE って名乗っていたんだけど、最後にHを足した方が面白いんじゃないか、って事で改名したのさ。MELEEH という単語は造語さ。

-サード・アルバム『To Live And Die Alone』リリースおめでとうございます。
アルバムが完成してすでにスウェーデンなどではリリースされているようですが評判はいかがですか?

TO: ありがとう。キッズはみんな気に入ってくれているようで、それが何より嬉しいよ。みんなのサポートが無ければ、俺たちは存在しないんだから。

-アルバム全編生々しいサウンドで溢れていますね。ライヴ感覚を最大限に生かすためライヴに近い状況でレコーディングされたとのことですが、実際にどのような方法でレコーディングしたのか教えてください。

TO:一番今回のレコーディングでいつもと違ったことは、とにかくたくさんプリプロをして、曲作りにも、リハーサルにもたくさん時間を使ったことなんだ。どんなサウンドを俺たちは求めているのかって話もたくさんしたよ。生っぽいサウンドを出すレコーディングは、練習さえしっかりしていれば、実は簡単で、時間もかからなかったよ。だからオケ録りは、1週間ぐらいで終わったんだ。それが他のバンドと違うのかどうかは分からないけど。俺たちは、ただ電源を入れて、爆音で演奏しただけさ(笑)。

-あなたがたのサウンドは非常にヘヴィでエクストリームですが、それと同時に知的で美しいと感じました。美しいピアノ・サウンドやクリーン・ヴォーカルを入れているわけでもないですが、なぜなのでしょうか?あなた方自身インテリジェンスや美しさを自分たちのサウンドに取り入れているという意識はありますか?

TO: 俺たちはうるさいだけじゃなくて、美しさも表現したいというのはその通りさ。さっきも言ったんだけど、今回は本当にたくさんリハーサルをして、音楽的には勿論だけど、精神的にも限界まで自分たちを高めようとしたんだ。俺たちが理想の音を創造するには、ドラムのビートや、スクリームですら欠かせない大事な要素なんだよ。

-アルバム・タイトル『To Live And Die Alone』に込められた意味を教えてください。

Thomas Floren(以下TF): 俺は小さなころからずっと悩んできたことさ。“誰にも気もかけられることなく自分は死ぬんだ”という孤独感は、産まれてから20年以上俺を脅かしてきた。まぁ、そんな事を時々考えることは誰にでもあると思う。でも俺の場合、この感情が大きくなりすぎて、周りや自分自身にマイナスに大きく影響しだしたんだ。だからこのアルバムは俺にとって処方箋のようなものさ。俺の中の戦争、葛藤、そしてそれを乗り越えてようとする歌なんだ。この戦いには決して勝つことは出来ないと知りながらもね。アルバムのタイトルが決まる前に俺はもう既に歌詞を書いていた。そこでみんなに相談したら、『To live and die alone』というタイトルがパーフェクトだと全員の意思が一致したんだ。このアルバムの中でも強烈な内容の歌詞の2曲がくっついて、メンバーそれぞれみんなの精神にもリンクすることが出来たのさ。

-最近のハードコアやスクリーモ・バンドは怒っていてもどこかコミカルな印象やパーティー感が強いバンドが多いように感じますが、あなたがたのサウンドからはリアルな怒りや痛みが生々しく伝わってきます。あなたがたにとってサウンドに怒りや痛み憎しみといった感情は不可欠なのではないでしょうか?

TO: 俺たちは自分たちのバンドにとても敬意をはらってきた。俺たちにとって純粋さ、リアルさを表現することはとっても大事なことさ。残念な事だけど、今のハードコア・シーンで心を打たれるバンドはほとんどいないよ。メッセージもないのにスクリームする必要がどこにあるんだって言いたいよ。

-もしあなた方自身が年を重ねるに従って世の中や人生に満足するときが来たら、MELEEHとしてのサウンドも大きく変化するのでしょうか?

TO: 勿論さ。でもスクリームする必要が無くなったらきっとハードコアはやってないだろうな。