INTERVIEW
DIE MANNEQUIN
2009.12.07UPDATE
2009年11月号掲載
Member:Care Failure(Vo&Gt)
Interviewer:KEE01
-『Unicorn Steak』を聴かせていただきました!全体を通してハードロックやパンクロックなど様々な音楽要素が伺え1曲1曲バラエティに富んでいてとても痛快でかっこいい作品だなと思いました。実際のところどんなコンセプトを元に作られたのですか?
的を得た質問をアリガトウ!まさに異なったジャンルがたくさんあるの。
それは私が好きな音楽がたくさんあって、音楽だけではなく曲の言葉や雰囲気の中にあるトピックスやテーマなど私をとりまくものすべてに影響されているからなの。
残念ながらこの『Unicorn Steak』は2枚の異なった時期に書かれた異なった曲を合わせたアルバム(別の時期に書かれたランダムな曲を2 曲つけて)だからコンセプトづけることが難しいけれどね。
-アルバム制作にあたり、苦労した点はありますか?
ワオ。どちらのEPにも大変なことはたくさんあったわ。いつもたくさんの葛藤があるの。特に私に。プロデューサー達やレーベルの幹部やマネージャーや私をよく知る人たちは、私がこの呪いを持っていることを知っているの。たとえるならば、暗い雲が私に付きまとうような感じなの。そしてそれは、マーフィーの法則みたいなもので、悪い方向に行くと思うと、必ず悪い方向に行っちゃうの。そういったことはよく起こるわ。私の全てのアイディアが入ったラップトップコンピューターが盗まれたことがあって、それで最初からやり直さなくてはならなくなったこともあったわ。こういったことは不思議と楽しい気分の時によく起こるのよね。なんでこんなことが起こるの???というカンジだわ。ハハ。でも、そういったことを何度も乗り越えてきているから大丈夫だけどね。最初のEPを作ったときに一番大変だったことは、私しかいなかったから、一人で全ての楽器をレコーディングしたの、あれは大変だったわ。次のEP『Slaughter Daughter』は、そういったことはさすがにやめたけどね。なぜかというと、私の脳を1日中、朝方までものすごく集中させなければならなくて、それは身体や脳にとってすごくストレスだったからなの。私にとって歌うことは、自分の感情を歌にこめるので、ものすごく疲労してしまうの。時々すごく暗い場所に行かなければならないから、最悪な状態になったりもするのよ。でも、私はスタジオでのプロセスが好きになってから、自分が自虐的にならなければならないと思ったし、ヴォーカルを録音するのにクローゼットの中で歌うのも好きなったわ。
通常、私がEPをレコーディングするのに一番難しいと思うことは、
1、その曲がベストな形で、防弾で危険な表現になっているか確かめる。
2、アーティストとして満たされていると思える場所にいけるか、トーンやギターやベースの音響が自分にとって満足のいくものか。
この2つよ。
この2枚のEPを作っているときにものすごく成長して、今ではもっと成長したわ。『How To Kill』のEPでは、本当にギターの音がキライで、次では、もうちょっと洗練させたいと思っているの。そこで、『Slaughter Daughter』のEPでは、もっとヘヴィーな耳を破壊するような、ギターの音を入れるようにしたの。
レコーディングについての話もするね。私は歌詞を、録音する前に書くんだけど、たいていいつも歌を入れる寸前に歌詞が出来上がったりするの。だから、毎朝ちょっとおかしな女性みたいに歌詞を書きなぐって、一日中、歌を入れるの。2枚目のEPでは、今までよりも歌詞に重点を置いたの。でも、特に短い期間、数時間で作曲し、完成させるというのはものすごいプレッシャーなの。それはいつも大変なことだと思うわ。私はいつもドラムのパートから作曲するの。全ての気持ちを込めて、たくさんの違ったリズムとアイディアをベストと思える形になるまで書き続けるわ。スタジオドラマー達に、たとえば、Jack Ironsに、私はそういうことに長けているといわれることが多いのよ。
-『Unicorn Steak』に収録されている曲の中で特に思い入れのある曲、お気に入りの曲を教えてください。
ワォ!!選ぶのはすごく難しいわね(笑)。
私は「Empty's Promise」(16歳の時に作った古い曲)、「Autumn Cannibalist」、「Lonely of a Woman」、「Do It or Die」を演奏するのが好きなの。でも、聴くということになると、「Lonely of a Woman」、「Upside Down Cross」、「Do It or Die」、「Saved by Strangers」をリストに入れたいかな。作った曲は"子供のようなものだから、選ぶのがすごく難しいの。「Saved by Strangers」のイントロに「Autumn Cannibalist」を混ぜて、「Donut Kill Self」のコーラスと「Lonely of a Woman」のパワーと「Do It or Die」のキャッチーさを混ぜたら、それは私の完璧な"ハイブリッドソング"になるわね(笑)。
-MSTRKRFTのAL-PやBILLY TALENTのIan D'Sa、MADONNAのリミックスなどを手掛けたことで知られるJUNIOR SANCHEZなどクレジットされているプロデュース陣がそれぞれ違った個性を持った人たちばかりですね。起用したきっかけを教えてください。
最初のEPは、Jessie F. Keeler (JFK)が、私の汚いアパートに来て、私の曲を録音したいって言ってくれたの。私はDeath From Above 1979の大ファンだったというものあって、トロントから1つもクールな音のバンドが出ていないのなら、これはクールな事件のひとつになるなと思ったの。だから、彼を信頼して私の曲とEPを預けたの。彼は、ものすごく才能に溢れた人で、素敵なパートナーだったわ。JFK,とAL-Pは、私が『How To Kill』を録音しているときに、ちょうどアルバムを作っているときだったから、(彼らの音をまだ聴いた事がないけど)私はレコーディング中にすごく仲良くなったの。彼らとはいい思い出がたくさんあるわね。彼らがライヴに呼んでくれたり、私が呼んだりすることもすごくクールだったわ。私は、実はMSTRKRFTの最初のアルバムの2曲目か3曲目の歌を歌ったの、その曲は「She's Good for Business」という歌だったわ。
2枚目のEP『Slaughter Daughter』では、Ian D'Saがプロデュースをやりたいといってくれ、私達は友達だったから、すぐにフィットしたわ。でも、私はその頃もっと経験がほしいと思ってたから、このEPに2人のプロデューサーを起用することにしたの。2曲ごとにね。そのことで、この2人のプロデューサーがどうやって仕事していくのかという知識を得たの。この経験は、私自身をプロデューサー、作曲家、録音家として力を与えてくれたわ。だから、私はもう1人の友達であるJunior Sanchezがどうやって仕事をするのか見たいと思ったの。彼は、いろんなタイプの音楽やバンドのレコーディングをした経験があるのよ。具体的に私は彼に「Lonely Of A Women」をプロデュースしてもらいたいと思ったの。なぜなら、この曲はヘヴィーなダンスソングだし、彼はニューヨークで色々なダンスアルバムを創り上げた経験があるからなの。彼は本当にプロデューサーとしての見識を持った人だったわ。
みんな知ってると思うけど、他のバンドは本当につまらないプロデューサーを選んでいるわ。レコードレーベルが選ぶことも多々あるけど。ラッキーなことに、私のレーベルは私を尊重して、アートを信じて、干渉せずに私に私の仕事をさせてくれるの。すごく素晴らしいことね。
-もっと詳しく聞いてもいいですか?
いつも誰とでも異なっているわ。でも、いつも家族のようなつながりが生まれるの。私はたぶんラッキーなのね。音楽はいつでも良くなければならないけど、みんな仲良くなって、お互いの才能や一緒に仕事をすることに感謝するべきだと思うわ。こういった素晴らしい人たちが私がどんな人間か、私の何がよかったか、声はどうだったか、ギターが良かったとか言ってくれることで、私はコードを生み出し、早く素晴らしい仕事が出来たりするの。こういったコメントによって、私がなぜこれをしているのか、もっと重要なことに自信をつけてくれるの。大変な仕事を長い時間をかけてしたことによって、新しいことを学び、いい思い出ができるの。それだけじゃなくて、違った種類の才能のある人々と知り合いになって、ロック関係の人もいるけど、彼らとクレイジーな時を過ごすことができるの。
ちょっと俗っぽく聞こえるかもしれないけど、私は一緒に今まで仕事をしてきた人達と仕事ができて本当に運がいいと思っているし、素晴らしいソウルを持っている人々を選んだことで、よく眠れるようになるの。これは大げさじゃなくて本当のことよ。