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INTERVIEW

SECRET AND WHISPER

2008.07.16UPDATE

SECRET AND WHISPER

Member:Ryan Loerke (Drums)

Interviewer:MAY-E

-アルバムのアートワークの白鯨は、籠に閉じ込められているように見えますが、なぜ閉じ込められているのでしょうか?

アルバムのデザインと白鯨のイメージはInvisible Creature (注:シアトルにあるグラフィックスタジオ。多くの著名ミュージシャンの作品を手掛けている)のRyan Clarkが手掛けたものなんだ。彼とCharlesでアルバムの全体的なテーマについて話し合って、『Great White Whale』のイメージが浮かんだとか(詳細はひとつ前の質問)。全く想像もしていなかったものが出来上がってきたけど、だからこそみんながすごく気に入ったんだ。CDのアイコン的な象徴に感じたし、本当にすべてがしっくりきた。鳥カゴに閉じ込められた白鯨のように妙にも感じたけどね(笑)ジャケットは日々目にするものでもないし、他にないコンセプトは大歓迎だよ。

-また、ページをめくるとパンダなど、他にも奇妙な生き物が描かれていますが、これらは何を表しているのでしょうか?

『Great White Whale』では収録曲のイメージが顕著で、Charlesはそれぞれの歌詞に合った絵を描いたんだ。幽霊の絵は「Attacker」、狼男は「Werewolves」という感じでね。「Spider Besider」のパンダにはちょっとした話があるんだ。Charlesが“ママ・パンダ”というチャイニーズ・レストランで働いていた時に、歌詞にインスピレーションを与えてくれたある人物と出会った。名前はLachoku。またチャールズはアニーという名前の女性と一緒に働いていたことがあって、実はその彼女の本名も“Lachoku”だと後から判明した。どうやらカナダに引っ越すことになり、仕事や生活のことを考えて名前を変えたらしいんだ。この曲は、アメリカ北部の文化に合わせて“ビル”だの“スーザン”だの、名前を変えるなんて馬鹿げているという彼(そして僕たち全員)の思いがベースとなっている。中国は豊かな文化がある国なのに、それはさておき国を出るからというだけでそんなことを強いられるなんてやっぱりおかしいよ。パンダがテイクアウト用のチャイニーズ・ボックスを抱えているのはそういうわけさ。どのキャラクターにもストーリーがあるんだ。

-SAOSINと比較されることも多いと想像しますが、それについてはいかがですか?

今も昔も変わらずSAOSINと比べられてるのはよく知っているし、才能ある素晴らしいバンドだからすごく光栄なことだよ。人は比較するのが好きだしそれはいいと思うんだ。ただ僕たちはらしくないことはしないようにしているし、書くのはアーティストとしての感情を代弁する曲。Charlesは高いキーで歌うから、それでみんなが比べているんじゃないかな。でもそんなのはCharlesがどういうタイプのシンガーかってことにすぎないよ。Charlesは本当に印象的な声域をもっているし、次のアルバムでは高音か低音の歌をもっと取り入れたいと思っているんだ。彼は自分の実力以上のことをしようともしなければ、最近どこにでもいるようなタイプのシンガーでもない、ただ感じるままを歌っているんだ。ずっとバンドとして活動してきたけど、SECRET AND WHISPERは僕たちの新たな方向性でもあるし、求めるサウンドのために常に軌道修正をしているよ。

-「ポスト・スクリーモ」と称されることに対してはどうお考えですか?

一日の終わりにこう思うんだ。自分たちらしいバンドで在るか、もしみんながただ比べたいだけで、僕たちの本質を見ていないとしたらどうかって。でもそれは自由だからね。僕たちはみんなに好かれるためにやってるバンドではない。僕たちは音楽を愛しているからやるだけ、そしてその愛を人々とシェアするためにやるだけなんだ。

-エモ・スクリーモと呼ばれるシーンがありますね。あなた方のバックグラウンドも含めると、そのシーンとS&Wを完全に切り離すことは難しいことだと思います。そんな今の音楽シーンの中で、やり辛さを感じることはありますか?

バンドをジャンル分けするのは難しいよね。きっちりジャンルが定義されているバンドもいれば、そうではないバンドもいるし。僕たちはいちヘビー・ロック・バンドに過ぎないと思っていて、なんていうか息苦しくなるような型には絶対にはまりたくないんだ。90年代のアルバムをいろいろ聴いてみれば分かるけど、例えばSMASHING PUMPKINSはアルバムで幅広い音楽性を披露しているよね。美しいスロー・テンポのアレンジかと思えば、次のトラックは重厚でアグレッシヴだったり。僕たちもこういう風に選択肢を備えたアルバムにしたいと思っても、ジャンルを特定することでそれが抑制されてしまうよね。もしみんながポスト・スクリーモと呼びたいのならそれはそれでいいさ。リスナーが音楽の定義に偏見をもたないのなら、どう呼ばれようと大したことじゃないさ!

-あなた方は「音楽そのものが目的である」と仰っていますね。あなた方が考える「音楽的な成功」とはどのような事だと考えますか?

僕が思うに音楽で成功するということは自分がやっていることがハッピーであるってことだと思う。お金も、アルバムの売上げも関係ない。もしショウを楽しんでいなかったり、自分が書いた曲を好きじゃなかったりするのなら、じゃあ何の意味があるんだってね。常に応援してくれる誠実なファンをもつこと、これこそがどれだけ成功したかを決定づけるものだと思うんだ。僕はCDをコピーしないという1000人のファンより、ショウで音楽を好きだといってくれる100人のファンがいてくれたほうがいいな(笑)