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FEATURE

IT DIES TODAY

2009.12.06UPDATE

新ヴォーカリストJason Woodを迎え、破壊力とブルータリティを増した最新作『Lividity』、堂々日本上陸!!

Writer MAY-E

2001年、ニューヨークはバッファローにて若干16歳(!)という若さでバンドを結成したIT DIES TODAY。10代という若さを感じさせない演奏力と、メタル、ハードコア、さらにはエモまでもクロスオーヴァーさせる優れたソングライティング力で、メタルコア~スクリーモのファンを中心に高い支持を得ているバンドだ。
02年にLife Sentenceよりミニ・アルバム『Forever Sentence』をリリース。その後は名門Trust Kill Recordsと契約を果たし、04年にファースト・アルバム『The Caitiff Choir』でデビューを飾り、05年にはOZZFESTに出演。06年に、セカンド・アルバム『Sirens』をリリースしている。Taste Of ChaosやWarped Tourに参加しながらも、07年には映画『BIOHAZARD』のサントラに、09年には映画『SAW VI』のサントラに楽曲を提供していたのは記憶に新しい。
ファースト・アルバム『The Caitiff Choir』のリード・トラック「A Threnody for Modern Romance」「Severed Ties Yield Severed Heads」などは当時の激ロックDJイベントで頻繁にスピンしていたこともあって、個人的にも思い入れが強いバンドの一つだ。そのIT DIES TODAYのサード・アルバム『Lividity』が、日本盤となって09年12月にリリースされることが決定した(US盤は09年9月既発)。

アルバム・タイトルである“Lividity”は医学用語で“死斑”を意味する言葉だそうだ。本作から新ヴォーカリストとして迎えられたJason Wood は『Lividity』について、「比喩的にいうと、例えば誰かの人生はすごく停滞しているとか、これといった動機や目的がない。7曲目のNihilityがニヒリズム(虚無主義)や絶対的な破壊性について歌っているように、この作品のテーマは“キャラクターの欠陥”なんだ」
とコメントしている。

本作『Lividity』は、破壊力とブルータリティが驚くほど増している作品なのだが、バンドの方向性がここまではっきりと定まったのはリリックを担当しているこの新ヴォーカリスト、Jason Woodによってもたらされたものがどうやら大きいようだ。

鋭いギター・リフ、リズミックでファストなリズム隊、咆哮、それらが一体となって襲いかかる冒頭の「This Ghost」、映画『SAW VI』のサントラに収録されていた「Reckless Abandon」にまず圧倒。HATEBREED譲りのハードコア・サウンドが炸裂する「Thank You for Drinking」。破壊的なサウンドの中、憂いあるメロディが流れ出してくる「Miss October」。プログレッシヴなリズム・ラインと不協和音を織り交ぜた「Bled Out In Black And White」をはじめ、IT DIES TODAYらしからぬクリーン・パートなしの楽曲もちらほらあるのだが、続く「Martyr of Truth」の後半に差しかかると優雅で壮大なクリーン・パートがお目見えする。スクリーム・パートから雰囲気が一転するのだが、ハード・エッジな中にも IDTサウンドの肝でもある特有のメロディ・ラインを忘れてはいないのが嬉しい。「Nihility」のドライヴ感、よりファストな「Life of Uncertainty」、メタリックな「Architects」「Complacence Without Pursuit (Lividity)」と、アルバム後半も攻撃的に攻めまくってくる。ボーナス・トラックにはDURAN DURANのカバー「Come Undone」と、ALICE IN CHAINSのカバー「Them Bones」、さらに「Sixth of June」のEXTINCTION REMIXが収録されている。

ヘヴィなサウンドとメロディアスなクリーン・ヴォーカル、対極的とも言えるこの二つの雰囲気を併せ持ったドラマティックな展開は彼らにとってはお手の物だが、本作ではその両極がより洗練された印象を受ける。メロディ・パートが減ったために、一見するととてつもなくヘヴィになったと感じられるのだが、メロディ・パートがより際立ったことでアルバムに深みと豊かさが感じられ、聴き手を惹きつける力にも繋がっている。紛れもなく過去最高作品であろう。来日はまだか。

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