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INTERVIEW

sylph emew

2016.04.04UPDATE

2016年04月号掲載

sylph emew

Member:良夢(Vo) shinya(Gt)

Interviewer:山本 真由

滋賀発、2010年結成の紅一点ヴォーカル良夢率いる5人組、sylph emew。ピアノ・エモからラウドロック、メロディック・パンクなど様々なロックのスタイルを踏襲しつつも、J-POPやアニソン的なキャッチーさも併せ持つ、独自のスタイルで孤高の道を行く彼らが、さらなる挑戦を成し遂げた。今回は、メンバーの良夢(Vo)とshinya(Gt)に、キャラの濃い楽曲たちの生まれた経緯について語ってもらった。

-1st EP『アンコントローラブル』のリリース、おめでとうございます。1stアルバム『&』リリース時のインタビュー以来、1年半ぶりですが、今作リリースまでの活動について教えていただけますか?

良夢:ありがとうございます。『&』のリリース・ツアー中から、新しい曲はどんどん制作していて、7月にドラムのレコーディングから始まって、少しずつ録りながら11月ごろにやっとマスタリングまで終えることができました。それと並行して、ライヴはツアー中のペースとあまり変わらないくらいの本数だったので、意外とハードでしたね(笑)。

-作品を完成させて、どのような感想を持ちましたか?

shinya:ついに完成した、という感じでしたね。曲自体ができてからレコーディングが終わるまで結構な期間だったので、"CDを作るということは簡単なことではないな"と改めて実感しました。そのぶん、完成したときの充実感も大きかったです。

良夢:私は、とにかく"やりたいことはブチ込んでやったぜ!"って感じですね。

-なぜアルバムではなく、このタイミングで5曲入りのEPをリリースしようと思ったのですか?

良夢:最初は、特に曲数に対してこだわりはなかったんですが、なんとなく今回の5曲が出揃ったときに、"全曲A面シングルか!?"ってくらいこだわりたい部分が多くて。それならもう胸焼けしそうなくらいのCDにしてやりたいなと。ステーキ!ステーキ!ステーキ!ステーキ!ステーキ!みたいな。おかげで味つけが大変でしたけど(笑)。そんなこんなで当初予定していたリリースのタイミングよりは遅れましたけどね。盛大に。あ、これ言ってよかったのかな(笑)。

-そうだったんですね。今作には、非常にバラエティ豊かな楽曲が収録されていますが、アルバム全体を通して、何かコンセプトはあるのでしょうか? また、"アンコントローラブル"というタイトルにはどんなメッセージが込められているのでしょうか?

shinya:ある程度曲が出揃った段階で、精神的な部分を歌った曲が中心になっているとは感じていたのですが、その中でも今作で歌っている内容は、ただ心の中で思っているだけの感情ではなく、抑えきれずに表に出てしまうような感情を描いていると感じたんです。そういった感情を表現する言葉を探したときに"制御不能"という意味の"アンコントローラブル"という単語が浮かんで、それがタイトルになりました。

良夢:漠然と二面性や本性とか本音みたいなものを表現したいというところから始まりましたね。本能は理性を、理性は本能をコントロールしていて、それによって初めて自分という人間が制御されているように思えて。それで、"もしこれが制御不能になってしまったらどうなるんだろう?"って考えたんです。本能だけが正しいわけでもなく、理性だけが正しいわけでもなく、ただただ何にも制御されずに解放されるような。でも結果的には制御されない方が難しくて。二面性のバランスの中で生まれる葛藤が原動力になって行動を起こしたり心が動いたりする場面を強く意識しましたね。

shinya:制御できないほどの感情も、ときにはすごく大きなエネルギーになって、本来ならばできなかったことができたり、苦しいことを乗り越える力になったりするんじゃないかなと思うんです。そうやって何かを乗り越えることができたなら、それって実は自分次第で、ある意味コントロールできるということなのかもしれないなと思うんです。最後の「lubble」(Track.5/読み:ラブル)という曲のタイトルは"uncontrollable"の中の、"~できる(= able)"から作った造語で、EPのタイトルではコントロールできないと言っておきながら、"もしかしたらできるかもしれないよ"と、そんなメッセージも込めています。

-楽曲制作のプロセスについて教えてください。作詞は良夢さんがほとんど担当しているようですが、作曲に関しては、メンバーとどんなふうにイメージの共有をしているのでしょうか?

良夢:楽曲は、作ってきたメンバーがおおよその完成までをイメージして作ってきているので、それに寄り添うようにメロやアレンジを加えてますね。

shinya:シルフの強みは、ほとんどのメンバーが曲を作れるというところにもあると思っていて、一緒にいるとなんとなく今誰がどんな曲を作ろうとしているかがわかったりするので、"じゃあ僕はみんなが作っていないこんな曲を作ってみよう"とか、そうやって自然とバランスをとっている感じはありますね

良夢:作った時点では、やりたいアレンジがメンバーにはバレバレなときがあるので、ひまだし引き出し増築中です(笑)。「メンヘラサーカス」(Track.1)はK(Gt)が持ってきたんですが、この曲は意表を突かれたというか"ついにコイツやりおった!"みたいなヤラれた感ありましたね。トトロがついにコマに乗って飛んだような。飛んだんでもうポルコ・ロッソ(紅の豚)ですよね。ただのK君じゃなくなりました。