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INTERVIEW

流血ブリザード

2025.12.12UPDATE

2025年12月号掲載

流血ブリザード

Member:ユダ(Vo) ミリー・バイソン(Gt) スーザン・ボ・イール(Ba) セクシー・ダイナマイト・プッシーガロアⅧ世(Dr)

Interviewer:フジジュン

-いざというとき、助けてくれる仲間たちがたくさんいるじゃないですか。だから、ユダ様は"Nobody loves me"とか言って、スネてちゃダメなんですよ。

ユダ:「I hate me」でそう歌ってますね、たしかに(笑)。

ミリー:でも、"I LOVE ME"とも歌ってるから、それで救われるんだよな。

ユダ:「I LOVE ME」(2010年リリースの1stアルバム『わしのイチモツ』収録曲)を長年歌ってきて、ここに来て「I hate me」って曲ができるとは思ってなかったですけど。それは「I LOVE ME」って曲があるから「I hate me」も作ろうとか、そんな理由ではなくて。メンタル的にしんどい時期に、自然発生的に生まれた曲なんです。かと思うと、「SMA」とか「しゃーない」みたいなポジティヴな曲もあって。そこは人間やから、どっちも俺なんですよ。"何がなんでも楽しく生きてやるぞ!"みたいな気持ちもあれば、"マジで人生とかなんなんやろ? もう終わりたいな"って気持ちもある。

-今回、そんな部分が赤裸々に描けてるから、ユダ様のいろんな表情や人間臭い部分がリアルに見えてくるし、様々な曲調からバンドの多面性も見えてくる。そういう意味でもすごく心に響くし、聴き応えのあるアルバムになってると思います。あと聞きたかったのが、2024年5月に加入したスーザンさんは流血ブリザードにどんな影響を与えました?

ユダ:スーザンの影響はすごく大きいですね。流血ブリザードをやるためにもともといたような人が、入るべくして入ったような。"Mr.流血ブリザード"みたいな感じさえあります。だから、スーザンが入ったことでメンバーのファミリー感もすごく強くなったし。ずっと見てくれてる人たちも"いいメンバー入ったね"と言ってくれます。

ミリー:最初からめちゃくちゃやる気に満ち溢れてたから、着火剤みたいな感じでアタイらのやる気にも拍車が掛かったよな。もともとヴォーカリストで、ベース始めてから2年くらいだったけど、ベーシストとしてもすごい成長っぷりだし。

ユダ:スーザン自身がバンマスを経験してたから、気持ちを分かってくれるのも大きくて、自分としてはすごくやりやすいのもある。バンドって人の身体と一緒で、全部が揃ってようやく走れるところがあって、どこか故障してる状態だと全力では走れないんで。スーザンが入って、万全の状態で全力で走れるようになったというのはありますね。

スーザン:オラはもともと、流血ブリザードのファンというか、最初に客として知ったっていうのが大きいのかもしれないですね。流血ブリザードに入ることのプレッシャーもあったけど、ずっと見てたバンドだから。"オラが入ったらこうしよう"みたいなヴィジョンが、最初からあったんですよね。

ユダ:スーザンとは趣味も近くて、"デビルホンコンズ"ってユニットも2人でやってて。

スーザン:10年くらい前に流血ブリザードが東京に出てきはじめた頃、周りの人に"ユダ君とめっちゃ仲良くなれると思うから、話したほうがいいよ"って言われてて。なかなか話す機会もなかったんだけど、会ったらすごく仲良くなって。ベースは2年くらいしかやってなかったけど、気持ちが一緒だったから加入したって感覚が強いですね。

セクシー:ベース歴は2年でしたけど、キャリアが足りないっていうのは感じなくて、最初から違和感なく一緒にやれた。僕が骨折したのと同じくらいの時期に、スーザンも骨折したんですけど、僕が右足、スーザンが左足って感じで、そんなところにもシンパシーを感じて(笑)。プライベートでもよく話すし、音もすごく固まってきてると思います。

ユダ:あとはこのメンバーになって、またバンドが楽しくなったんで。それがスーザンの与えてくれた、一番大きな影響かもしれないですね。

-ではせっかくなので、『アンチェインオーバーキル』から思い入れの強い曲を挙げてください。

ミリー:アタイはやっぱり、リード曲の「アンチェインオーバーキル」だな。この曲は"メロディック・パンク風にしよう"って作りはじめて、ハード・ロックみたいな感じで着地したんだけど。もともとメロコアっぽくしようと思ったからブリッジ・ミュートを入れたり、自分の歌うパートをラップっぽく歌ったり。自分的にはいろんな挑戦があったし、すごくやりがいのある曲になってる。完成したとき、"これで自分もギタリストと言っていいのかな"って、自信が持てた曲だったな。

スーザン:オラも「アンチェインオーバーキル」ですね。もともと、流血のファンだったというのもあって、原曲を聴いたときに"めっちゃ流血っぽくないな"と感じたんだけど、自分が入った新しい流血ブリザードの門出の曲みたいに思えて。"ここから始まるぞ!"みたいな感じがあって気合も入るし、思い入れの強い曲になりましたね。

セクシー:僕は『アンチェインオーバーキル』だと「RPG」ですね。世界観はダークなんだけど、演奏面は結構カッコいいフレーズができてると思うんで。演奏面に注目して聴いてもらえると、一味違った曲に聴こえると思っていて。もちろん「アンチェインオーバーキル」も聴いてほしいけど、「RPG」も裏推し曲になってます。

ユダ:俺はどれも思い入れがあるけど、やっぱり「アンチェインオーバーキル」ですね。正直、一番歌も難しくてハードルの高い曲なんですけど、1曲というとこれです。

-苦労の甲斐もあって、新たな幕開けとなる自信に溢れた一枚になりましたね。

ユダ:そうですね。今回、"もう一生アルバム出さんくてもいいか"と思えるくらい出し尽くした感はあります。ただ、もし次作るなら、全く違うようなアルバムを作りたいんです。聴いた人が"なんじゃこりゃ?"と思う、"これはパンクでもなんでもなさすぎるだろう!?"みたいな、とんでもアルバムを作りたいですね。

ミリー:まぁ、その前に11月のレコ発("流血ブリザードNew Album Release Special Live【OUTLAW SCUMFUC TRADTION】")に向けて、新曲も練習しなきゃいけないし。GG Allinの曲も、ライヴに向けてもう一度やり直さなきゃいけないけどな。

ユダ:そうやな。ここからはこの曲たちをひたすら猛練習する日々に追われるんで、新しい曲を作ってる暇は当分なさそうですけど(笑)。