INTERVIEW
Verde/
2025.11.12UPDATE
Interviewer:山口 哲生
-Shouさんは、今もその感覚ってあります? 今のままでいいのだろうかみたいな。
ずっとありますね。もっと成長したいとか。でも、他人のことはもっとこうしたほうがいいかもねって考えたりするタイプなんですけど、自分のことが一番分からないなって思ってます。客観視するのが難しいなって。
-たしかに難しいですよね。「Story/」はピースフルな印象もある楽曲になっています。
ポップ・パンクみたいな強さがある曲というか、バラードではないけど、メロディの強さで押す曲にしたいなと思いながら作ったんです。だけど、歌詞を書いている最中に、ギターを弾いてくれている優介が腕を骨折してしまい、いつギターを弾けるか分からない状況になってしまって。でも、生きていてくれるだけで充分良かったと思うよという気持ちを歌詞にしました。
-優介さんへの思いを綴ったと。
そこまで言っちゃうとね、なんか恥ずかしいけど(笑)。そういう状況で書きました。
-ポップ・パンクというワードもありましたが、サウンド面で目指していたものはありましたか?
デモの段階ではもっとヒップホップっぽいトラックにしてたんですよ。メロディは変わっていないんですが、もうちょっと隙間があって、ギターもここまで入れていなくて。この曲はBLVELYってプロジェクトで活動しているギタリストのtatsu君という、武瑠のサポート・メンバーの子にアレンジしてもらったんですが、彼は学生時代にAlice Nine.のスコアを買って弾いてくれていたみたいで。彼のアイディアでブレイクビーツとかも入っているんですけど、彼なりの思い出というか、昔のAlice Nine.っぽいギター・アレンジをしてくれたのかなって。最初はCVLTEみたいにしたいなと思って、シャウトしないBRING ME THE HORIZONみたいな感じのトラックだったんですけど。
-音はエグいけど、メロディはきれいで、みたいな。
そうですね。ああいったポップさが今っぽくていいなと思ったけど、周りのピュアな子の力で結構素直な曲になりました(笑)。
-「Monochrome/」はシンセがきらびやかで、スケール感があって気持ち良かったです。
昔からTHIRTY SECONDS TO MARSがすごく好きで、オルタナティヴ・ロックなんだけどスタジアム・ロックっていう、あのバランスをずっと追い求めていて。ただ、バラードを1stアルバムで2曲作ってしまったので、そういう感じではなく、クールなバンド・サウンドの歌モノにしたいなと思って作りました。この曲はLASTorder君がメインでアレンジしてくれているんですけど、シンセのレイヤー感が本当にものすごく卓越していて。そういったきらびやかさとか広がりみたいなものは彼の力が大きいです。イヤホンで聴いても聴こえないような音がいっぱい入ってるので。職人の技ですね。
-キーワードとしてあったオルタナティヴ・ロックだけどスタジアム・ロックであるって、たしかにずっと追い求めているような感じがありますね。
Alice Nine.にも2名ぐらいU2好きなメンバーがいて、ロックだけど広い空間で鳴らす音楽をやってきた経緯があるので、僕もそういったものが好きな部分は多分にあると思います。
-あと、Shouさんってそういう曲がシンプルに似合いますよね。
広い会場のほうが好きですからね、普通に(笑)。
-歌っていて気持ちいいですか?
気持ちいいというよりはしっくりくる感じですかね。昔から広い会場のほうがライヴしやすいんです。ライヴハウスよりも、(日本)武道館とか幕張メッセとかでライヴしているときのほうがしっくりきました。
-そこは特性なんでしょうね。EPには「OBSIDIAN/」というSEも収録されています。『V/』に収録されていたSE「Overture/」はShouさんが制作されていましたが、今作も?
はい。
-ダークなハイパーポップですけれども、それこそ"OBSIDIAN"というワードをもとに構築していく作業だったんでしょうか。
そうですね。あとは、今日お話したリファレンスというか、僕がいいなと思って参考にしていた人たちの名前を集めていくと、こういうSEで始まるよねって感じしません(笑)?
-します(笑)。お話を聞いてるなかで合点がいくところがありました。
分かりやすい感じというか、そういう音楽が好きなんだねっていう。コンセプトを結構強くまとめていかないと、情報化社会なので何がしたいのかよく分からない感じになってしまうから、そこはもう奇をてらわずに分かりやすく、サンプリング素材の切り張りをして作っていきました。
-以前からDTMは触られていたと思うんですが、本格的に始められたのはいつ頃からだったんです?
バンドのときからやってましたけど、もともと専門学校でレコーディング・エンジニア科だったんです。だからDTMの仕組みや構造は理解していたけど、バンドのときは僕は全曲歌詞を書いていたこととか、他の役割もたくさんあったので、それ以外の部分は極力メンバーに任せようとしていて、そんなにやってなかったっていうぐらいですかね。
-もともとそれぐらいの作業は全然できていたというか。
まあ、センスいいんで、僕(笑)。
-うん、そう思いますよ。
なんかね、やればできちゃいます(笑)。
-サポート・メンバーの皆さんに渡すデモも、結構構築した状態だったりするんですか?
ある程度はしてますね。1stアルバムに収録している「Hope/」は、おもちゃみたいな状態で渡したら、"好き勝手にできて良かった"とは言われたんですけど、"デモすぎた"みたいな感想も貰ったので(笑)、じゃあもうちょっと作り込もうかと。優介にアレンジしてもらう前に、ギターを弾ける知り合いの方と一緒にデモ制作みたいな作業もしているんですけど、先程お話したように、テーマ・リフやメロディは基本的には変わっていなくて、そのままなところも多いですね。
-Shouさんは昔から耳に残るメロディを書くセンスがずば抜けていると思うんですけど、その感覚ってどう培われていったんですか?
単純にもともとポップスが好きだったんです。両親が松任谷由実さんとBOØWYが好きで、小さい頃にめちゃくちゃ聴かされて。小学校のときにWANDSとミスチル(Mr.Children)が好きになって、中学校でLUNA SEAを知ってようやくちょっとロックっぽくなって。そこからはパンクとかハードコアだけどポップなものばかり聴いていたので、自然とそうなりましたね。
-もうそういう気質というか。
そうですね。ライヴではAlice Nine.の曲をセルフカバーしているんですけど、人気の曲に僕がメロディを付けたものが多いので、自信が付く機会も多いです。
-メロディ・ラインの研究とかもいろいろとされます? ご自身の傾向を自己分析されたりとか。
僕、5度跳躍が異様に多いです。あと無理やり9thの音を使ったりとかするんですけど、理論が分かっていないから、"使ってるね"と先輩とかに言われて知る感じですかね。
-たしかに5度跳躍の印象ってすごくあるかも。
曲を作り出してみて、やっぱりもっとペンタトニックで階段を登っていくほうが人間の本能的には合致してるなと思うんですけど、なんか異様に多いですね(笑)。オクターブ跳躍も多いです。
-そして、本作を掲げたワンマン・ツアー[Verde/ ONEMAN LIVE TOUR 2025〝Echoes of Obsidian/〟]も決定しています。今回の楽曲がセットリストに加わることで、さらに力強さが増しそうですね。
『OBSIDIAN/』の楽曲が入ってくることで、ようやくVerde/の全容が見え始めてくるツアーになると思います。まだまだ予習が簡単で(笑)、全然今からでも乗り遅れずにご参加いただけるので、今まで興味なかった方も覗いてもらえたらなと思ってます。
-ツアー・メンバーは、先程お話にもあがった優介さん、燿さん、KEN'ICHIさんといった布陣で、12月6日に池袋 harevutaiで開催されるツアー・ファイナルには、KAZAMI(Key/DaizyStripper)さんと後藤泰観(Vn)さんも参加されると。
その形で7月に恵比寿 LIQUIDROOMでワンマン([Verde/ ONEMAN LIVE〝The Eclipse〟])をしたんですけど、すごく良かったので、今回もいいライヴができるだろうなと思ってます。
-特に良かった部分というと?
やっぱり楽器の帯域が、整合性が取れてるというか、ぶつかっていないところですね。もともと自分の憧れていたバンドがツイン・ギターだったのでそうしていたんですが、ツイン・ギターってすごく難しいんですよ。歌の帯域にいろんな楽器が詰まってしまうので。ただ、ヴァイオリンもキーボードもギターもベースもそれぞれ帯域が違うので、単純なきらびやかさと、音楽的な聴き取りやすさや楽しみやすさが全然違うし、僕自身もすごく歌いやすいので、そういったクオリティの高さみたいなものも感じていただけるかなと思ってます。
-年明け早々にツーマン・ライヴ("Verde/ 2MAN LIVE「TWIN RESONANCE II」")も決定していますし、2026年も慌ただしくなりそうですね。
そうですね。異世界転生モノのラノベってずっとありますけど、転生した気分で新しい世界を楽しく過ごさせていただいているので、その楽しさをみんなで分かち合えたらいいなと思っています。
-転生して持っているチート能力はなんでしょうね。
なんだろう(笑)。人の良さを引き出すところですかね。その辺も結構異世界転生モノっぽいというか。だいたいが超強い主人公ではなくて、お役立ちスキルというか、別に大したことないって切り捨てられていたけど、実は必要な人だったみたいな感じの流れが多いじゃないですか。僕、結構そのタイプかなと思ってますね。最近も、サポートしてくれているメンバーのスタイリングとかメイクを考えたりしてるんですけど、"こういうメンバーを見せてくださってありがとうございます!"って、その人のファンに感謝していただくことが多いので。そういったチート能力を僕は持っているみたいです(笑)。
RELEASE INFORMATION
Verde/
NEW EP
『OBSIDIAN/』
通販/会場:NOW ON SALE!!
配信:2025.11.12 ON SALE!!
【豪華盤】CD+BOOKLET

REG-0003/¥6,600(税込)
※CD+豪華ブックレット16P+トールデジパック仕様
※封入特典:TRADING CARD 2枚(全5種よりランダム)+アクリルキーホルダー1種(全3種よりランダム)+PREMIUM 1on1 TALK EVENT応募券
【通常盤】CD

REG-0004/¥2,750(税込)
TOUR INFORMATION
[Verde/ ONEMAN LIVE TOUR 2025〝Echoes of Obsidian/〟]

11月15日(土)宮城 ROCKATERIA
11月16日(日)宮城 ROCKATERIA
11月22日(土)群馬 前橋DYVER
11月23日(日)埼玉 西川口Hearts
11月29日(土)梅田 BANGBOO
11月30日(日)名古屋ell.FITS ALL
12月6日(土)池袋 harevutai
OPEN 17:00 / START 17:30
[チケット]
¥5,800(D代別)
■一般発売中
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