INTERVIEW
ヤミテラ
2025.06.09UPDATE
2025年06月号掲載
Member:RiNa(Vo) ShuKa(Gt) J 'ω'2(Dr)
Interviewer:杉江 由紀
過去を超えて、ヤミテラは常に今が最強だっていうのを証明する一日にします!
-ShuKaさんご自身は、今作の中でどの曲を推し曲に選ばれますか。
J ShuKa:「害悪Stupid」です。わりとテンポとしては変わったタイプの曲で、展開も多いので、楽しくていいかなっていう(笑)。
-イントロのギター・リフも非常にトリッキーで面白いです。
J ShuKa:あれはまずアドリブで弾いて、それをブラッシュアップしていって完成形に至った感じですね。ライヴでやっててもこの曲は楽しいです。
-面白いと言えば、今作の中だと「#V系カレシ」も異彩を放っていませんか。
J RiNa:面白さの部分はだいぶ意識しましたね。まさにヴィジュアル系が好きな人には楽しんでもらえる曲になってると思いますよ。まぁ、一口にバンドマンと言ってもカッコいいバンドマンもいれば、ダサいバンドマンもいっぱいいるんで(笑)、歌詞には"こういうやつにはなるなよ!"っていう皮肉も入ってたりします。
-曲の最初に、バンギャルちゃんたちが、ヴォイス・チェンジャー加工された声で会話するシーンが挿入されていますけれど、もしやあの場面で演技されているのはメンバーですか?
RiNa:あれは僕が一人二役でやってます。スタジオであれをレコーディングするのはこっぱずかしったですけど、入れたほうが面白くなると思ったんで頑張りました(笑)。
-今作にはベーシスト、湊叶さんが作曲されている「O.D」も収録されておりますけれど、この曲はいい意味でのドロッとした気持ち悪さと、サビのキャッチーさが不思議な均衡感を生み出している曲ですね。
ShuKa:これはもともと湊叶がラウドロックっぽい曲として作ってきたもので、Aメロがちょっとラップぽい感じになってたり、Bメロにシャウトとの掛け合いが入ってたりするのは、その名残りみたいな感じなんですよ。でも、最初に言ったように今回のアルバムは原点回帰をすると同時に、ヴィジュアル系に改めて特化した作品にしたいというテーマがあったんで、途中でラウドロックからヴィジュアル系の方向に音をシフト・チェンジしました。
-かと思うと、ドラマチックで歌メロの響きが美しい「月灯りサイレンス」からは、どこか90年代の香りを感じることができました。これは私の気のせいでしょうか。
ShuKa:特にそこを意識しては作ってないんですけど、90年代系のメロディってずっと頭に残る感じがありますよね。それだけいいメロディが作れたっていうことなんだとしたら、それはそれで良かったです。
RiNa:90年代っていう意味では、10曲目の「金木犀」は、僕がShuKaに"90年代とか平成時代のV系っぽいストレートな曲を作ってほしい"と頼んでできた曲ですよ。まさに思ってた通りのバチッとしたいい曲になりました。
-9 曲目の「月灯りサイレンス」と次の「金木犀」で歌メロの良さをアピールしつつ、いよいよ佳境に入ったところで、最後にお祭り騒ぎな「わっしょい!!天界道中記」と、ブチアゲ煽りチューン「反逆行進曲」で締めくくる展開になっているところも含めて、この『玉砕メーデー』は実に心憎い構成となっておりますね。
RiNa:「わっしょい!!天界道中記」はアルバムのために作った曲というよりはライヴ曲ですね。いろんなことを自由にできるのがV系の良さでもあるんで、これはもう何も考えずにみんなでワイワイできる曲として、楽しんでもらえたらいいなと思って作りました。ただ、ライヴで先行披露した段階だとファンの中には"ちょっとポップすぎてどうなん?"みたいに言う人もいたっぽいんですよ。だけど、こっちとしては"音源ができるまでちょっと黙ってろや。ぜってーカッケーから!"っていう気持ちでいたんですね。で、実際にリリースしたら"カッコいいです"っていう声ばっかで(笑)。結構激しいところもある曲だし、今のうちらにとってのキラーチューンにもなってます。この間出た"MASKED"っていうイベントでも、めちゃくちゃ盛り上がりました!
-ラストを飾る「反逆行進曲」は、作詞作曲のクレジットが"外道反逆者のみなさん"となっております。ヤミテラにとってこの曲は特別なものだと言えそうですね。
RiNa:僕等は昔、"外道反逆者ヤミテラ"という名前で活動をしていたんですよ。その後"YAMITERA"になって、今は"ヤミテラ"になってるんですけど、その外道反逆者ヤミテラ時代によくライヴでやってたループ煽り曲が「反逆行進曲」だったんです。スタジオで全員で作った曲で、当時は歌詞もなくとにかくお客さんを煽るという頭の悪い曲だったし(笑)、自分たちとしては音源として聴くもんじゃねーだろって思いもあったんですけどね。でも、ずっとお客さんたちからは音源化してほしいという声があったので、前に自分のXアカウントでこの曲の一部だけを上げたら、すごい反響があったから、"一定数のリポストがあったら音源化を考えるわ"って冗談半分で言ってたら、ほんとにその数まで行っちゃったんですよ。それで今回アルバムに入れることになりました。
-では、「反逆行進曲」はボーナス・トラックにあたるということでしょうか。
RiNa:その通りです。もともとアルバムとしては11曲のつもりだったのですが、ノリで無理くりこれも入れることにしました(笑)。
-ライヴに向けた予習盤としても、今作『玉砕メーデー』は最適ですね。6月からは、"ヤミテラ1stフルアルバム【玉砕メーデー】発売記念ワンマンツアー―外道反逆的列島爆烈行脚2025―"が始まる上、来たる8月6日にはそのツアー・ファイナルと結成8周年記念を兼ねた、恵比寿LIQUIDROOMでの"結成8周年記念単独公演JUDGMENT -SECOND-"が行われることになっております。ヤミテラとしては、いかなるパフォーマンスを提示していきたいとお考えですか。
J 'ω'2:ヤミテラにとってのこの8年は、途中にはコロナもあっていろいろ活動が制限された時期もあったし、音源に関しても、時代の流れに合わせてデジタル・リリースに変えたっていうこともあったんですよ。でも、今回は改めて原点回帰っていうところを意識しながらアルバムを作って、それを引っ提げてツアーを回って、各地でインストア・イベントもやってというスケジュールを組んだら、トータルでバンド史上初めての規模になったんですね。しかも、ツアー・ファイナルも恵比寿LIQUIDROOMっていう、自分たちにとっては1つのチャレンジとなる大きい会場でやれることになったので、いろんな地方に行くからには、東京以外の方にもヤミテラのことを知ってもらえるようにしたいですし、ヤミテラの音楽をもっと広く届けたいです。
ShuKa:『玉砕メーデー』の曲たちは演奏面でどれも前より難しくなっているので、プレイヤーとしてはみんなにライヴで聴かせたときに、ちゃんとプレイアビリティを高めた状態を楽しんでもらえるようにしたいです。音源を聴いた人ががっかりしないように、しっかりとバンド全体として音を作り込みながら、"ライヴで観るとなおいい"っていう形にしたいですし、その上でファイナルを盛大に迎えられたらなと思います。
RiNa:ファイナルはもちろん、ツアー全体を通して熱量を高く持った状態でのライヴをやっていきたいですね。そして、ヴォーカリストとしては、バラードでCDを超える歌を伝えていきたいという気持ちも持ってます。難しいことだというのは分かってますけど、聴いてくれた人に"生のほうがもっと感動するわ"って感じてもらいたいんですよ。そのためには練習が必要なんですが、だからといってヴォーカリストあるあるじゃないですけど、上手くなるにつれて昔の棘がなくなるみたいなことは避けたくて。技術だけが上がっていくようにして、ヤミテラはファンのみんなが"胸張って推せる"バンドになりたいです。
-頼もしいですね。今回のツアー・ファイナルのタイトルに冠されている、"JUDGMENT -SECOND-"の言葉にも、ある意味で玉砕の覚悟を感じます。
RiNa:実は、3年前の8月6日にも僕等は恵比寿LIQUIDROOMで"JUDGMENT(ヤミテラ5th anniversary フリーONEMAN LIVE「JUDGEMENT DAY」夢を叶えるためのBA.KU.TI ~300人集まらなかったらその場で解散!!~)"と題したライヴをやったんですよ。当然コロナ禍のことだったし、スケジュールも全部飛んだなか、一時は"このままバンドを続けられるのかどうか"みたいなところまで追い込まれましたからね。解散したいっていう気持ちは全くなかったけど、あの状況から先に進むために、"300人集められなかったら解散します"って宣言した上でやったんです。そうしたら、ちゃんと成功して450人が集まったんですよ。
-当時は厳しいキャパ制限があった上、何しろ来場者側でもライヴに行くことを自粛する動きがありましたので、それはもう大成功以外の何物でもないですね。
RiNa:だからこその今があるんですけど、今回に関しては達成できなかったら解散みたいな条件とかは付けず、前回の恵比寿LIQUIDROOMを超えるライヴをやることで、そこからもっと先に進んでいこうという意味の"JUDGMENT -SECOND-"ってタイトルを付けました。過去を超えて、ヤミテラは常に今が最強だっていうのを証明する一日にします!
LIVE INFORMATION
結成8周年記念単独公演JUDGMENT -SECOND-"

8月6日(水)恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 17:45 / START 18:30
Bチケット ¥5,000 / Cチケット ¥500 / Dチケット/当日券 ¥0
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