INTERVIEW
BANYAROZ
2021.07.26UPDATE
2021年08月号掲載
Member:BENE(Vo/Ba) POIPOI(MPC) DOCTOR-HASEGAWA(Tp/Sax) KenKen(Dr)
Interviewer:荒金 良介
-YouTubeでライヴ映像も配信されてますが、この4人のバンド・グルーヴはすでにできあがっている印象を受けました。
KenKen:POIPOIちゃんのトラックがいいんですよ。このバンドはドラムがふたりいるような感じだから。
-上モノで華を添えるDOCTORさんの存在も大きいですよね。
KenKen:ソロを吹いてくれる人がいるのは大きいですね。
DOCTOR:ルックス的にも彼の加入は大きいんじゃないですかねぇ。
BENE:おもんないボケしてるなぁ。
POIPOI:ははははは。
DOCTOR:自由にやってますね。一番やりたかったスタイルです。レゲエというより、クラブに行くのが好きやし、ダンス・ミュージックが大好きなんでね。
-DOCTORがいると、ジャズやフュージョンのエッセンスも入りますよね。
BENE:それはDOCTORが持ってるものやしね。
KenKen:みんな持ってる武器が違うし、遊んでいるんだけど、超真剣にやっているから。今回はベーシストだから叩けるドラムだと思うんですよ。普通ならもっと余計なことをしたくなるけど、このふたり(BENE、POIPOI)の間にいる感じですね。DOCTORは一番レコーディングで頑張ったんじゃないかな。「ロッキンノーチェア」のソロもすごいからね。
DOCTOR:僕もいろいろ重ねているとはいえ、引き算しているんですよ。必要最小限のことを最大限にやろうかなと。
BENE:かっこええやん。
DOCTOR:今の太字で(笑)! トロンボーン、フルートとか、いろいろと楽器を使えたのが楽しくて。「金色のドーナツ」では途中テンポを狂わせたり、ピッチを低く吹いたりしている部分もあるんですよ。普通ならテンポをこちらで合わせておきますと言われて......いや、わざとそうしているんやけどと思うことが多かったけど、平気でそれをOKテイクにしてくれてますからね。
-今作を出そうと思ったのは、この4人になったことも大きいんですか?
BENE:もともとアナログだけ出そうと思ったけど......。
KenKen:そこは説得しました。聴いてもらってナンボですからね。
BENE:KenKenがいなかったら音源も出していないし、YouTubeの配信ライヴもやってなかったですね。
KenKen:かっこいいんだから、見せたほうがいいじゃんって。
-今作の10曲はほぼこれまでのライヴで披露してきた楽曲ですか?
BENE:そうっすね。ライヴでやってきた曲をまとめた感じです。KenKen、DOCTORが入って、編曲を変えた曲もあります。ライヴもこの4人でやると、さらに楽しくなったから。
POIPOI:ずっと笑ってるもんな。
BENE:「チキンルードクラブ」もゴロっと変わったもんね。
KenKen:サンバみたいなドラム・ソロを入れてね。
-今作の中で「ON THE TRAIN」、「マイウェイ」はカバーですよね?
BENE:KEITH & TEXの「Stop That Train」という曲があり、めっちゃカバーされているんですよ。その電車待ってくれ! という歌詞だけど、自分が乗ってる側の視点で書きました。
KenKen:「ロマンスとピストル」もなんの歌詞? と聞いたときにレコードのジャケを歌詞にしたと言われて、へぇー! そうなんだって。縛られてないんだよね、そこはBENEちゃんの自由度が出ているなと。
-「チキンルードクラブ」の中で"何よりも自由な歌を歌う"と歌詞でも言ってますよね。
BENE:あっ、ほんまや!
KenKen:俺が好きな歌詞は"頭が悪そうなフリをしてるのは、なんでもできそう、そんな気がするから。"(「ドクターズブランニューバッグ」)って。超いい歌詞、その通りだよって。
BENE:恥ずかしいな(笑)。
-話を戻すと、「ON THE TRAIN」に関しては?
POIPOI:その曲はジャングルにしようと。
KenKen:今はクリックに合わせて編集しちゃうから、どのバンドを聴いてもノリが同じになるんだよね。POIPOIちゃんのグルーヴに合わせたほうが楽しい。ちょっとでも真面目になると、このバンドはつまらなくなるから(笑)。
-人間らしいズレやヨレがこのバンドの醍醐味だと。
KenKen:ズレこそが音楽だと思ってるし。
BENE:ヘタクソでいたいもんなぁ。
-「マイウェイ」もBANYAROZらしい仕上がりですね。
KenKen:原曲のメロディは素晴らしいし、POIPOIちゃんのワンコードで行く調理の仕方もイカれてるから。
POIPOI:ははははは(笑)。
-あと、BENEさんの歌声はとても個性的で、歌詞の世界観も独特ですよね。童謡や絵本に通じるファンタジックなアプローチだなと。
DOCTOR:BENEは歌声も歌詞もかわいいと思います。
BENE:はははは(笑)。
KenKen:現実的なことも書けば、詩的なところもあるからね。
-音的には"フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)"のFIELD OF HEAVENとか絶対に似合いそうだなと。
KenKen:このバンドならフェスに出たいですね。
BENE:ヘヴン(FIELD OF HEAVEN)に出たいんですよ! それが目標でしたからね。
-曲名や歌詞の中に"夜"というワードが多く出てきますが、これは?
BENE:僕らは"晩の野郎"たちなんでね。だから、BANYAROZなんですよ。
KenKen:夜の人たちって意味だよね。
BENE:昼にライヴをやったことがないし、夜にずっと遊んでいたから、このバンド名にしようと。
-ちなみに"HAJIKORO"というアルバム名は?
BENE:「チキンルードクラブ」に"始まりは殺しのメロディ"という歌詞があるんですけど、それで"ハジコロ"です。お気に入りのフレーズなんです。
KenKen:はははは(笑)、その切り取り方がすごいよね。
-最後にこれからの展望は何か考えてますか?
POIPOI:ヴィジョンはあらへんなぁ。
BENE:自分たちがかっこいいと思うものを、みんなと共有できたらいいなと。あんま考えてないですね、楽しくやれたらいいかな。