INTERVIEW
EREBOS
2017.11.17UPDATE
2017年11月号掲載
Member:RUKI(Vo) JUZA(Gt)
Interviewer:荒金 良介
-メンバー4人の結束力は高まりますよね。ただ、相当大変だったとは思いますが。
JUZA:やっぱりマズいものを録れないですからね。
RUKI:ここでいいアルバムを出して、EREBOSという存在を広めたいという気持ちがあったから。中途半端にはやれないぞって。今回、レコーディング期間はみんな同じ場所に泊まっていたんですけど、ずっと(JUZAは)ギターを弾いてましたからね。
-RUKIさんは以前にヴォーカル経験はあるんですか?
RUKI:実はあるんですよ、ライヴはやったことがないんですけど。G∀LMETの前にAldiousのサポート・ギターを初期からやっていたんですけど、それと同じ時期にヴィジュアル系のガールズ・バンドをやってて。そこで一瞬ヴォーカルをやったんですけど、自分の歌のヘタさに絶望しちゃって(笑)。ちゃんとヴォーカルとしてやりたいと思って動いたのはこのバンドが初めてです。G∀LMETでコーラスはやってたけど、その前からマキシマム ザ ホルモンも好きだったので、デス・ヴォイスに関してはカラオケでそれっぽく叫んでました。
-あぁ、ダイスケはんのパートを?
RUKI:そうです(笑)。だから、ラウド系は好きなんですよ。
-ただ、コーラスとメイン・ヴォーカルではまた違いますよね?
RUKI:はい。ギター弾きながらコーラスするのは、心の中にどこか逃げ道があるので......最初はマイクだけ持って歌うことに慣れなかったです。目の前にお客さんがいて、当たり前だけど、みんな見てるわけじゃないですか。恥ずかしがり屋なので、思うようにできない時期もあったけど、今は純粋にライヴを楽しめるようになりました。
-RUKIさんのルーツというと?
RUKI:本当に最初に音楽を好きになったきっかけはJ-POPで、ポルノグラフィティ、浜崎あゆみ、宇多田ヒカル、ドリカム(DREAMS COME TRUE)とか歌モノが好きで。あるとき、スペシャ(SPACE SHOWER TV)の番組か何かでマキシマム ザ ホルモン、DIR EN GREYを聴いて、こういう歌い方があるんだ! って、衝撃を受けました。それからヘヴィ系を聴き始めて、女性でもすごい声を出す人がいるって知って、それでARCH ENEMYを好きになりました。
-JUZAさんはRUKIさんのヴォーカルに関してはどのように思っているのですか?
JUZA:普段の彼女からあの声を想像できないくらい、凶悪ですからね。単純にステージを観ても、かっこいいと思います。メンバーみんなそう言ってますよ。
-では、今作はどこから着手したんですか?
JUZA:戦争を題材にしたアルバムにしようと。前作もそうなんですけど、引き続き、そういう曲にしたくて。あと、もっとテクニカルにして......。
RUKI:だいぶテクニカルになったよね。曲の構成、技術的にもね。
JUZA:前作はストレートだったけど、今回は構成を凝ったり、遊びも入れたりして。音楽の専門学校に行って、いろんな音楽に触れたんですよ。この曲をコピーしなさいと言われて、そのときは嫌だったけど、掘り下げたら面白いなと。ジャズ、ポップス、ビッグ・バンドとか、メタルとはまったく違うジャンルをやって。縁がないと思っていたけど、自分の幅を広げてくれたので、今は活きてます。古いアメリカのポップスもやったけど、いざギターでやると、ものすごく複雑なんですよね。
RUKI:EREBOSのライヴでは必ずメタルのカバーをやるんですよ。それも活きてると思います。JUDAS PRIESTの「Painkiller」をデス・ヴォイスでやったり。MOTLEY CRUE、METALLICAもやりました。あと、KREATORの「Phantom Antichrist」もやる予定です。
-KREATORも難しいんじゃないですか?
RUKI:私はそんなにKREATORは聴かないけど、TAKESHI、JUZAが好きで、やってみると、めっちゃ楽しくて。歌い方もデス・ヴォイスとはまた違うから、挑戦してみたいなって。あと、NAPALM DEATHの「You Suffer」はライヴで2回やりました。
-1秒しかないですからね(笑)。
RUKI:みんな"えっ!"て反応でした(笑)。あと、ARCH ENEMY、TESTAMENT、AS I LAY DYING、IN FLAMESとか。
JUZA:最初の方はMETALLICAの「Battery」、SLAYERの「Raining Blood」もやってました。
RUKI:「Battery」はこういう作り方だから、お客さんは盛り上がるんだなって。歌のつけ方は勉強になりますね。
-海外バンドはわりと多いですが、EREBOSが自分たちのライヴでカバーを披露する理由は?
JUZA:毎回ライヴに来る人にも新鮮に感じてもらえるかなと。単純に楽しいのもあるし、やりたいという気持ちの方が強いですね。自分がライヴに行って、好きなバンドのカバーをやってくれたら、アガりますからね。
RUKI:基本は全部デス・ヴォイスでカバーしてます。
-音源の話に戻りますが、戦争の惨状、悲惨さをテーマにした歌詞が多いのもEREBOSの特徴ですよね?
RUKI:創設者のDeviLがそういうテーマが好きなんですよ。作曲者にどういうテーマなの? と聞くと、戦争モノという指定が多くて。だから、戦争の悲しい部分を切り取った歌詞が多いですね。私も最初は歌詞のつけ方もわからなかったし、今回はTAKESHIが3曲歌詞をつけてくれました。
JUZA:ギターで悲しいフレーズを出したり、銃撃戦みたいなパートだと、ソロでダダダダッと弾いてみたりして。
RUKI:「THE TANK」はズシンズシンみたいなリフをつけたりしてね。そういうドラマ性は考えます。曲ありきで歌詞もつけてますからね。