INTERVIEW
NO WARNING
2017.10.12UPDATE
2017年10月号掲載
Member:Ben Cook(Vo)
Interviewer:澤田 修
-NO WARNINGと聞くと、ニューヨーク・ハードコアの要素が強いイメージを持っていましたが、今作『Torture Culture』を聴くとベイエリア・スラッシュ・メタルやオーセンティックなメタルからの影響も幅広く感じました。
今作は、俺たちが影響を受けたヘヴィ・ミュージックをすべて取り込もうと思った。バンドの基盤であるニューヨーク・ハードコアはもちろんだけど、70年代、80年代のハード・ロック、ヘヴィ・メタル、例えばJUDAS PRIEST、Ozzy Osbourne、SCORPIONS、ZZ TOP、BAD BRAINS、VENOM、SLAYERに至るまで、最高のクロスオーバー作品を目指したんだ。
-アルバム1曲目の「Headless」は、SLAYERやTESTAMENTからの影響がプンプンしていますね!
レコーディング・スタジオに向かう道中、まさにTESTAMENTを聴いていたんだ。「Headless」は、ヴォーカルの部分に関しては間違いなくスラッシュ・メタルの影響を受けているといえるよ。ちなみに、今作はいつもメンバーで集まっていた場所でレコーディングをしたんだけどさ、そこが映画"ソウ"の撮影で使われた食肉工場だったんだ。誰もいない独特な雰囲気のある工場でアルバム制作に打ち込めるのは面白い経験だったよ。
-9曲目「Sanctuary」は異色のバラード曲ですね。80年代のハード・ロックをNO WARNINGがやるとは正直、驚きました。
アルバムの中で一番カラーの違う曲だよね。これを聴いたファンは"What the FxxK?"って驚くだろうな(笑)。そこが狙いでもある。NO WARNINGがハード・ロック・バラードみたいな曲をやる必要なんてないってファンは思うんだろうけど、俺はこの曲が好きなのさ。曲のハーモニーも俺が大好きなALICE IN CHAINSやSTONE TEMPLE PILOTSを感じさせてくれるしね。
-今作はいつごろから制作に取り掛かったんですか?
はっきりとは覚えていないんだけど、2015年~16年あたりからレコーディングを始めたと思う。俺たちは常にデモを録っているから、いつからという明確な時期はないんだ。2年間くらいの期間で、JordanがTERRORのツアーでいないとき以外はレコーディングを続けていたと思うな。
-歌詞はあなたが書いているんですよね?
ああ、そうだ。今作は詩人のMarge Piercyからの影響を多く受けている。作品タイトルを覚えていないし、彼女のことは詳しくはわからないんだけどね。インターネットでたまたま見つけた彼女の言葉が俺の心に響いたんだ。
-前作『Suffer,Survive』のリリース後、様々な経験をしてNO WARNINGは現在に至るわけですが、前作をいま振り返るとどんな作品ですか?
自分がかなり混乱していた時期を思い出すね。そして自分が何をしたいのか見失っていたから、自分に指示してくる人たちの意見を信じて鵜呑みにしていた。あの作品には多くの人が関わっていて、バンド内でも口論が絶えなかった。好き勝手言われたけど、血気盛んな若いハードコア・バンドにあれこれ指図するなんてどうかしているよな。たくさんのミスを犯したけど後悔はない、それが人生であり現実だから。いい経験ができたと思っているよ。俺たちはとてつもなくラッキーだ。今でも作品をリリースできて、ショウに来てくれるファンもいるんだからね。
-先ほど、"NO WARNINGは解散していない"とコメントしていましたが。
そうだ。俺たちは一度たりとも"解散"という言葉を口にしていない。みんなガキのころからの付き合いだから、人間関係が原因というわけでもないんだ。あるショウで"今後しばらくNO WARNINGで活動することはないな"って全員が感じたから活動を停止させた。俺たちは解散したなんて誰にも言っていないんだ。強いて言うならNO WARNINGは"表舞台から消えた"のさ。
-『Suffer,Survive』は、LINKIN PARKのMike Shinoda(Vo)とBrad Delson(Gt)が運営するレーベル"Machine Shop Records"からリリースされています。Chester Bennington(Vo)があのような最期を遂げてしまったことについてどう思いますか?
当時、Chesterは俺たちに本当に良くしてくれたんだ。ツアー中もいつも声を掛けてくれたし、つるんでくれることもあった。彼が亡くなったことは......うーん、なんて言っていいのかわからないよ。今、鬱っていうのは、ドラッグやアルコール依存も含めて深刻な病なんだ。自ら命を絶った人は俺の周りにもいる。今回の悲劇は、本当に心が痛むよ。
-久々に声が聞けて良かったです。ありがとうございました!
こちらこそ、ありがとう。作品をリリースしたら、俺達はツアーに出る。その流れで日本に行けたらって願っているよ!