INTERVIEW
椎名ぴかりん
2017.05.03UPDATE
2017年05月号掲載
Interviewer:荒金 良介
ひかりのことを好きな人は無条件で好きですからね、DDでも、クズでも、カスでも
-ぴかりんさんが普通の人と違うと思い始めたのはいつごろですか?
小学生の......高学年かな。低学年は疑惑でした。
-疑惑ですか(笑)。
いや、中学生もそうかな......疑惑の時間は長かったです。中学のころも疑惑はありながら、人とは関わらなかったですからね。社会に出てからは人と接するので、疑惑が晴れやすくなりますから。
-自分は普通の人とどこがズレていると?
小さいころからいろいろあったけど、う~ん、魔界で人のことを噛んだりしているんですけど。握手は消えちゃうから、消えない愛の証の痕といったら......噛み痕ぐらいなら1週間ぐらいで消えるし。さらにそれを見て、ひかりのことを思い出せるし、学校や仕事でまた頑張ろう! と思ってもらえるかなって。だから、そういう痕をつけるのがいいんじゃないかと。あの、幼稚園のころにわざとじゃないけど、友達の足を踏んじゃって。その代わりに"ひかりの指も挟んでよ"と言ったら、友達はビビッて、どこかに行ってしまったんです。同じ痛みを共感したいだけなのにな、って......そういうことがたくさんありました。怖がられることが多かったですね。
-そうなんですね。
今も魔界でやってることは、人間界の人にはそういうふうに伝わるのかなと。でもひかりはそれが正義だと思ってるし、人間界がおかしいと思ってる。魔界を作るまでは自分がおかしいと思ったけど、魔界ができてからは人間界がおかしいと思うようになりました。
-お客さんはどういう人たちが多いんですか?
いろんな人がいますね。なぜこの人がひかりのことを好きなんだろうという人もいるし。ひかりの見た目が好きと言ってくれる人もいるし。ただ、言ってること、やってることのわりには特典会のときは普通ですからね。ライヴはヤバいし、お話ができない人だと思ったと言われるけど。ひかりのことを好きな人は無条件で好きですからね、DDでも、クズでも、カスでも。
-DDって何ですか?
誰でも大好き(Daredemo Daisuki)なクソオタクのことです。
-はははは。
ありがたいですね。小学生からパパみたいな年齢の人もいるし、女の子もたくさんいるし、かわいいアイドルが好きなオタクもいるし、子供がいるお母さんとかいますからね。でもまぁ変わってる人が多いかもしれない(笑)。リリイベのときは外国人の方もよく来てくれますからね。
-幅広い層に受け入れてもらえると。音源の話に戻したいんですが、今回のレコーディングはどうでした?
楽しかったですね。「下僕 GEBO GEBO !!」のデスボが長いから、息を調整するのが大変でした(笑)。デスボって一気にワーッと出すから、それを長くするために、細く出すことが大変で。
-「バババーババウムクーヘン★」もデスボのパートがありますよね。歌詞の世界観はどうですか? この曲は神話上の動物が出てきますね。
そうですね。非常に魔界なクッキング感はありますよね。"ミノタウロスの牛乳"とか。
-"バジリスクの卵"とか。
魔界に住んでいても、見落としていた魔界の食材をうまく歌詞に入れてもらえているなと。そういや、最近目玉を食べてないなぁ。
-目玉焼きのことですか?
いやいやいや(笑)。魔界で目玉を食べてないな! って。
-あっ、なるほど。失礼しました。歌詞は甘い恋愛ソングですね。
基本的にぴかりんの曲は"あのコ"と言ったり、女の子を連想させる歌詞が多いですね。
-ぴかりんさんは女性ですが、同性に向けて歌ってる?
女の子が女の子と一緒に食べたいって歌ってる感じです。まぁ、そこは自由に想像してもらっていいんですけど。歌ってるときは魔界女子の誰かと食べたいなと。基本的に男は10で、女は90です、ひかりの脳ミソでは(笑)。だから、"オタクにも優しくして"とよく言われます。
-ぴかりんさんは女性と一緒に食べたい?
絶対そうですね。男の人を想像したら、あんな声は出せないですね。
-同性の方が本来の自分を曝け出せる?
そうですね。性的に見てくれる女性も好きです。すごく嬉しいです。「とろあまちゅ」(2013年リリースの2ndシングル表題曲)は女の子と女の子という歌詞だったので、魔界になっても、そこは変わらないですね。「とろあまちゅ」という言葉は女同士のエロゲーから持ってきたんですよ。
-どこまで聞いていいのかわかりませんが、ぴかりんさんはレズビアン?
それはないと思います。でも男がいなくても生きていけますね(笑)。女の子で全部満たせるなと。逆にすごく男を出してくる人は苦手ですね。
-それは自分が男っぽいから?
あぁ、そうかもしれない。ひかりを女として見てくる人は恐縮しちゃいます。