－初めて明確な指針がないまま走り出したと？

SAKI：暗闇の中をひらすら走る、みたいな（笑）。

AYANO：デモは全部で3ケタぐらい作ったし、とにかく前に進まなきゃいけないなと。だから、絶対に"いつか"は訪れるからって、誰も諦めなかったんです。普通だったら、"実家帰るわ"というタイミングだったと思うけど。

SAKI："やめるなら今だよ"って（笑）。

AYANO：だけど、音を届けたいという気持ちが強かったんです。

この4人で演奏すればCYNTIAになるんじゃないかと思えた

－膨大なデモの中から曲を選ぶにあたって、何か基準はありました？

AYANO：歌メロとキャッチーさを意識しておけば大丈夫だろうと。私たちがやればCYNTIAになるという自信もついてきたんです。

－自信が持てるようになったのは、何かきっかけでも？

AYANO：特に前作『WOMAN』は新しいことに挑戦しまくったんですよ。四つ打ちのダンス・ビートを取り入れたから、音源では苦手な方もいたかもしれないけど、ライヴで1st、2nd、3rd（アルバム）の曲と交ぜても、全然違和感がなかったんです。これはどういうことかなと考えたときに――この4人で演奏すればCYNTIAになるんじゃないかって。去年、3ヶ月連続でワンマンをやったんですけど、そこで気づいたことが大きかったですね。

SAKI：これまでハード・ロック畑でやっていたから、新しい挑戦に対して、拒否反応を示す方もいたんですよ。でもみなさん、正直に私たちに伝えてくれるんですね。"苦手な曲があってもライヴだと違和感はないし、楽しいから来なよ！"と伝えると、一番嫌いだった曲がライヴでは一番好きになったとか、涙が出るようなコメントをくれる方もいて。前作は、実はライヴに適していたのかなと。

－今作でAYANOさんが書いた曲はどれですか？

SAKI：「ハピネス」（Track.3）、「不眠症シンデレラ」（Track.7）以外はAYANOちゃんの曲です。

－表題曲の「Urban Night」（Track.2）は特に大人っぽいムードがありますね。

AYANO：私は夜景を見るのが大好きなんですよ。夜景を見ると、東京に来たんだなと改めて思うんですね。地方から出てきて今のメンバーと出会ったし、東京は物事の中心地だと思うから、"実家には帰りたくない"という気持ちになっちゃって。

－なるほど。

AYANO："CYNTIAで東京に居続けてやる！"と思ったときに、チャラッチャという最初のリフが脳裏に浮かんできて。今まではギター・リフをフィーチャーすることが多かったんですけど、今回は4人が競い合って、4人の見せ場もあって、最終的にみんな同時にゴールするみたいな曲を作りたかったんです。