INTERVIEW
Fo'xTails
2016.08.02UPDATE
2016年08月号掲載
Member:takao(Vo) 鳴風(Gt) テラ(Gt/Prog) 坂本 尭之(Ba)
Interviewer:沖 さやこ
-これは永遠の別れが描かれているんですよね。
takao:......4月に熊本で地震があったじゃないですか。それで何かできないかな......と思って。すぐに行けるわけでもないし、何ができるんだろう? と考えて、"地震があったことを忘れないように"と思って歌詞を書き始めたんです。それを書いたときにメンバーから"広く歌いすぎててどこにでもあるような曲になっちゃってるから、(思い浮かべる人を)ひとりに絞って書いてみたらどう?"と言ってもらって"確かにそうだな"と思って書き直して......結構悩んじゃって、この曲は歌詞を書くのに半月くらいかかりました。実はちょうど、この時期に俺のおばあちゃんが寿命で亡くなってしまって。"寿命には逆らえないけれど、おばあちゃんがいたことは忘れたくないな"という想いをこの曲に込めました。だから大好きだったおばあちゃんのこと、熊本のこと――忘れちゃいけないことを歌った曲ですね。切ない曲ではあるんですけど、自分にとっては悲しい歌ではなくて、もっと前に進むための曲。誰かのことを歌いたいと思って書いて。いい歌詞が書けたと思いますし、素直な気持ちで歌えました。
-優しさと強さのあるヴォーカルだと思います。Track.3「EVER」は作詞作曲編曲すべて鳴風さん。ということは、発信したいことが鳴風さんにはっきりあったということですか?
鳴風:そうですね。だからメンバーに"こういうものがあって、これをやりたいんですけど......"とやんわり持っていって。
テラ:すげぇ下から"こんなものが......"って出してきたよね(笑)。
鳴風:いや(笑)、俺はやりたいんだけど、バンドとしてはやってもやらなくてもなぁ、と思って。
takao:控えめだったんですけど、有無を言わさずな感じはあったので"あ、こいつやりたいんだな"と思いました(笑)。でも俺もこの曲は出だしからアルペジオがすごく好きで、"これいいね! 俺もやりたいよ!"と言って。それでカップリングに入れることになりました。
-"描いた未来とは少し違うかもしれない/でもこれで良いんだよ"というラストの詞が確信的だと思いました。
鳴風:(峻洋は)せっかく一緒にいてくれた人だから、感謝を伝えようと......。でも言葉で言うことでもないので、曲にしておきたくて。
takao:俺が思うに、これは(峻洋)ひとりのことを歌ったわけではなく......価値観を歌っているなと思って。それこそ"愛には愛で応えて"とか、鳴風は人のことで熱くなることがあるんですよ。人に対して優しさや厳しさで何かを返してあげたいと思う奴なので、そういう部分が歌詞になっているなって。だから俺はこの歌詞がすごくいいなと思いました。本当に好きな曲なので、自分の言葉のように歌えましたね。......本当は最初、俺が歌詞を書いていたんですよ。
-あぁ、そうだったんですか。
takao:でも鳴風に"ちょっと違うんだよね"と言われて。前の俺だったら歌詞に対する意地もあったから"絶対俺が書く!"と言ってたと思うんですけど、今はそういうものがないから"じゃあちょっと書いてみたら?"と言って。それに対して手を加えたらいいかな......と思ってたんですけど、鳴風から上がってきた歌詞をみたらばっちりだったんです。本当にいいなと思ったし、歌いたかったですね。
テラ:「The LiBERTY」も「EVER」も単純に俺の好みで。でも「The LiBERTY」に比べると「EVER」のデモはもっと柔らかいものだったんですけど、歌詞を合わせて聴いたら"あ、この曲は優しくて柔らかいだけの曲じゃない、むしろ強い意味を持った曲だ"と思ったんですよね。だから深みのある曲だと思います。
-エモーショナルですよね。
鳴風:そうですねぇ......。この曲を作ってるとき、すごくエモかったと思います(笑)。
-もともと鳴風さんは、感情に忠実に楽曲制作をなさる人ですから。
takao:そうですね、そうなると鳴風は強いです。ただ沈んだときは大変だけど(笑)。「The LiBERTY」のときは荒ぶってたもんね?
鳴風:本当にねー......いろんな人に迷惑をかけていた気がする(笑)。
-ははは。いろんな作曲方法ができるようになって、バンドも充実してますね。9月10日には自主企画ライヴ(Fo'xTails Presents "Make One's Day Vol.2")もありますし、いいモードが見せられるのでは。
takao:4人+サポート・メンバーでライヴをやるようになって、また新しい可能性が見えて、より良いものができるようになってきた実感もあって。進化できたFo'xTailsを見てもらえたらいいなと思っています。やっぱり脱退はマイナスなイメージで捉えられがちだけど......。みんなの目で"かっこよくなったな"というのを感じてもらえたらと思っています。