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INTERVIEW

PVRIS

2016.02.10UPDATE

PVRIS

Member:Lyndsey Gunnulfsen(Gt/Vo/Key)

Interviewer:山口 智男

-例えば『White Noise』の楽曲では、どんな事柄が歌詞のテーマになっているんですか?

幽霊や超常現象が多いかな。全然ハッピーじゃないわね(笑)。っていうか、明らかにダークよね。そういう要素に惹かれるところが私には昔からあって、惹かれる気持ちが歌詞にも表れているわ。自分の頭の中を巡っている事柄を歌詞にするんだけど、そのまま人に伝えてもすぐにわかってもらえるものではないから、それを言葉にしようと思うと、超常的なものに頼ってしまうことが多いのかもしれない。

-それはPVRISのホームタウンであるマサチューセッツという土地柄とも関係ありますか?

もしかしたらあるかもしれないわね。マサチューセッツというか、ニュー・イングランドは古い歴史のある場所で、怪談話の類もいっぱいあるから、そういうものに知らず知らずのうちに影響を受けているかもしれないわ。

-『White Noise』を作って以降、歌詞のテーマは変わってきてますか?

変わってきてると思うわ。自分の中にあるものを、視覚的な感覚でとらえて書いていくという歌詞の書き方は変わらないと思うけど、最近は超常現象的なものから解剖学的なもの......身体のパーツや死を扱ったものに変わってきたの。そんなふうに言ったら、"何それ!?"って引かれるかもしれないけど(笑)、次のアルバムが出たら、"なるほど、そういうことか"ってわかってもらえるんじゃないかな。決してグロいわけではないのよ。もっと趣味のいい表現になっていると思うわ(笑)。

-では、次のアルバムがリリースされるときまで楽しみにしています。歌詞は視覚的な感覚で書いているとおっしゃいましたが、好きな映像作家、画家、写真家はいますか?

もちろん。映画はものすごく好きってわけではないんだけど、絵画や写真は大好きで、そういう美意識はバンドの活動に取り入れていきたいと思ってるの。実際、マーチも含め、バンドのヴィジュアル面にはかなり関わってるのよ。好きな画家はCaitlin HackettとAubrey Beardsley。Hackettはフリーキーと言うか、かなりデフォルメした動物を描いているの。Beardsleyはヴィクトリア朝時代の画家で、白黒ペン画の鬼才と言われていて、日本の墨絵の影響を受けているそうよ。写真家ではMan Rayが好き。彼の露出の手法は面白いと思うわ。

-今回の来日をきっかけに『White Noise』も再び注目されると思うのですが、リリース後、アルバムの曲をライヴで演奏することで、作ったときとはアルバムの感じ方も変わってきたんじゃないでしょうか?

ライヴで演奏すればするほど曲は熟成されて、変な話、自分たちが作った曲なのに書いたときとは意味合いがどんどん変わっていくのよね。曲を作ったときは、伝えたいと思うことをメロディに乗せて、ちゃんと言葉にしたつもりだったんだけど、そのときは気づかなかった裏の意味みたいなものが、人前で演奏してみんなの反応を見たり、ファンのみんなから話を聞いたりするうちに見えてくることがあって。それによって、曲に対する私たちの気持ちが変わったり、曲の意味がさらに深まったりすることもあるのよ。

-『White Noise』が評判となり、イギリスとアメリカのプレスで最優秀新人バンドに選ばれましたが、追い風が吹き始めた現在の状況をどんなふうに受け止めていますか?

何かが起こっている実感はあるわ。でも、そういうことを期待していたわけではないの。もちろん、自分たちなりに目指すところはあって、希望は持ってやってきたけど......。嬉しいんだけど、なんか不思議。この先どうなるか自分たちでも楽しみにしているところよ。まだキャリアも浅いから、次のアルバムがどうなるかなんてわからないじゃない? だから今を楽しもうと思ってるわ。

-さっき歌詞の変化について教えてもらいましたが、次のアルバムのサウンドについてのアイディアはもうあたためているんですか?

実際にスタジオに入ったり、レコーディングしたりしているわけではないから、具体的なことはあまり言えないんだけど、『White Noise』で提示した世界がさらに深まるような気はしているの。プログラミングやサウンド・プロデュースについても、アルバムを1枚作りながら学んだことを次のアルバムではもっとアウトプットできると思うし、私たち独自のサウンドを、Blakeから学んだ技術を使って『White Noise』以上に出せるのかなって思うわ。

-いつごろリリースできたらいいと考えていますか?

私たちとしては、すぐにでも取りかかりたいんだけど、まだちょっと先になりそうね。というのは、『White Noise』がどんどん注目を集め始めているから。そうね、しばらくは『White Noise』をさらに多くの人に聴いてもらえるように活動することになるわね。

-2月にFALL OUT BOYとアメリカを回ったあと、4月からイギリスでヘッドライン・ツアーが行いますが、どれぐらいのキャパの会場を回るんですか?

1,200人ぐらいの会場が中心ね。場所によってはそれ以上のところもあるし、それより小さいところもあるし。800~2,000人の間ぐらいかしら。イギリスはアメリカよりも先に私たちに注目して、応援してくれてたから、私たちも楽しみにしているのよ。日本もそうなんだけど、私たちみたいなバンドもそうだし、アート全体を大事にしてくれるところがあるの。ライヴでオーディエンスの反応を見てても、そういうところが嬉しいのよ。