MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

RISE OF THE NORTHSTAR

2015.08.17UPDATE

2015年08月号掲載

RISE OF THE NORTHSTAR

Member:米沢 彰

Interviewer:Vithia (Vo)

-Track.4「Samurai Spirit」、Track.8「Bosozoku」、Track.9「Simon Says」といった目を引くタイトルの曲も多い ですが、まず最初にタイトルやテーマを決めてから楽曲を制作しているのでしょうか?実際の制作のプロセスを教えてください。

よく言うんだけど、トピックの方からやってくるのであって、逆じゃないんだ。通常はうちのギタリストのデモを聴くとアイディアが沸いてくるんだ。それから、制作プロセスの初期段階からやりたいことがとてもはっきりしていることもある。「Dressed All In Black」(Track.5)はそんな感じだったね。歌詞はミュージック・ビデオを念頭において書いたんだ。すぐにでも撮りたいぐらいだよ。

-日本盤ボーナス・トラックとして「Phoenix」が収録されていますね。この曲は2011年の東日本大震災の直後に、ダウンロードによる売り上げを全て日本赤十字社に寄付する"ベネフィット・トラック"としてリリースされた曲ですが、当時そうした行動をしようと考えにいたった経緯を教えていただけますか?

とても自然な流れだったよ。何せこのバンドが存在するのも主に日本のおかげだからね。あの悲劇が起こった当時、俺たちは毎日テレビに釘づけになってニュースを見ていた。日本が、そして俺たちの夢が、死刑宣告を受けたかのような気がした。"俺たちに何ができるんだろう? 俺たちの音楽で日本の人々を助けるにはどうしたらいいんだろう?"と考えていたんだ。それで「Phoenix」という特別な曲を作って、それを売ってお金を集めて、日本赤十字社に送ることにしたんだ。そのあと、このキャンペーンのインパクトをもっと大きくしようと思って、ビデオ・クリップを作ることにした。多くの人がBandcampを通じて曲を買ってくれたおかげで、俺たちは日本赤十字社に寄付をすることができた。みんなに心から感謝しているんだ。

-これまでに2度の来日を果たしているあなた方ですが、これまでの来日の中で1番印象に残った出来事を教えていただけますでしょうか?

初来日のときは何から何までファンタスティックだったね。渋谷での初日、福島でのコンサート、甲子園球場を訪れたこと......。あらゆる意味で印象に残る経験だった。そういうシーンは俺たちの映像ディレクターのBerzerkerが「Demonstrating My Saiya Style」(2nd EP『Demonstrating My Saiya Style』収録)のビデオにとてもうまく取り入れてくれていると思う。日本で撮ったんだ。撮影クルーと一緒に秋葉原の目抜き通りを歩いている最後のショットは、純粋なDIYスタイルで撮ったものなんだ。クレイジーだったよ(笑)。

-来日のたびに日本でMVを撮影し、後日公開していますね。日本での撮影はやはり特別なのでしょうか?

イエス&ノーだね。イエスな理由は、俺の言葉をより高いレベルで結晶化してくれるから。何か"面白い"ものから始まると、俺たちは瞬く間に熱くなって、家から何千マイルも離れたところで歌や演奏を実際にやっている。同時に俺たちはビデオでごまかしをやったことがないんだ。「Protect Ya Chest」(2nd EP『Demonstrating My Saiya Style』収録)から最新ビデオの「Samurai Spirit」まで、俺は何でも深く関わるタイプなんだ。いつも同じ厳格さと信憑性をもって撮影に臨んでいるよ。俺はシノプシス(あらすじ)からA&Rまですべてを監修しているんだ。とても重要な仕事だよ。だから場所が日本であろうとどこであろうと、最高のコンテンツを作ろうとするのは変わらない。

-そのMVでは、甲子園球場、渋谷、秋葉原などなど、日本のマンガやアニメの舞台となっている場所で撮影していましたが、ロケ地は自分たちで決めたのでしょうか?

そうだね。2012年のツアー以前も日本には何度か行っているから、「Demonstrating My Saiya Style」のビデオにフィーチャーしたい場所のアイディアが少しあったんだ。「Welcame [Furyo State Of Mind]」もそうだね。2013年の夏に日本に行ったときはこの曲のためにリサーチをやったんだ。

-撮影場所に甲子園を選ぶのはなかなか面白いと思いました。どういった思い入れが甲子園にはあるのでしょうか?

初めて甲子園の存在を知ったのは、マンガ"ROOKIES"だった。あのシリーズの主人公たちにとって、このスタジアムは究極の目標の象徴なんだ。RISE OF THE NORTHSTARのメンバーの大半は勉強で苦労したし、時にはカオス状態でもあったんだ。俺自身、子供のころにああいうアグレッシヴでエキセントリックなマンガにすんなり親しみを感じることができた。俺は直情的だしいつも戦闘態勢だったからね。俺は歌詞を通じてフィクションと実生活をかけ合わせている。フィクションとリアリティの架け橋を作りたいんだ。バンドが子供の夢であることを象徴するようにね。俺は10代のときにライヴで観たかったようなバンドを作った。それがRISE OF THE NORTHSTARなんだ。

-今作を日本でもリリースし、次は来日も気になるところですが、 現時点ですでに決まっていますか?

うん。全部うまくいけば、もう少しで今年10月の日本ツアーを発表できるよ。

-最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします。

ありのままで、変わらないでいてくれ。自分のルーツやカルチャーに誇りを持つんだ。アイデンティティをたしかにするのにガイジンの集団が必要だったら、俺たちがいるぜ(笑)! 素晴らしいことだ!