－"無謀と書いてチャンスと読め!!"という歌詞の勢いにも驚いて。

takao：それはすごくときめいた言葉で（笑）。この歌詞は他人に対して書いてるようだけど、自分に言い聞かせてるというか。"俺はこうだからみんなこうしよう"ではなく"俺もできてないけど、一緒にやろう"という気持ちなんですよね。だから歌詞も"We Are RUSH!!"という言葉を使っていて。

－曲も詞も深い気持ちが込められているんですね。

鳴風：ははははは（笑）。

takao：そうですね（笑）。だから書いててすごく楽しかったです。デモのアレンジも最初は強いけどサラサラ～っとした感じだったんですけど、みんなで合わせたあとにガシガシいく感じになって（笑）。みんなで合わせてさらにパンチ力が上がりました。

－純ロマから入った人がこれ聴いたら驚くでしょうね（笑）。

坂本：それも狙ってます（笑）。

takao：やっぱり俺らは「Innocent Graffiti」だけじゃない！というのをちゃんと見せたいし。

－うんうん、この3曲を入れたところに、そういうバンドの意志は出てますよね。プログラミングを入れる入れないでメリハリをつけられるところはFo'xTailsの良さでもありますし。

takao：そうですね。それは作曲者の意図でもあったりするんですけど、ギター・ロックも好きだし、ウワモノがいっぱい入ってるものも好きだし。ウワモノが強いテラちゃんに、ギターに強い鳴さんがいて、そういう良さがちゃんと引き出せた1枚じゃないかなと思います。

－それはテラさんがギターとプログラミングをやられる方だというのが大きいですよね。どちらにもなれるから。

takao：そうなんですよね。テラちゃんはギターの気持ちもちゃんとわかるから。

－そしてそのテラさんの良さと鳴風さんの良さがちゃんと混じり合ったのがTrack.3「ALIVE」だなと。繊細でムードのある曲ですね。

鳴風：あ、これは1番繊細な時期に書きました。

全員：ははははは！

takao：繊細な時期があってできたのが「ALIVE」で、それを通り越して怒りに変わってきたのが「RUSH」なんです（笑）。

鳴風：ずっとへこんでて"このままじゃいかん！"と思って打ち壊しにかかったのが「RUSH」です（笑）。

takao：俺も「ALIVE」を聴いてまず雰囲気に持っていかれて。歌詞もそういう話をしているわけじゃないんですけど、自分が1番弱ってたときのことを書きたいなと思って、俺が本当にヤラレてる時期のことを書いたんです。Fo'xをやる前の時期のことだったんですけど。だから鳴さんのそういうところを感じたというか。

－「ALIVE」の歌詞は、これまでのtakaoさんのイメージにはあまりないものでした。

takao：ダークな部分、暗い部分、ネガティヴな部分を全力で出しました（笑）。誰しも二面性はあると思うんです。明るくて幸せなときもあれば、へこむときもあるし。

－タイアップ作品のテーマに寄り添うのと同じように、takaoさんは結構メンバーさんに寄り添って想いを汲むのが上手なのかな。

鳴風：あ～、それはあるかも。曲先行がほとんどなので、そうなっちゃうのかな？

takao：でも歌詞に関しては俺は俺のことしか考えてないんです。だから曲の雰囲気を感じ取ってるのかもしれないですね。それでも書きたいことは書けてるので、気を遣って書いてるわけでもなくて。

－お話をうかがっていて、この3曲はFo'xTails的に挑戦がたくさんある曲たちなんだなと思いました。3曲も全然違うカラーを持っていて、バンドも自分たちのやりたい音楽の幅を広げようとしているなと。

坂本：「RUSH」はライヴで持っているものをより一層増幅させた、スカッとする気持ちいい感じなんですけど、「ALIVE」と「Innocent Graffiti」は表情の違う繊細な部分をとことん追究した曲かなと思って。そこが正反対というか。「ALIVE」はレコーディングでもテンションガン下げで取り組んで（笑）。本テイクは2回しか録ってないんですけど、作曲者の鳴風くんも"いいっしょ！"って感じでサッとできて。幅を広げるところは広げるんですけど、もともと持っているものの引き出しを開けて、そこから見せていくというやり方は以前と変わっていないので。みんなその引き出しも常に広げながら生活しているので、またひとつ開けてみせたよ、という感じですよね。

－もう次の制作には入ってるんですか？

takao：はい、作ってます。それこそもう、俺も歌詞は書きたいことを書けてるし、鳴さんも感情が盛り上がったときにすぐバッと曲を書く、自分が本当に書きたいと思わないと書けないタイプなんですよね。逆にテラちゃんは考えてしっかり構築していくタイプなんで、テーマとかにちゃんと合わせられる。で、坂本君はたまにポン！と投げてくる、イレギュラーなタイプという（笑）。

鳴風：あ、曲作れるんだ～って（笑）。

全員：はははははは！

takao：俺も曲が作りたくて挑戦してるんですけど、全然うまくいかなくて。だからそれもあって、本当に細かいところなんですけど、アイディアをいっぱい出したりしてるんです。何もしないよりはいいかなって。次のステップに進むために、それをどんどんやっていこうかなと思ってます。だからこのレコーディングもそうだし、意識が高まりました。感じることがすごく多くなったんで......きっと変な曲も上がってくると思います（笑）。まだ曲としては見せてない面もあるので、そういうものも今後出せたらいいなと思います。