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INTERVIEW

DISARMONIA MUNDI

2015.06.08UPDATE

2015年06月号掲載

DISARMONIA MUNDI

Member:Ettore Rigotti (Gt/Dr/Ba/Key/Vo)

Interviewer:米沢彰

-ドラム、ベース、ギターをすべてこなすプレイヤーは珍しいので訊いてみたいのですが、今作の制作においては楽曲のどの部分から作曲を進めていくことが多かったですか?

ヴォーカル・ラインと同様に、演奏面での作曲はいつも違う。ヴォーカルのアイディアから始まることもあるけれど、多くの場合は、ギターを演奏してメインのアイディアを得るんだ。ただし、ドラム・グルーヴやキーボードのアイディアからのこともある。決まったルールはないんだよ。

-ギター・ソロやリフにものすごく力の入った曲が多いですが、ギター・パートはどのようにして作っていったのでしょうか?

ギターは別々のセッションで録音した。リズム・ギターから初めて、次にその上にレイヤーやハーモニーを重ねていったんだ。最後にメイン・ソロとメロディを録音した。こういったステップを分けたのは、アンプ、マイク、ギターを変えて、ステップごとに異なったサウンドを得る機会を得るためだ。

-作品全体を俯瞰してみても、やはりギターに1番重きを置いているように感じましたが、ご自身ではいかがでしょうか?

ああ、たぶんギターが主人公なんだろうけど、他の楽器も同じように重視するようにしている。それから、キーボードをあまり押し出しすぎないようにもしている。DISARMONIA MUNDIにおけるキーボードは、曲にディテールや豊かさをもたらすような"追加の色"で、それが曲に対してより具体的なアイデンティティを生み出すうえで役立つんだ。

-IRON MAIDENの「The Loneliness Of The Long Distance Runner」のカバーが収録されていますが、この曲にはどういった思い入れがあるのでしょうか?

俺は12歳のときからIRON MAIDENのファンで、IRON MAIDENを通じてメタルを知った。彼らが"初恋"だったんだ。だから、ずっとお気に入りのバンドなんだよ! いつもIRON MAIDENをDISARMONIA MUNDIのスタイルでカバーしたいと思っていたんだ。

-また、この曲を選んだ理由を教えてください。

いろいろなバンドがカバーしてきたクラシックな曲を選ぶのを避けたかったんだ。1番有名な曲は捨てて、最も気に入っているアルバムのひとつだった『Somewhere In Time』からこの曲を選ぶことにしたんだ。「Deja-vu」か「The Loneliness Of The Long Distance Runner」かで迷ったんだけど、最終的にこっちを選んだ。当時、俺はChristian Älvestam (ex-SCAR SYMMETRY/SOLUTION .45)と『Mind Tricks』の再発盤で、別の曲に取り組んでいたから、このIRON MAIDENの曲を仕上げるためにゲスト参加してくれないかと頼んで、最終的に完成させたんだ。

-あなたの音楽人生の中でDISARMONIA MUNDIというバンドはどういった位置づけなのでしょうか? これだけ待たされたのだから、これぐらい深入りして訊かせてください!

もちろん、俺の音楽生活を通じてDISARMONIA MUNDIが1番だよ。新譜のリリースまで時間がかかったのは、自分のプロデューサー、そしてサウンド・エンジニアとしてのキャリアを確立するために多くの時間を費やさなければならなかったからだ。ここ何年かの間に、ミキシングとマスタリングのためのスタジオ(The Metal House)を建てて、共同所有者として自分のレーベル"Coroner Records"を創設した。今、ようやくこれらの"大仕事"が終わったから、次のDISARMONIA MUNDIのアルバムは今回のようにずっと待たせることはないよ!

-一時期はライヴ活動を行うという噂もまことしやかに囁かれていましたが、今となってはそれももう聞かれません。実際、ライヴをやろう、日本でやろう、という考えは一切ないですか?

その通りだね。数年前にはDISARMONIA MUNDIの音楽をステージに上げるために、セッション・メンバーを探そうとしたんだけど、さっき言ったように"大仕事"の間は、実現するうえで適当な時間とミュージシャンが見つからなかったんだ。それにBjornとのライヴ・ショーを運営することは、とても難しい。BjörnはSOILWORK、それにTHE NIGHT FLIGHT ORCHESTRAで忙しいからね。残念ながら実現する可能性は高くないと思うよ。

-これまでに、BLOOD STAIN CHILD、GYZEといった日本のバンドもプロデュースされていますが、彼らとの制作はいかがでしたか?

彼らとの作業はとても楽しかったし、満足している。特にGYZEはとてもプロフェッショナルなバンドで、非常に才能があるギタリストがいて、曲もすごい。彼らの最新アルバム『Black Bride』の1曲で日本語のクリーン・ヴォーカルのゲストを務めたんだけど、おすすめなのでぜひ聴いてみてくれ!

-その際の出来事で、特に心に残っていることなどありましたら教えてください。

あの時期は一心不乱に仕事をしていたから、どれかを選ぶことはできないよ!

-今作を待ち望んでいたファンは日本にも相当数います。最後に日本のファンへのメッセージをお願いします。

心から日本のすべてのDISARMONIA MUNDIファンにありがとうと言いたい。もしDISARMONIA MUNDIとして演奏に行けないとしても、個人的にお礼を言いたい。DISARMONIA MUNDIが未だに存在しているのは、日本のファンとそのサポートのおかげなんだ。これからもフォローして、俺たちのアルバムを買ってくれ。そうすれば、俺たちは活動を続け、すぐに次のアルバムを作れるようになるだろう! みんな、ありがとう!