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FEATURE

LIMP BIZKIT

2011.06.29UPDATE

2011年07月号掲載

ラップ・ロックのチャンピオン、LIMP BIZKIT堂々復活!!!

Writer MAY-E

あのLIMP BIZKITが、名物ギタリストWes Borlandと共に、遂に、遂にシーンに帰還した! オリジナル・メンバーでの活動再開を宣言した09年から、SUMMER SONIC09への出演を経て、いよいよ届けられた待望の6thアルバム『Gold Cobra』。発売日を迎えているので既にアルバムを聞いている方も多いだろうが、長いこと待った甲斐のある力作だ。

97年のデビュー以来、全世界でトータル3000万枚を売り上げている怪物バンドLIMP BIZKIT。過去の輝かしい栄光は、皆も知る通りだ。ただ、Wesが最初に脱退をした01年以降しばらくは苦節の時期だったと言えるだろう。Wesの穴を埋めるギタリストを迎えてのアルバム『Results May Vary』(03年)も、ヘヴィではあったが世界がLIMP BIZKITに求めるサウンドと間の違和感が拭い去れなかったし、知らぬ間にリリースされていた『The Uuquestionable Truth (Part1)』(05年)はレコード・ショップで我が目を疑ったし、“戦略的ノンプロモーション”だなんて何がしたいのか全く分からなかったし(笑)、ようやくWesが戻ってきたもののJohn Otto(Dr)が参加していないし、で、またWesが抜けちゃうし、…………といった具合に、LIMP BIZKITは気分屋のWesにずいぶん振り回されていたように思う。

そんな風に彼らには随分長いことハラハラとさせられてきたので、09年にオリジナル・メンバーでの活動再開が宣言された時にも、“どーせまたWesが脱退するんじゃねーの?”という疑問符が捨て切れなかった。全盛期の輝きいっぱいのSUMMER SONIC09のステージを見て、痛く感動してもなお、“だからといって次回作が初期のスタイルに戻るとは限らないしぃ~”なんて心の底では疑ってもいた。

だが、今作『Gold Cobra』の全容が明らかになってみると、どうだ。先行配信シングル「Shotgun」をはじめ、とにかくヘヴィでアグレッシヴ。「Bring It Back」や「Gold Cobra」など全盛期を思わせる楽曲が中心で、Fred Durstの強力なラッピング・ヴォーカルがアルバム全編に渡って炸裂しているではないか。正真正銘のニュー・メタル・アルバムだと言える仕上がりだ。
さらに、“今の音楽シーンはつまんねぇ。腐ってる!”とすっぱり切り捨てる大胆さ。自ら“the undisputed rap rock champions=議論の余地のないラップ・ロックのチャンピオン”であると名乗る潔さ。コブラの前で女性が互いの体を触り合い、それを男性が見てマスターベーションしているという下劣なイラスト(※Wesが描いたものだ)をアートワークに起用してしまう過激さ……やることなすこと全てがニュー・メタル全盛期のあのLIMP BIZKITじゃないか。
ようやく言える、王者の完全復活だ!!!

デビュー・アルバム『Three Dollar Bill, Y'All』(99年)を思わせる荒々しいナンバー「Get A Life」や、「Douche Bag」のような彼ららしい挑発的なナンバーに思わず目が行くところだが、『Gold Cobra』の最も評価すべきは、単に“過去の二番煎じ”で終わってはいない点である。
アコギを用いたミディアム・バラード「Walking Away」の感情を曝け出したFredのスクリームや、タイトル通りにオートチューンを使用した遊び心のある「Autotunage」、無機質な打ち込みのイントロから始まる「Killer In You」など、これまでにないテイストも盛り込まれている。壮大な「Back Porch」、メランコリックな「My Own Cobain」、天使をテーマにしたという驚きの「Angels」、黒人ラッパーReakwonがゲスト参加している「Combat Jazz」の4曲が追加収録されている日本盤は、更にバラエティ豊かだ。

今作でも「mother f○cker!」「f○ck you!」とFワードを連呼しているFredは、なんともう40歳(!)。いやぁ、まだまだ現役でいてもらわないとね。ラップ・メタルのチャンピオンはLIMP BIZKIT以外、他に考えられないんだから。


※文中の発言は大野俊也氏によるオフィシャル・インタビューより

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