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INTERVIEW

THE BLACK SWAN

2017.03.07UPDATE

2017年03月号掲載

THE BLACK SWAN

メンバー:儿(Vo) 樹(Gt) 誠(Gt) RENA(Ba) 煉(Dr)

インタビュアー:杉江 由紀

思わず気圧されてしまうような、深くて圧を持ったその熱い音のカタマリたちは、聴き手の心にまでジワジワと侵食してくること請け合いだ。スタイルや方法論などにこだわるのではなく、あくまでも精神性から発する音そのものを重視するという姿勢。本誌初登場のTHE BLACK SWANが生み出す音について語っていくうえでは、どうやらそこが欠かせぬことになるらしい。新たに8弦ドロップEチューニングをツイン・ギター体制で導入したという、大胆不敵且つ鮮烈な5thシングル『RAGE』をこのたび発表した彼らは、4月22日の新宿BLAZE公演まで続くツアー"Rage against...xxx"でも、間違いなくその美しき雄姿を各地にて見せつけていってくれることになるだろう。

-THE BLACK SWANの発する音は、ただ形骸的に激しいものではありませんね。聴く側の精神をも侵食するような"念"がこもっているところに、ある種の脅威を感じます。

誠:すごいな。"念"だなんて、初めて言われましたよ(笑)。

樹:まぁでも、たしかにこのバンドの音は結構ネチネチしてますからねぇ。

-5thシングル『RAGE』についても、THE BLACK SWANならではのディープ且つヘヴィな音が満載になっている印象が強いです。しかも、今回は新機軸を導入されたのだとか。

儿:まず、ギターふたりが今回から8弦ギターになりました。そして、去年出した1stフル・アルバム『OUSIA』や前回の4thシングル『PERSONA』までは、どの曲に関しても表現したい世界観に沿って音を緻密に構築していくやり方に重きを置いていたところがあったんですが、そこについてはほぼ1周した感がバンド内で出てきていたのもあって、今回の『RAGE』からはサウンドメイクをしていくうえで全体的に"引き算"を意識するようになったと思います。人が聴いてどう思うかはさておき(笑)、自分たちとしてはかなりシンプルに作ったつもりです。

-なんとまぁ。正直、"これでシンプル!?"と感じてはしまいますが......たしかに、たくさんの音がぎっしり詰め込まれているというよりも、ひとつずつの音の密度が濃いかたちになっているのかもしれませんね。ゆえに、シンプルだとしても聴き手側には強い圧で"迫りくる"音に仕上がっているのだと思います。

儿:極力、削ぎ落としながら作っていってはいるんですよ。実際、同期音もカップリングの「CALL MY NAME」("TYPE-A"Track.2/"TYPE-B"Track.3)にしか入れていないですし。表題曲「RAGE」("TYPE-A"Track.3/"TYPE-B"Track.1)と「VOMITER」("TYPE-B"Track.2)は、完全に5人の出している音しか入っていません。

RENA:かなり整理された音になったな、と自分たちでは思っていますね。

煉:8弦が導入されたことによって、今回はドラムも音の出し方を変えたところがありました。スネアも今までより低い音域が出るように調整しつつ、バスも圧が欲しかったのでビーターを木製からフェルト製のものに変更したんです。硬度があるぶん、木製の方がアタック感自体は出るんですけど、フェルトの方が上から下までバランス良く厚みのある音が出るので、今回のレコーディングでは全曲それを使ってます。

-そもそも、8弦を導入してのバンド・サウンドを新たに提示していくことにした理由は何だったのですか?

樹:ひと言で言うと、音にパンチが欲しかったというのが一番大きいですね。他のバンドがあまりやっていないような、振り切ったことをしたかったんです。8弦ギター自体は今そこまで珍しい楽器ではなくなってきているとはいえ、それをツインで使うっていうのは国内外を見てもそんなにはいないのかなと。少なくとも、ヴィジュアル系バンドでやっている例となると僕は知らないです。

誠:構想としては、もう1年くらい前からあったんだよね。

樹:うん。あったけど、最初は僕らギター隊も冗談半分というか、"やれたら面白いかもね"程度の感覚だったんです。結局、8弦ギターを使うとなると音の帯域的な部分でベーシストとぶつかり合う可能性が出てきたりするじゃないですか。ところが、実は最初にこのアイディアを提案してきたのはまさかのベーシスト、RENAだったという(笑)。

RENA:結局、ラウドな音楽といってもすでに"出尽くしている"状況というのはかなりあると思うんですよ。そういうなかだからこそ、今ここでツインで8弦ギターを使えば、聴覚の面でも視覚の面でも他との差別化が図れるだろうな、という読みがあったんです。それに、8弦だとベースと音が当たるからどうのという点に関しても、そんなのは正直どうでもいいと思ってました(笑)。結果的に、バンド・サウンドとしてよりヘヴィでカッコいいものが作れるのであれば、そこを恐れる前にまずはやってみようという姿勢でいたんです。そうしてみたことによって、ベースはベースで5弦のファンドフレットを使って自分なりの場所を見つけてプレイをすることができたので良かったと思ってます。それぞれの存在感が増したことにより、全体的なバンド力もここに来てまたぐっと上がった気がします。