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INTERVIEW

DISARMONIA MUNDI

2015.06.08UPDATE

2015年06月号掲載

DISARMONIA MUNDI

Member:Ettore Rigotti (Gt/Dr/Ba/Key/Vo)

Interviewer:米沢彰

-前作『The Isolation Game』が2009年のリリースでしたので、DISARMONIA MUNDIとしては実に6年ぶりのニュー・アルバムとなりましたが、完成した今の率直な気持ちを教えていただけますか?

このアルバムをとても誇りに思っているんだ。『The Isolation Game』直後には、もう何曲か作曲していたんだ。6年ぶりということで、とにかくようやくリリースできてわくわくしているよ!

-バンドとしては6年ぶりのリリースとはいえ、その間にはIMAGINARY FLYING MACHINESというプロジェクトを率いて『Princess Ghibli』、『Princess Ghibli II』を2011年、2012年と連続でリリースし、さらにはTHE STRANDEDとして2012年にアルバムをリリースするなど個人としては活発に活動されていましたが、この2作品のリリースと今回のリリースに対する思いや心境の違いはやはりありますか?

ああ、『The Isolation Game』のあと、新しいプロジェクトをいくつか始めた。IMAGINARY FLYING MACHINESでは、DISARMONIA MUNDIから離れて、何か新しい、実験的なものをやろうとしたんだ。宮崎駿とスタジオ・ジブリの映画が大好きだから、彼らのサウンドトラックを"メタル調"で再解釈したかったんだけど、同時に、オリジナル・バージョンに敬意を払いたかった。『Princess Ghibli』と『Princess Ghibli II』のあとで『Princess Ghibli The Best Selection Revisited』をリリースしたけど、こちらには、最初の2作のベストな曲を、新しいアレンジ、ミックス、マスタリングで入れたんだ。THE STRANDEDについてはまた別だ。クラシックなメロデスに回帰して、DISARMONIA MUNDIでいつもやっているものより少し暗さが控えめで、速いサウンドで、より聴きやすくてシンプルなんだ。スタイルの違いによって、まったく新しいバンドを作ることになったってことだよ。

-自らのリリース以外にも数多くのアーティストや作品のプロデュースをしていましたね。2009年以降、プロデュースした主なアーティスト、作品を教えていただけますか?

実際、DISARMONIA MUNDIの新譜のリリースにはすごく時間がかかったんだが、これはTHE STRANDEDやIMAGINARY FLYING MACHINESに加えて、自分のスタジオ(The Metal House)で、プロデューサーとしてDESTRAGE、I KILLED THE PROM QUEEN、SEASON OF GHOSTS、DYSNOMIAなど他のバンドを数多く手がけていたんだ。それからBLOOD STAIN CHILD、GYZE、それにBABYMETALのような素晴らしい日本のバンドとも仕事をしたよ。

-その中で特に思い入れのある作品や記憶に強く残っているアーティストやプロジェクトなどを教えてください。

DESTRAGEの2ndアルバム(『The King Is Fat'n'Old』)はとても気に入っているよ。このアルバムは俺にとってもとても大切なもので、実現するために本当に一生懸命働いたんだ。それから、BABYMETALのこの間のシングルにも力と情熱を注いだね。「Road of Resistance」のミックスとマスタリングを行ったんだけど、結果にはとても満足している。概して日本のバンドと仕事をするのは好きだし、これからはもっとプロデュースしたいと思ってるよ!

-今作はいつごろからどのようにして制作をスタートしたのでしょうか?

何曲かについては、最初の作曲を始めたのが『The Isolation Game』の直後で、最後の曲を仕上げたのがちょうど1年ほど前だ。それから正式なレコーディングと最終的なプロダクション、ミックス、それにマスタリング・セッションを行った。これに6ヶ月ほどかかったよ。

-"Cold Inferno"(日本語訳:冷たい地獄)というタイトルだけで世界観が目に浮かぶような気がしますが、このタイトルに決めたのはどういった経緯だったのでしょうか?

実際、"Cold Inferno"は強力なタイトルで、とにかく気に入っている。今の社会がどういうものかを表現していて、また歌詞と曲の音楽的な雰囲気を完璧に反映しているんだ。

-今作でもBjörn Strid(SOILWORK)がゲスト参加していますね。Björnを再び正式メンバーに表記しても良いぐらいにも思いますが、ご自身では彼との関係をどのように位置づけていますか?

以前と同じく、Björnを正式メンバーとして表記しても構わなかったんだけど、SOILWORKとDISARMONIA MUNDIは同じスタイルやジャンルだから混乱を避けるようにしたんだ。まずBjörnはSOILWORKのシンガーだから、『The Isolation Game』から、アルバムではゲストとしてクレジットすることにしたんだよ。でも何か変わったわけではなく、彼は昔通りファミリーの一員だよ!

-これまで以上にアグレッションをむき出しにしたパートが増えたように感じましたが、ご自身ではどう思いますか?

その通り。『The Isolation Game』が『Mind Tricks』よりもアグレッシヴだったとすれば、『Cold Inferno』は、『The Isolation Game』よりもアグレッシヴになっている。ただし、同時に『The Isolation Game』よりも、もっとメロディアスでプログレッシヴでもあるんだ。いつものように、これは前の作品とは違ったアルバムとなっている。俺の目標は、それぞれが独自のソウルとムードを持ちながら、"100% DISARMONIA MUNDI"サウンドを保っているような、それぞれがかなり異なったアルバムを作っていくことなんだ。

-その一方で、一聴しただけでDISARMONIA MUNDIとわかる、サビのエモーショナルなクリーン・トーンがはっきりとした存在感を放っているのが印象的です。ヴォーカル・ラインはどういったことを大事にして作曲にあたりましたか?

この質問に答えるのは難しいな。クリーン・ヴォーカルの作曲をするときには、本当に何も気にしないんだ。ときにはギター・リフやピアノのコードから初めて、それに合わせて歌い、気に入ったメロディを見つけるまで続ける。あるいは頭に浮かんだヴォーカルのアイディアから初めて、次にそれに合わせて曲を書いていくんだ。

-今作でも様々な展開が盛り込まれており、作品としての深みが随所で感じられます。作品全体を通してイメージしている情景やテーマがかなりはっきりしているように感じましたが、実際のところはいかがでしょうか?

『Cold Inferno』はとても強力なアルバムだが、その中には数多くのスタイルの違いがある。同時に、ソリッドなアルバムで、どの曲も独自のスタイルと正確な音楽性を持っていて、これまでで最高のDISARMONIA MUNDIのアルバムだと思うよ!