インダストリアル・フリークの神様的存在である旧東ドイツ出身のRAMMSTEINが、初のベスト・アルバムをリリースする。彼らは95年、自国において『Herzeleid』でデビューし、このアルバムが『Twin Peaks』で有名な映画監督David Lynchに気に入られ、NINE INCH NAILSも参加している映画『Lost Highway』のサントラに起用されたことによって全米デビューのきっかけを得た。そして97年に2ndアルバム『Sehnsucht』では日本国内リリースも果たす。そして01年の『Mutter』はインダストリアル・メタルの金字塔と呼ぶべき作品となり、その人気は瞬く間に全世界に広がった。より重苦しい世界観の04年『Reise, Reise』ではシングル「Amerika」がフロア・アンセムとなり、その後すぐに『Reise, Reise』に収録し切れなかったトラックを集めた新作『Rosenrot』を発表し、我々を驚かせた。そして、09年にはRAMMSTEINのオリジナル・アルバムとしては最新作となる『Liebe ist fur alle da』をリリースした。尚、『Herzeleid』以降のアルバムは全てプラチナム、ゴールド・ディスクを獲得し、数回に渡りグラミー賞にノミネートされている。
唯一無比の独自性、世界観を誇り、音楽性のみならず、ライヴの場においても、火炎放射器を使用したり、SM的なパフォーマンスを見せるなど、常に"タブー"とされるものに挑んできたRAMMSTEIN。彼らはロック・シーンがエレクトロ・ミュージックに傾倒し、今ではインダストリアルがメジャーなシーンの中であまり話題にならなくなってきていることなど関係なく、力強く我が道を突き進み、ファンのみならず、誰もが彼らの一挙一動に注目を置いているという、誠に稀有な存在なのだ。
そのRAMMSTEINが、今年12月14日、待望のベストアルバム『Made in Germany 1995-2011』をリリースする!これはファンのみならず、今までRAMMSTEINはどのアルバムから聴けばいいかわからなかったというリスナーに、RAMMSTEINの世界への入り口としてオススメしたい、完璧なベスト・アルバムである。
その『Made in Germany 1995-2011』の内容をご紹介しよう。通常盤は、これまでのRAMMSTEINの軌跡を辿ることが出来る、正にベスト?オブ?ベストな曲が収録されており、ラストには、先行シングルとしてリリースされ、PVが60年代のTHE BEACH BOYSへのオマージュであるビーチパーティーから始まり、終盤はRAMMSTEINらしいホラー・テイストになるというシュールな内容となっている「Mein Land」で締めくくられている。スペシャル・エディションは豪華2枚組仕様。Disc-2は、FAITH NO MORE、CLAWFINGER、MESHUGGAHなどのロック・バンドや、JUNKIE XL、BLACK STROBE、WESTBAMなどのクラブ・ミュージック・アーティストによるリミックスが収録されている。このリミックスのどれもこれもがかっこよく、原曲の持つポテンシャルを最大限に引き出しつつ、それぞれが素晴らしいリミックス・ワークを披露してくれている。
現在、バンドは"Made in Germany Tour"と表したツアーの開催を発表。本国ドイツ各所から始まり、来年にはヨーロッパ、アメリカでの各行程を発表済だが、今度こそ是非ともここ日本にも来てくれることを願うのみだ。(KAORU)