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94年のデビュー以来、ヘヴィ・ロック・シーンの最前線を走り続けている時代の覇者KORN。
SUMMER SONIC 2011のMidnight Sonicへの出演が発表された絶好のタイミングで、彼らのデビュー・アルバム『KORN』(94年)、2ndアルバム『Life Is Peachy』(96年)、3rdアルバム『Follow The Leader』(98年)、4thアルバム『Issues』(99年)と90年代にリリースされた4作品が"対訳付きで"再発される運びとなった。
KORNのアルバムに対訳が付く――これは世界的に見ても異例の事態である。なんたって"目で読まずに耳で聴いて欲しい"いう理由で、US盤の全タイトルに歌詞は掲載されていないのだから。『Issues』以降の日本盤のアルバムにはレーベルが聴き取った歌詞が掲載されるようになったものの、『KORN』『Life Is Peachy』『Follow The Leader』の初期3作品に歌詞が付くのは、もちろんこれが初である。 両親の離婚、大人からの虐待、教師からの蔑視、同級生からのいじめ、そして死体解剖の職と、数奇な人生を歩んできたフロントマンのJonathan Davis。トラウマを抱え、異常な性的嗜好と死体への強い執着を持つという彼自身のバック・グラウンドを鑑みれば、当時の彼がKORNというバンドを通して何を言わんとしていたかは容易に想像も出来そうなものだが、改めてその歌詞にまじまじと目を向けると、やはりショッキングなものである。KORNの歌詞、それはJonathanの生き様そのものだ。痛々しいほどにリアルな歌詞が、これほど多くの共感を呼んだのだ。
数多くのスタジアム・ライヴをこなし、今でこそ開放感のあるライヴを見せるようになったKORNであるが、初期のバンド像は今とは少し違っていた。コマーシャリズムを一切感じさせない音楽性である上、ライヴ中もJonathanは客席なんて一切見ていなかった。それでもこれほどの商業的成功を収め、ニュー・メタル・シーンのリーダーとなったのだ。「ニュー・メタル全盛期のあの雰囲気を取り戻したい」と語っているKORNの盟友LIMP BIZKITのFred Durst(Vo)は、自身の最新アルバム『Gold Cobra』のタイトル曲の一節で"Feelin Korn, goin blind"なんて歌っていたりもするが、KORNが如何なるバンドであるのか、彼らの原点である初期4作品を通じて今一度お浚いしておこうじゃないか。(MAY-E)
Korn Life Is Peachy Follow The Leader Issues
ひどく重く、歪んだサウンド。すすり泣いてみたり、怒り叫ぶほどに感情的なヴォーカル。初めて聴いた時はまったくもって解読不能であったが、ひとつひとつ理解を深める度に心をえぐられた、あまりに衝撃的なデビュー・アルバム。"俺は醜いアヒルの子/どうか見逃しておくれよ"と歌っている「Faget」はいじめられていた学生時代の話で、当時の彼のあだ名"HIV(※エイズ)"をJonathan自身が叫んでいるという、トラウマ全開の曲だ。リリックは過去作中で最も生々しい。性的虐待について生々しく歌われた「Daddy」は過去に一度だけライヴで演奏したそうだが、途中で中断し、以後一度も演奏されていないという。
Jonathanのヴォイス・パーカッションが炸裂する「Twist」で幕を開ける2ndアルバム。最短期間で制作されたという今作は、前作よりさらに荒々しく怒っている。「Twist」の他、今でもライヴで演奏される「Good God」や「A.D.I.D.A.S.」、そして盟友DEFTONESのChino Moreno(Vo)が参加した「Wicked」に人気が集まるところだが、"俺の望みはただひとつ/お前を殺すことだ"と父親の再婚相手に対しての怒りを露にした「Kill You」のリリックがまた強烈だ。プロデューサーは前作同様Ross Robinsonが担当。
"リーダーに続け"、新たなロック・シーンのカリスマとして数多くのフォロワーを産み出していたKORNのストレートなメッセージを冠した3rdアルバム。プログラミングやエフェクターを使用するなどサウンドの幅が広がった上、「All In The Family」にLIMP BIZKITのFred Durstを、「Children Of The Korn」にIce Cubeを、「Cameltosis」にTrevant hardsonを迎えるなどゲスト・ミュージシャンも多彩。内省的な過去2作と比べ、雰囲気は異なっている。全米初登場1位を記録。
変わらず陰性ではあるが、よりラウドに研ぎ澄まされた4thアルバム。腹をえぐられた人形の脇に"ぼくのことを話そう"(※日本盤のキャッチ・コピー)なんて書かれたこのアルバムのジャケットを初めて見た時はゾクっとしたもんだ。「Dead」「Trash」他数曲でJonathanがドラムを叩いている。オルタナティヴ・ロックの手腕Brendan O'Brienをプロデューサー兼ミキサーに迎え(『Follow The Leader』でもミキサーとして参加していた)、前作同様に全米初登場1位を記録。

summer sonic