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FEATURE

CONVERGE

2009.10.09UPDATE

2009年10月号掲載

絶望の先を覗き込む勇気はあるか。8作目にして最高傑作、悪魔が再び地上に舞い降りた。

ライター:KAORU

1990年、マサチューセッツ州ボストンにて結成されたメタル/ ハードコア・バンドCONVERGEの8作目のアルバム『Axe To Fall』が、10月21日にリリースされる。
これがもう、とんでもないアルバムなのだ。
CONVERGEが、これまでどれほど世界中のバンドに影響を与え、シーンを扇動してきたのかということは言うまでもないことではあるが、この『Axe To Fall』を聴いた後、彼らがまたしてもひとつの音楽的到達点に登りつめ、更に美しき孤高の存在となったのだということを、我々はある種の感動と共に知らしめさせられるのだ。

『Axe To Fall』は、間違いなく、CONVERGE至上最もヘヴィで獰猛なアルバムである。
まずは先行ストリート・シングルであるオープニング曲の「Dark Horse」は、高速のリフとドラミングが二匹の大蛇のごとく襲いかかり、続く「Reap What You Sow」で、身体中に毒が注入されていくかのような錯覚に襲われる。そして1stシングルであり、アルバムのタイトルソングでもある「Axe To Fall」で更にカオティックな展開となり、完全に毒が身体中に行き渡る。シングル曲でありながら1分41秒という曲の短さにも驚かされるところだ。CAVE INのSteve Brodsky、Adam McGrath、J.R.Connorsが参加した「Effigy」まで、息を付く余裕がまるでない。この前半4曲で、リスナーは完全にアドレナリンの塊となってしまうだろう。

「Worms Will Feed / Rats Will Feast」では一気にBPMは落ちるが、危機感を帯びた咆哮とドラマティカルなメロディーが緊張感を更に高めてくれる。「Wishing Well」では再びBPMが上がり、印象的なギターソロが響き渡り、「Damages」では和音展開がどんどんと不穏な方向に拡がっていく。ライヴで演奏された時にはオーディエンスの凄まじいWALL OF DEATHが期待出来る「Losing Battle」から、変拍子に次ぐ変拍子の嵐「Dead Beat」へ。 

そしてこのアルバムの中でも1、2を争うほど過激なナンバー「Cutter」から、THE VOWSのJohn Pettibone(ex, HIMSA) がバッキング・ヴォーカルにおいていいアクセントとなっている「Slave Driver」。そして、NEUROSISのSteve Von Tillが参加している、ピアノと、アコースティックギターと、Tom Waitsばりにしゃがれたヴォーカルの絡み合いが妖しくも美しい「Cruel Bloom」。そして、この不幸で、惨めで、不快で、貧弱な世界を嘆く「Wretched World」で、この悪魔のようなアルバムは幕を閉じる。希望も何もあったもんじゃない。
『Axe To Fall』は、残虐なまでに、リスナーを絶望の深淵まで突き落として去っていく。

しかし、ここまで毒々しく残忍な作品であるのに関わらず、全てを聴き終えた後のこの爽快感はなんだろう。そして、この底なし沼のような絶望の、更にその先を覗いてみたくなってしまうのは何故なのだろう。
感情を揺さぶるだけでなく、自ら我が身を危険に晒したくなってくる、あまりにとんでもないアルバム『Axe To Fall』。この悪魔が地上に降り立つまで、あと少しだ。

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