今までに5枚のアルバムをリリースしたTHE BLACK DAHLIA MURDER。メロディック・デス・メタルを語る際に彼らの名前が出ないことはなくなった。最もダイナミックでメロディック、彼らの力を完全に形にした前作、2011年発売の『Ritual』は彼らの根強いファン・ベースからの熱い支持を受け、世界中をヘッドライナーやCANNIBAL CORPSEやAMON AMARTHのサポートとしてツアーして周った。これに続く作品を制作するにあたってTrevor Strnad (Vo)は多少プレッシャーを感じていたことを認めている。“『Everblack』を書いている時、俺たちは『Ritual』という化け物と戦わなければいけなかった。あのアルバムは俺たちが作った中で最大のそして最高に練られた、俺たちのサウンドが進化した作品だった。だけどこれが自作の制作に入った途端、その存在がモンスターと化してしまった。『Everblack』の曲はリフも良いし、今までで1番メロディックだし、分かりやすい。決して曲がメロウという意味ではなく、作曲力が純粋に上がった。俺たちの全てを次のレベルに持って行きたいという強い気持ちが出たんだ。”
これはアルバム10曲を通して明白に表れている。それぞれの曲が強烈な破壊力と同時に魅力的なフックとおどろおどろしい雰囲気を持っており、これは正にバンドが得意とするところだ。そしてこのそれぞれの要素が、どこを取っても全く衰えることも方向転換することもなく、次のステージへと格上げされているのだ。つまり聴けばすぐにTHE BLACK DAHLIA MURDERだと分かるサウンドに仕上がっている。
Everblack
2013.6.12 On Sale!メロディック・デス・メタルの流れを汲む米国メタルコア・バンド THE BLACK DAHLIA MURDER。バンド名の元ネタである“ブラック・ダリア事件”をテーマにしたTrack.1「In Hell Is Where She Waits For Me」を収録していることからもバンドにとっての本気度が解る1枚となっている。絶叫と咆哮を巧みにスイッチさせる表情豊かなヴォーカル・スタイル、クラシカルな速弾きからブルージーなプレイまで幅の広い弦楽器隊、ブラスト・ビートをこなしつつも手数の多いプレイを聴かせるドラマー、収録されている楽曲群からは、練りに練られ高度に構築された印象すら感じる。リズム隊のメンバー・チェンジもバンドに安定感と更なるアグレッションをプラスさせている。国内盤ボートラ「Seppuku」は日本人から見てもクールだ! 藤崎 実