台湾最大の野外フェスに“FORMOZ FESTIVAL(野台開昌)"というものが台北近郊で毎年夏に開かれている(今年は諸事情により、開催を見合わせたが)。日本からも毎年何組かのアーティストが招待され、台湾のフェスとしてはすっかり定着している。この巨大フェスをオーガナイズするのが、このヴォーカリストのFreddyだ。彼は思想的にも若者のオピニオン・リーダーとして、カリスマ的な人気を誇っている。地元のスポーツ新聞に彼の交際がすっぱ抜かれるほどのスターっぷりなのである。そして、ベーシストのDorisもその抜群のスタイルと美貌で、地元台湾はもちろんこの日本でも多くのメタラーたちから圧倒的な支持を得ている。
彼らの活動は以外に古く、1995年にさかのぼる。親日家の彼らは日本にも幾度か訪れプレイしている。かのFUJI ROCK FESTIVAL(2000年)をはじめ、DARK FUNERALとのカップリング・ツアー(2002年)、世界中のインディペンデント・レーベルを集めて行われたIndependence-D(2007年)などにも参加している。驚くことに2003年にはアジアのグラミー賞ともいわれている“Golden Melody Awards”でメタル・バンドとして初めて“Best Band”賞を獲得している。前作『Seediq Bale』(2006年)で日本デビューを果たした彼らだが、今回のアルバムはその領域をはるかに超えた壮大な作品に仕上がっている。二胡の物悲しくも壮大な調べ、大地を揺るがすような圧倒的なスピードで連打されるリズム、怒りをエネルギーに変えたサウンド、そしてすべてを呪うように吐き出される唄声、世界各地で吹き荒れるペイガン・バトル・メタル・シーンのアジアからの回答がまさにこれだ!!
CHTHONIC インタビュー
[2012.03.06 UPDATE]
“神からの許しによって”実現したツアー・ファイナルをDVD化!リリース当日に東京公演、翌日に大阪公演を行ったばかりのFreddy(Vo)に直撃インタビュー!
Bu-Tik/武徳
2013.5.29 On Sale!台湾出身、今やアジアを代表するメタル・バンドとして世界を股にかける活躍を見せているCHTHONIC。アジア圏はもとより、欧米を含めた世界中をツアーし、ここ日本へも10回以上は来ている彼らだが、ツアーを通じて間違いなく成長し続けていることを作品のリリースの度に証明している。本来、二胡や箏などを使った、オリエンタルな妖艶さが彼らのサウンドの特徴であったが、今作ではよりブルータルでアグレッシヴなバンド本来のサウンドが前面に押し出され、グルーヴ感や躍動感が明らかに進化している。もちろん、持ち味のアジアン・サウンドは随所で楽曲の個性的なキャラクターを支えており、CHTHONICらしさは微塵も失われていない。バンド全体のレベル・アップが感じられる、CHTHONICが新たな領域へと挑戦した意欲作。これを聴かずにアジアのメタルは語れない! 米沢 彰