2003年から毎年6月頃(イギリスで夏休みが始まるころ)に開催。 | |
基本的にRockだが、激しいものが中心。全部書くときりがないのでヘッドライナーだけ羅列しますが、読んでらっしゃる皆さんの好きなバンドがいっぱいいるラインナップなのは間違いありません。 | |
ロンドンの北西のキングストンという駅から(東京でいうと上野な感じのロケーション)特急電車で2時間弱の最寄り駅からバスで30分のドニントン・パークで開催。周りにはあるものは牧場、牧場、草、牧場。完全な田舎です。北海道みたいでした。ちなみにF1も開催されてます。 | |
1日券 : 60ポンド(日本円で約9200円) | |
金曜日は13時~23時。土曜日、日曜日は11時~23時 |
近くのダービーという駅からシャトルバスに乗って会場に移動。そのバスはグイグイ牧場に囲まれた道路を進んでいくのですが、そのノドカな雰囲気とは正反対な格好の人達が乗るバスは少しシュールです。
会場に着くと、まずはチケットを取りにいく必要があります。イギリス在住でない人も簡単にチケットを買えるシステムになっていて、クレジットカードで公式サイトから購入。後日送られてくるメールをプリントアウトして持って「BOX OFFICE」というところの係員に渡せばチケットをくれます。
チケットを入手して正面ゲートに行こうとテクテク歩いていると、売り子さんがいっぱいいます。正面ゲートに入るまで「パンフレット10ポンドで~す、タイムテーブル付いてま~す」とバイトさん達がブラブラしながら売っています。日本のフェスだと必ずもらえるタイムテーブルも購入する必要があるとのことで、ちょっとしたカルチャーショック。面白いのはこういう売り子さん(野球場やサッカーの売り子さんみたいなもんです)は会場の外だけじゃなくて、会場内にもいて、水やジュースやアイスを売っています。アリーナの前のほうでもモッシュ・ピットも関係なく声を張り上げる売り子さんもいました。
会場はFUJI ROCKのグリーンステージの2~3倍ぐらいのメインステージ(ゆる~いすり鉢状になっています)と、ちょっと斜面が急な2ndステージ、渋谷のAXぐらいの大きさのテントのステージと、クラブクアトロぐらいの大きさのテントステージの合計4つ。会場全体の見た目はかなり広いです。
今年は1日ごとに約8万人、合計約24万人も来ていたようです。サマソニの1日の動因人数が東京・大阪の2箇所2日間開催で20万人なので、その動員の多さは驚愕のものがありますが、野外なのであまり窮屈せずにとても開放的です。地面もフカフカの芝生なので座ったり寝転がることも可能です。
気候はとても過ごしやすい!日本はちょうど梅雨入りでジメジメだったのですが、イギリスはカラッとしていて、日が陰ると半袖1枚では肌寒いぐらい。夜は絶対にパーカーは必要なんですが、回りのイギリス人達は夜でも平気で半袖のやつもいます。寒さに対する耐性が違いすぎる!
夏フェスといえば、やはり「フェス飯」は気になりますよね!Downloadも日本のフェスと同じく色んな屋台がでていました。イギリスの典型的な料理「フィッシュ&チップス」からタイ・フード、中国料理、トルコ料理などなど、残念ながら日本料理は出ていませんでした。味?イギリス料理の評判をご存知の方は、たぶんその評判はあっていると思いますよ(笑)しかし、なぜ「フェス飯」は色んな国の屋台がいっぱいあるんですかね。
ご飯の屋台は日本と同じようにいっぱいあるんですが、日本にあまりなくて、Downloadで良く見たのがロック洋服屋さん。これでもかというぐらいに、色んなお店が出展していました。洋服屋さん以外にも、旗を売っていたり(会場でやたらあがっています)、竜とかドクロの1メートルぐらいの置物(誰が買うの?)や、「合法ドラックで夏フェスを楽しもう!」という妖しいお店や、ボディ・ペインティングのお店、オリジナルTシャツを作ってくれるお店など、かなりバラエティ豊かな出店がいっぱい出ていました。人気ゲームの「ギター・ヒーロー」の特設ブースはいつもプレイする人でごった返していましたし、ロック好きにはたまらないお祭りですね。もちろんオフィシャルのグッズも色々売っていて、Tシャツからライターからフェスのキャラクターの犬のヌイグルミ、私はなぜか勢い余ってフェスのロゴが入った毛布を買ってしまいました。はい、帰りのスーツケースが悲鳴を上げていました。
その他、結構大雑把な絶叫マシーンもありました。
そうこうしている間にお客さんの数はドンドン増えていきます。激しい音楽のフェスなので男性のお客さんばっかりだと思いきや、かなり女性のお客さんもいて、7:3か6:4ぐらいの割合でした。海外のフェスで音楽性も激しいから危ないかも!と、少し警戒して臨んだんですが、全くそんなことはありません!来ている人は全員仲間という感じというか、一人ひとりがとにかく楽しもうと思っている人が大多数。3日間の中で喧嘩やイザコザは一度も見ませんでした。
恥ずかしながら実はフェスの途中で携帯を落としてしまって探していると、ゴツイ兄ちゃんが「どうした?一緒に探してやるよ」と回りの人に声をかけて一緒に探してくれて無事見つかり、その兄ちゃんは「よかったな!」とだけ残してモッシュ・ピットに向かっていきました。いい人!また車椅子の人も多くいて、ハンディキャップをどーこー言う前にみんなが楽しめる雰囲気と環境は素晴らしく感じました。みんなお酒は飲みまくっているんですが、ヘベレケな酔っ払いはほとんどいなくて、そこも素敵だと感じました。
お客さんの服装は、ほとんどの人がバンドTシャツや動きやすいパンツでしたが、暑くなってくると上半身裸の男子続出!女性も暑くなると、上は下着1枚でフツ~ゥに歩いている人が結構な数いました。男性の私から見ても完全に水着じゃなくて下着でした。音楽フェスの本場恐るべき!ちなみに日本と同じようにメインのステージにはスクリーンがあって、カメラが撮影する映像が流れているのですが、このカメラに向かって女性のお客さんがやたらと胸をポロ-ンと出して、会場(の男)大盛り上がり!という光景がそこかしこで行われていました(笑)文化の違い!
脱いでいる人の他にも、変な格好やコスプレをしている人もよく見ました。スーパーマンやスパイダーマンから警官みたいな人から、ミニスカ・ポリスのおっさん、ワンピースのオッサン、サンタクロースや、なぜかブーメラン・タイプのきわどいブリーフ1枚のおっさんまで。ただ一番謎で面白かったのがこれでした(写真参照)こいつらはいったい何を目的に来ているのかが全くわかりません。
イギリスでフェスを感じて、日本のフェスが素晴らしいと思う点も多く感じました。一番大きいのはゴミの問題。日本ではどこのフェスでも分別してゴミを捨てるのがマナーというか基本中の基本ですが、Downloadではゴミ箱の種類は1つ。ペットボトルもプラスティックも紙も食べ残しも全部1つです。しかもほとんど換えることがないので夕方ごろにはどのゴミ箱は溢れまくっています。そして夕方頃にはそこらへんの地面にもゴミが捨てられまくりです。本当にビックリするぐらいゴミが捨てられていました。なぜがフライドポテトやハンバーガーの食べ残しもそこらかしこにありました。良く海外のアーティストが日本のフェスは綺麗だ!というのがなるほどと理解できるぐらいゴミは凄いです。
DIR EN GREY
日本のバンドがDownloadで演奏するのは、2005年のTHE MAD CAPSULE MARKETS以来。ただ言語を必要としないMADと違い、Dir en greyは歌が中心。ライヴではMCはほとんどなく、京のヴォーカルもほとんどが日本語で通して、言語の理解や認識を通り超えて現地人をねじ伏せていました。
LIMP BIZKIT
ウェスが復帰しての初のイギリスのライヴ。ブーイングの嵐かと思いきや、どこでもコーラスは合唱の嵐。復帰大歓迎のムードに溢れていました。フレッドに対しても「やんちゃでバカだけど憎めない友人」という感じで捉えられていました。セット・リストは完全にベスト・オブ・ベスト。今年夏の日本でのライヴは絶対に見るべき。
KOЯN
2006年以来日本に来ていないKOЯNですが、新加入のドラマーRay Luzierが半端なく良かったです。彼らライヴ感溢れるドラミングがよりKOЯNをライヴ・バンドにしていました。もしこの編成のまま日本に来ることがあれば、是非見てください!はっきり言って度肝を抜かれると思います!
FIVE FINGER DEATH PUNCH
米大手マネージメントTHE FIRMが送り出すSUMMER SONIC09で来日する予定の5人組。PANTERAがメタルコアに出会って歌い上げることを覚えたようなバンド。LAMB OF GODの次の席は確実にこいつらだと思いました。歌い上げるコーラスもあるのでより人気になっていく気が!?
PENDULUM
メインステージのヴィジョンでは彼らのライヴ・アルバムのCMがひっきりなしに流れていたのですが、彼らの演奏が始まるといきなり雰囲気が変わりました。ヴォーカルがある曲ももちろん、ヴォーカルない曲も盛り上がりまくりです(まるでRUSHのライヴだと思いました)
SHINEDOWN
どうせ良くある「アメリカの邦楽」みたいなバンドだろ、と正直全く期待せずになんとなく見たのですが、ライヴ運びやMCなど上手すぎて結局最後まで見てしまいました。
STEEL PANTHER
80’Sメタルの復権の鍵を握るのはこいつらだ!8月4日に来日公演も決まっている(既にSOLDOUT)L.A.の4人組。オールド・スクールのメタルを好きならば絶対に見るべき!イギリス・デビューが1週間前だったんですが、お客さんはパンパンでした。MCと歌詞が最高!
TRIVIUM
日本では大合唱がおこる「きりすてごめん!」は誰も言えてなかった(笑。マットのMCが物凄い早口で文節ごとに「F**K」が入っていました。彼らは2005年にメインステージのトップバッターに選んでくれたDownloadにとても敬意を表しており、ライヴも一言で表すなら「圧巻」でした。
◆飛行機代:約80000円 (格安航空券で空港税やサーチャージ込み)
◆交通費:約35000円 (ロンドン市内や空港まで、フェスへのシャトルバス、会場最寄駅までの特急)
◆宿泊費:約55000円 (会場までシャトルバスで30分の場所。駅から5分。4泊。食事無し。部屋は安いビジネスホテルのような感じ)
◆食費:約20000円 (フェス飯とコンビニで購入のみ。レストランなどは一度もいかず。お酒も飲まず)
◆お土産・グッズ代:約30000円 (オフィシャルのグッズやパンフレット、お土産など)
◆雑費:約10000円 (会場でボディ・ペインティング、雑誌・新聞購入など)
合計:約200000円
(*木曜日のお昼に日本発、翌火曜日の夕方に日本着の4泊6日)
海外のフェスっていうのは、なかなか敷居が高いですし、お金もかかるのでなかなか考えないかもしれませんが、是非ロック好きなら一度は経験されることをお勧めします。日本のフェスも最近はラインナップ的に海外のものと遜色ないものが多いです。とはいえロックの本場で感じる雰囲気は全く違うものがあります。人数と規模感やお客さんの感じは日本とは全く異なりとても面白いものだと思います。バンドも「ホーム」で演奏している姿は来日公演とはまた違った感覚でやっているんだと思うこともあります。特に我慢することもなく、贅沢することもなければ20万円でいくことができる海外フェス。是非皆さんも好きなバンドがいっぱい集まる海外フェスに参加されてみませんか?