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KID GIB

新世代メロディックエモに特化したコンピレーションアルバム発のBEYOND [THE] BLUE JAPAN TOUR 08の東京公演。そのトップバッターを飾るのは、カナダ出身のポップ・パンクバンドのKID GIBである。
普通に登場して普通に定位置につくと、ボーカルのボブが「コンニチハ、トウキョウー、We are KID GIB!!」とご挨拶。彼らの初来日を祝うかのような声援と拍手に包まれながら演奏はスタートしていく。東京公演の口火を切るにふさわしい爽やかポップ・パンクチューン「Sick Of It All」からエンジン全開のパフォーマンス。ただ、彼らの日本デビュー作「Kid Gib」が当日の一週間前に発売されたばかりであるためか、会場にいるキッズのファーストリアクションはあまり芳しいものではなかった。しかし、彼らの生み出すタイトかつアグレッシブな演奏に会場のテンションはじわじわと、そして確実に上昇していった。なるほど、GOLDFINGER、PUNCHLINE、PROTEST THE HEROなどと共演したキャリアを持っているというのも納得である。

KIDGIB

続いて、メランコリックなギターリフと多彩なコーラスワークが印象的な「Now That This Is Over」が演奏されると、最前列から待っていましたの如く、歓喜の声が鳴り響く。後ろで様子を伺っていた人たちもこの曲では体を委ねていた。ミドルテンポで爽やかなコーラスワークが魅力である「Heart To Heart」でボブが会場にジャンプ要求。すかさず会場はジャンピング!!テンポチェンジにモッシング!!ダイブこそ起こらなかったものの、最前列ではすでに熱気ムンムン状態であるのが火を見るよりも明らかであった。彼らの魅力はシンプルなポップ・パンクサウンドだけでなく、しっとりとしたロック・バラードも奏でるところにある。そんな彼らの魅力満載のロック・バラード「Hold Me Down」をしっとりと聞かせ、フロアをうっとりとさせていた。ドラムのノーランにより生み出されたビートに合わせてボブが手拍子。それに合わせて会場も手拍子し始めたその瞬間に、KID GIBの代表曲「Runaround」が始まった。「ギャオ!」という掛け声から始まらなかったのは残念であったが、パンク・キッズに親しみやすいギターリフと気持ちの良いアップテンポチューンにファンは踊り狂い、彼らを知らない人も楽しそうにステージを見つめていた。


カナディック・パンクの新星、KID GIBの初来日公演。世界に羽ばたく可能性を再確認できたともに、次回作をひっさげての来日が待ち遠しくなるほどの素晴らしいライブであった

(吉野将志)



KID GIB動画メッセージ
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48MAY

この日のトップバッターとなったKID GIBが見事にオーディエンスを盛り上げたあと、熱が冷めない会場には次に出演するアーティストを待ち焦がれるオーディエンスが集まりだし、更に温度が上昇していく。 今にもはち切れてしまいそうなテンションを堪え、今か今かと心待ちにする独特の雰囲気の中、響き渡るイントロダクション。 聞き覚えのあるの音。そう。48MAYの登場だ。

「Perilous Times」から「Pulling Teeth」のイントロへと続く聴き込んだCDと同じ音が流れ、これを聞いてアガらないわけがないと、歓声が湧き上がり、そのままライブがスタート。

48MAY

彼らを一目見ようと集まったファンはその場にいる事を楽しむ為に自然と身体を揺らし始め、手を上げて一緒に歌い、音の渦の中に交ざっていく。 「Car Crash Weather」や「Second Skin」 、「Big Shock」といったアルバム内でも名曲と名高い曲が次々と披露されて時間が進むほどに、その音の渦は更に大きくなっていった。
曲中で見事にSEの効果音とバンドの演奏をリンクさせたりと、とても4人で表現出来るサウンドの幅を超えた演奏力は、決して気取らないストレートに音楽を楽しむ姿勢が見て取れてわかるステージングがそこにはあった。 個人的にニュージーランド出身バンドのライブを観る機会に今まで巡り合わず、今回の48MAYが初となったわけだが、やはりUSでもUKでもない独特な雰囲気が漂うライブを終始繰り広げてくれた。
ライブに足を運んだお客さんへのその日限定のステージ、CDでは表現できない48MAYというバンドの本当の良さが直接伝わってくる距離感の近いライブ。

アーティストと自分の距離が縮まる架け橋。
CDを聴いてるだけでは決して埋まることのない距離。ライブにしか存在しないその架け橋をやっと渡ることが出来る喜びを、身体で表現しているオーディエンスに最高の気分になってもらおうと、経験と試行錯誤で練られたステージングや表現。
25分という短い時間ではあったが、ライブ終了後に会場を揺らしたオーディエンスの歓声が、更にファンベースを広げ、次回の来日を熱望する何よりもの証拠である事に間違いはなかった。

(顕-AKIRA-)



48MAY 動画メッセージ
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EVERY AVENUE

KID GIB、48MAYと立て続けに素晴らしいライブが行われた会場の雰囲気は更に熱を帯び、待ってましたと言わんばかりに最前列は心待ちにしていたファンに陣取られ、一気に会場の密接度と気温が上がり始める。本日3番手として登場したのは、EVERY AVENUE! メンバーがステージに現れた瞬間に湧き上がる大歓声。アルバム"Shh. Just Go with It"の1曲目に収録されている曲、「Days Of The Old」が始まると更に声は大きくなる。
購入したCDを聴き込み、今日この日を心から楽しみにしていたと言わんばかりのオーディエンスの声がメンバーにも届いたのか、笑顔でステージに立つ彼らの姿がそこにはあった。

EVERY AVENUE ライブ

「Chasing The Night」や「This One’s A Cheap Shot」、「A Story To Tell Your Friends」といったEVERY AVENUE節ともいうべきミドル・テンポにポップでキャッチーなメロディーを絡めた楽曲が続くと、壁際で見ていた人達も彼らのグルーヴを身体で感じはじめたのだろう。知らない曲であってもその場で聴けばついつい身体を揺らしてしまう、そんなダイレクトに伝えられる楽曲が最大の魅力であろうEVERY AVENUEワールドに次第に引き込まれていく。

来場した人たちの気持ちや想い、熱意や興奮がメンバーにダイレクトで伝わるライブという空間の中で、順に演奏される1曲1曲から「ありがとう!」と、聞こえてくるような、そんなパワフルでファンサービスもたっぷりのステージング。 MySpaceやCDのジャケットからも伝わるEVERY AVENUEというバンドが持つポップでキャッチーな雰囲気は、彼らの温かくて親しみやすい人柄から発するオーラだった事に多くの人たちが気付いたに違いない。

心に響く名曲「Think Of You Later(Empty Room)」ではファンと一緒に笑い、歌い、そして楽しむ姿を垣間見ることができた。 彼らが信念に掲げているかどうかを聞けなかったので定かではないが、その日その時のライブをめいっぱい楽しもうとするパフォーマンスから、そんな温かいメッセージが胸に強く響いてくる、 観ていて微笑ましくなってしまうライブ。 時間が経つにつれて徐々にステージの近くへと歩み寄り、手を上げてライブを楽しむ人たちが多くなっていったのは言うまでもない。 ラストは彼らの代表曲「Where Were You?」で見事に締めたEVERY AVENUE。 あっという間に終わってしまったようにも感じた寂しさにも似た気持ち、もう一度ライブを観たいという気持ち。 次回の来日を既に楽しみにしている気持ちが胸に残る、そんな温かさをプレゼントされたような印象深いライヴだった。 この気持ちを抱いたまま、次回のライブへまた足を運びたい。 と、感じたのは僕だけではない。たくさんの人たちが手を上げ、メンバーの名前を呼び、拍手で送り出す大勢のオーディエンスを見てそう確信したライブだった。

(顕-AKIRA-)



EVERY AVENUE動画メッセージ
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FOUR YEAR STRONG

BEYOND [THE] BLUE JAPAN TOUR 08の東京公演の大トリは、FALL OUT BOYのピート・ウェンツの立ち上げたDECAYDANCEとの契約も決定し、現在人気急上昇中のFOUR YEAR STRONGである。YOU TUBEでの彼らのライブ映像を見ているだけに、この会場でどんなカオスを巻き起こしてくれるのか、とても楽しみにしていた。
待っていましたとばかりに最前列に集結していく兵(ツワモノ)ども。戦闘態勢が整ったところでこの日最大の大歓声に迎えられ、アメリカからやってきた猛者たちが登場する。まるで戦の始まりを告げる太鼓のように力強くドラムが鳴らされ、フロアからハードコアな雄叫びが湧き起こる。「The Take Over」で体をならした後、「Men Are From Mars,Women Are From Hell」のドコドコと唸るツーバスに合わせてのハーコーモッシュが大発生。今すぐフロア最前列に飛び込みたいとの気持ちを抑えるのに必死だったのだが、とにかくその様相は早くもカオスと化していた。彼らの最大の魅力は、基本はFALL OUT BOYバリのダンサブルなポップ・パンクであるのに、そこにシンガロング・パートやモッシュ・ダイブ必至のハードコアサウンドが絡み合うという、この絶妙なバランスにある。周りを見まわすと、前のほうでは兵どもがモッシュ・ダイブ、後ろのほうでは女性ファンがシンガロング。まさにこの光景こそ彼らの魅力がステージに伝わった結果なのではないだろうか?

FOUR YEAR STRONG ライブ

「Catastrophe」の演奏終了後、突然、「これからやる曲をみんなで歌ってくれないか?」との内容がフロアに伝えられる。そのリアクションを待たずに、激ロックでヘヴィロテ中の「Bada Bring! Wit’ A Pipe!」がたたみこまれる。これには堪らず筆者、フロアともに発狂乱舞!!そんなフロアのテンションをさらに煽るように、ハードコアとピコピコサウンドのバランスが心地よい「Abandon Ship Or Abandon All Hope」、ザクザクと刻み込まれるギターリフが印象的な「Beatdown In The Hey Of Happy」と演奏されていく。そんな中、シンセ担当のジョシュが抑えられない興奮に突き動かれるままにハードコアパートを熱唱。上半身裸となった彼がステージの上からそばにいたハーコーキッズとマイク一つでシンガロング。体中から迸る汗に激情ハードコア・・・。ああ、最高にかっこいい!! 「Maniac [R.O.D.]」の時に最大のハイライトを迎える。この日最大のサークル・ピット発生。その回転の速さとダイブの数が半端ではなく、まるであのYOU TUBEのライブ映像を見ているようだった。また会場の後方では馴染みのある激ロッカーたちが、思うがままにハーコーモッシュを楽しんでいる姿には微笑みを隠すことができなかった。

この日のライブは終始、モッシュやダイブが絶えることなく、アンコール「So Hot, And You Sweat On It」、「Your Song」終了後も会場を後にする彼らの姿を惜しむ声が鳴り止まないでいた。BEYOND [THE] BLUE JAPAN TOUR 08の東京公演の大トリに相応しい、素晴らしいライブ・パフォーマンスであった。

(吉野将志)



FOUR YEAR STRONG 動画メッセージ
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