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LIVE REPORT

Rim(mono palette.)

2022.04.23 @吉祥寺CLUB SEATA

Writer 山口 哲生 Photo by 森好弘

歌い手として活動している、あげいん、Rim、雪見、3部の4人による男性ヴォーカル・グループ、mono palette.。今年3月にはZepp Haneda(TOKYO)での5周年記念公演も成功させ、さらに注目度が高まっているなかメンバーのRimが、4月23日に吉祥寺CLUB SEATAにて[Rim Birthday One-Man "Choker"]を開催した。

この日のライヴは2部制ということもあり、レポートを行った第2部では、すでに身体もしっかりと温まっている様子。"楽しもうぜ、来いや!"というRimのひと言から、開幕早々「REFLEXIÓN」で、ヘヴィなバンド・サウンドと煽動的な電子音を走らせていくと、間髪開けずに「クイーンオブハート」へ突入。艶のあるシャッフル・ナンバーを叩きつける。時にクールに、時に情熱的に歌を届けていたRimだが、MCではかなり饒舌。"1部でちょっと喋りすぎちゃって......(苦笑)"と言いながらも、"喋りたくてしょうがなかった"と、笑いを交えたトークで客席を盛り上げていた。

この日のライヴについて"セトリがパワフル"と話していたRim。その言葉の通り、矢継ぎ早にハード・ナンバーを畳み掛けていく構成になっていた。トラップ・ビートが不穏を煽る「ボッカデラベリタ」や、ポスト・ロック的な意匠の「とても素敵な六月でした」、ヘッドバンギングを巻き起こした「ストリーミングハート」など、場内の熱気を落とすことなく歌を届けていく。また、この日はRimにとって約4年ぶりの単独公演ということもあり、ライヴでどんな曲が聴きたいか、事前にリクエストを募っていたとのこと。その声に応え、「命に嫌われている。」と「ムラサキ」の2曲を披露。さらには、Rimが初めて"歌ってみた"を動画サイトに投稿した曲である「サリシノハラ」も演奏され、"最近自分のことを知った人にも、昔から応援してくれている人にも、全員が楽しんでもらえるライヴにしたい"という、彼の気持ちがじっくりと伝わってくる楽曲ばかりだった。極めつけは、この日のライヴのために、一蛙(にのまえかわず)に制作を依頼したオリジナル楽曲「色のない花」。曲を披露する前、Rimが歌詞に込めた想いについて話していた。

今年11月で活動10周年を迎えるRim。その歴史は決して輝かしいものばかりではなく、うまくいかないことや、時にはもうやめてしまいたいと思うこともたくさんあったそうだ。様々な葛藤を抱えながらも活動を続けてきた彼だが、mono palette.を結成して以降、メンバーやマネージャーが、自分が見失ってしまっていたものや、気づけていなかったこと、自分のいいところ、良くないところを気づかせてくれたとのこと。そして今mono palette.というグループは、自分にとって一番大切な存在になっている。そんな今の気持ちを歌詞に込めたと、それまでの賑やかに話していた様子とは打って変わって、真剣な表情で、目の前にいる観客に語り掛けていた。

そして、「色のない花」を披露した。美しく繊細で、それでいて感情を爆発させるようにかき鳴らされるギターと、力強く打ち鳴らされるリズムの上で、どれだけ苦しくて打ちひしがれてボロボロになったとしても、それでも歌い続けていたいという強い意志が刻まれた言葉を歌うRim。歌の途中で何度も感極まっていたのだが、それは、ライヴを観に来ていたmono palette.のメンバーが視界に入って、グっと来てしまったそうだ。

"10年活動してきた中でもすごく幸せな1日でした"と、客席に何度も感謝を伝える彼の、音楽や仲間に対するまっすぐな気持ちが存分に表れていたステージだった。

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