-はじめまして。激ロックです。インタビューよろしくおねがいします。はじめてのインタビューになりますので、基本的な質問からいきます。イエローカードというバンド名の由来を教えてください。
ライアン:僕らがはじめてライブの3日前だったんだけど、それまでまだバンド名がなかったんだ。バンド名がなかったからどうしようかってみんなで考えてたんだけど、そのときに、誰かがビールを床にこぼしちゃったんだ。その時に誰かが「イエローカード!」っていったんだよ。
ショーン:その頃、粗相した人に対して「イエローカード!」って言うのが流行ってて、それでその時、イエローカードっていうバンド名にしよう!って思いついたんだよね。
-楽曲は主に誰が作っているのですか?
ショーン:曲にもよるんだけど、主に僕が曲の骨組みを作ってきて、他のメンバーがそこに肉付けをしていくのが一番多いかな。
-05年に、ライアンが喉の手術をしたり、ベンが脱退したり、苦労が重なったようですが、そのときにバンドの危機のようなものは感じましたか?
ライアン:そうだね、解散したりバンドを辞めることを全く考えなかったといったら嘘になる。それだけ大きな危機や大変な出来事がどんどん立て続けに起きていた時期だったから。前作をリリースした05年は大変な時期だったよ。だけど、ベンのあとにライアン・メンデスが加入して、彼がバンドに新しい良い気を吹き込んでくれたんだ。彼はいつもすごく一生懸命なやつでね。このバンドにいることを生きがいにしてくれているよ。彼の一生懸命さは他のメンバーにも伝染していって、それでバンドも良い風に変わっていけたんだよ。
-なるほど。そのライアン・メンデスはこれまでにどのような活動をしていた人物なのですか?
ショーン:ロブスターレコードから出してる「ステアリングバック」っていうパンクバンドにいたんだよ。それで僕らと知り合いになってね。音楽活動に対して本当に熱心なバンドなんだ。ワープトツアーに参加するにも自分達でステージを組んでサウンドチェックして、ライブが終わったら自分達でステージを組み直すところまでやるんだ。ツアーにまわるときは、たとえ機材車がなくても四駆くらいの車でまわってたりもするし。それだけ音楽に対して熱い情熱を持っているバンドに、彼はいたんだよ。
-2006年にメジャー・セカンド・アルバム「Lights and Sounds」をリリースしてから、今年2007年に新作「Paper Walls」をリリースするということで、スパンとしては非常に早いですよね。新作「Paper Walls」のイメージなどはいつ頃から見え始めていたのですか?
ライアン:昨年の秋に前作のツアーが終わってからすぐにリハーサルルームに入って、かなり早い段階で曲作りをはじめたんだ。リハーサルルームに入る前は次はどんな作品にするのかなんて全く分からなかったんだけど、実際機材を並べて曲を作っていくうちにイメージが沸いてきたんだよ。リハーサルに入った段階では「早く新しいアルバムが作りたい!」っていう気持ちでいっぱいだったんだ。君の言うとおり、僕は喉の手術もしたし、つらいことが沢山あった一年だったから、バンドとして新鮮なスタートを早く切りたいっていう気持ちだったね。
ショーン:前作のリリースは2006年の1月ではあったけど、実際にアルバムの制作は6〜7ヶ月前にはすでに終わっていてたからね。05年のサマーソニックに出演したときも実はアルバムは完成していたんだけど、リリースだけがどんどん延びちゃって時間がかかってしまったんだよ。実際、ツアーは長い間やっていたんだけど、あっという間に終わっちゃったと思われちゃう不思議な時期ではあったんだよね。
-「新作「Paper Walls」を聴かせてもらいました。過去作「Ocean Avenue」をも超える素晴らしい作品であると思います。今、この作品を完成させてどんな気持ちですか?
ライアン:ありがとう!「Paper Walls」は、これまでで一番、バンドが共同で制作したアルバムなんだ。最初から最後までメンバー5人がスタジオの中にいて、みんなの力で作り上げた作品だよ。曲によっては僕がアコースティックで曲を作り上げていくものもあったりはするんだけど、そんな中でも他のメンバーはどこかへ行ってしまうんじゃなくて、スタジオの中にいてくれた。で、途中からメンバーに入ってもらったりとかして、そんな風にみんなで作りあげていったんだよ。だからこそ、イエローカードのベストな作品であると言えるんだろうな。この作品はメンバーのいい所が全部、結集しているアルバムなんだ。だからといって今までの作品が悪かったといっているんじゃないけどね。
ショーン:作品ごとに向上していってると思うんだよね。新作を聴いてくれた人のほとんどが、この作品がイエローカードのベストな作品だとか、今までで一番好きだっていってくれて、僕達としても嬉しいよ。
-このアルバムのコンセプトやテーマはどういったもので?
ライアン:前もってコンセプトやテーマを考えたりすることはなかったよ。前のツアー中の、楽屋とかサウンドチェック中にかいた曲とかもあったんだけど、実はそれらの曲はほとんど残らなかったんだ。ツアーが終わって、改めてリハーサルルームに入って、みんなで作ったものがあまりにも良かったからね。歌詞についていうと、いまだに僕も考え中なところがあるんだ。自分から出てきた言葉ではあるけど、どんなことを伝えたかったのかはまだ自分でも良く分かってなくて、「この曲はこういうことを歌っているんですね?」って人に言われて気付く部分も多かったりするんだ。
-最近のパンク・バンドには、シンセサイザーを取り入れたり、いわゆる「脱・パンク」と呼ばれる変化を遂げるバンドが非常に多いですが、あなたたちの新作ではそのようなことはなく、リスナーがイエローカードに求めるサウンドを奏でていると感じましたが、その辺は意識したのでしょうか?
ライアン:自分達がどこかのシーンに属したり、流行りを追うことは決してないよ。まぁ僕らはダンサブルな曲を作るのが上手くないとか、シンセサイザーを弾く人がいないってのもあるんだけど。世の中には「パンクバンド」とか「ポップ・パンク」っていうジャンル分けがされていて、そこに僕らのサウンドが当てはまるのも分からなくはない。実際、若い頃に影響を受けた音楽ってのが、95〜96年のワープトツアーだったり、ノーウースフォーアネームとかバッドレリジョンだったわけだし。それと同時に、パールジャムやウィーザーなどのグランジや、ポップ・ロックみたいなものも聴いてきた。もっと広く言えば、マイケルジャクソンなどのポップ・ミュージックからも影響を受けてきた。そういうのを掛け合わせれば、確かにポップ・パンクみたいになるだろうね。だけど、ポップ・パンクというもの自体、今はどういうものなのか曖昧なところはあるよね。パニック!アットザディスコみたいなバンドをポップ・パンクと呼ぶ人もいる。ここに僕らの音楽が当てはまるのも分かるんだけど、自分達としてはそういうことは全く気にせず、自分達で出来る音楽を表現していくだけさ。だからこそ、イエローカードはここまで生き続けているんだろうね。流行りに左右されることなく、自分達らしさを貫いてきた結果だよ。
-今年で結成10周年を迎えるそうですね。大きな節目となる10周年の年にリリースするアルバムということで、やはり特別な気持ちを持って制作に入ったのでしょうか?
ショーン:確かにイエローカードは結成10年を迎えるし、ライアンが加入してからも8年経つわけだけど、節目とかに関係なく、今作ではメンバー全員のものすごく前向きで盛り上がったエネルギーが満ち溢れた作品であると言えるよ。原点回帰したような心境だね。アルバムがリリースされるのが本当に楽しみさ。
-ライアンの歌声に奥行きが増したように感じますがどうでしょうか?あなたが素晴らしいヴォーカリストであると再確認することが出来ました。
ライアン:ありがとう!昨年の手術のあとは、声の調子がすごくよかったんだ。夏のツアーの間も、体調は崩してしまっても声を失うことは一度もなかったし。その自信が、このアルバムで歌うことに表れていると思うよ。実は、今までは自分のヴォーカルに自信がない部分もあったんだ。だけどこの新作を聴いた時、自分の歌声に誇りを持つことが出来た。今まで最高の歌声を披露することが出来たと思ってるよ。それに僕だけに限らず、メンバー全員が演奏力においてステップアップしているね。
-間もなくワープト・ツアーが始まりますね。ショーンはステージでバック宙をしたりと、そのパフォーマンスもあなたたちのライブでの見所の一つだと思いますが、バック宙のほかに新技が飛び出したりしますか?
ショーン:新技ってのは特にないなぁ(笑)いつも通り、パワー全開のイエローカードのライブをお届けできると思うよ!
-私たちのDjロックイベント「激ロック」では、ファーストアルバムの「Ocean Avenue」や「Way Away」などはプレイすれば必ず盛り上がる人気曲なのですが、新作からはどの曲をイベントでプレイしてほしいでしょうか?
ライアン:「Fighting」なんかどうだろう?
ショーン:「Shrink the World」もいいよね!
-新作リリース後、来日公演の予定などはあるのでしょうか?
ショーン:フジロックに出演が決まっているよ!出来れば早いうちに単独ツアーでも戻ってきたいと思っているよ!
YELLOWCARDからのムービーコメントはコチラ!
YELLOWCARD / Paper Walls (special edition)
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artist official site
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