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FUNERAL FOR A FRIEND | 激ロック インタビュー

FUNERAL FOR A FRIEND:Matt (Vo)/Kriss (Gt)

インタビュアー : MAY-E

FUNERAL FOR A FRIEND

-残念なことに本日、東京では他にTHE RED JUMPSUIT APPARATUSやCHIODOS、ALESANA、36CRAZYFISTSといったバンドらのショーも開催されているんですが、ご存知ですか?

Matt(以下M):そうなの!?みんな一緒の会場でやればいいのに(笑)どのバンドも考えることが似ていて、オーストラリアに行くのに日本を経由するバンドが多いんだよ。オーストラリア公演後に日本に寄ったり、もしくは日本公演後にオーストラリアに行ったりね。だからライヴがこれだけ重なっちゃうんだ。ファンにとっては、どれかひとつのライヴにしか行けないことになるから、それは可愛そうだよね(笑)

-そうですね。あなた方は来日回数も多いですので、日本のキッズを前にして戸惑うことももうないと思うのですが、大阪公演を終えてみて、特に新作『Memory And Humanity』に対しての日本のキッズの反応はいかがでしたか?

M:ひとつ驚いたことがあって、日本のオーディエンスは曲も歌詞もきちんと覚えてきてくれたんだよ。今作をリリースして何ヶ月もツアーを回っているけど、イギリス以外の国でここまでしっかり歌ってくれるオーディエンスは初めてだったね。あまりにもちゃんと歌ってくれるから、僕が歌わずにオーディエンスに歌ってもらったパートなんかもあったんだ。すごく衝撃的だった。今思い出しても感動しちゃうよ。

-そうですね。話は遡りますが、サード・アルバム『Tales Don’t Tell Themselves』をリリースした後の来日公演に足を運んだのですが、『Tales Don’t Tell Themselves』とそれ以前の楽曲では曲のスタイルが異なるにも関わらず1つのショーの中でとてもきれいにまとまっていた印象を受けました。あなた方の高い演奏・歌唱レベルがあってのことなんでしょうけど、本作『Memory And Humanity』が加わることによってよりスムーズな流れ、展開になるのではないかと思いますが。

Kriss(以下K):確かに。アルバムの数が増えれば増えるほどセットリストは考えなきゃいけなくて結構大変ではあるんだけどね。例えばひとつ気付いたのは、同じ曲でも国によって若干だけど反応が違うんだよ。日本で受けた曲が必ずしもアメリカで受けるとは限らないし、やっぱりそのバランスを見極めてセレクトをするということがすごく大事なんじゃないかなって思っているよ。
M:今回の日本でのライヴのセットリストはサード・アルバム『Tales Don’t Tell Themselves』からの曲はちょっと少なめにしているんだ。その理由は、あのやっぱり前のツアーの時って言うのは、当然『Tales Don’t Tell Themselves』に伴うツアーだったから、新曲として『Tales Don’t Tell Themselves』から多めにプレイしたわけだよね。そうするとその次のツアーの時、つまり今回のツアーのことだけど、その時はその前のツアーではサード・アルバム『Tales Don’t Tell Themselves』の曲をたくさんプレイしているからその比重はかなり少なくなっちゃうんだよね。そのために、今回は前回とは違ってファーストとセカンドの曲が多くなっているんだよ。来年になれば、また全然違うセットリストになると思うんだけど、要するに今のセットリストは今もっともやりたいと思っている曲を中心に組んでいるんだ。

-なるほど。本作ではRomesh Dodangodaという人物をプロデューサーに迎えていますね。実は彼の名前は初めて伺ったんですが、これまでにLOSTPROPHETSやBULLET FOR MY VALENTINE、KIDS IN GLASS HOUSESなどあなた方と同じウェールズのバンドを数多く手掛けているようですね。Romesh Dodangodaはウェールズ在住のプロデューサーなんでしょうか?

K:彼はまだ23歳なんだよ。すごく若いだろ? M:そう。彼はウェールズ人でカーティス出身なんだ。年齢は驚くほど若いんだけど、とても才能に溢れていて、機材のことにも詳しいし、すごく良いアドバイスもしてくれる。君が言ったKIDS IN GLASS HOUSESなどのバンドの他にもDOPAMINEやTHE BLACKOUTなんかも手掛けているんだよ。彼とは以前から友達だったんだ。だから、仕事をしているっていうよりは、友達と気楽にレコーディングするっていう感じで、とてもリラックスして進めることができたよ。彼と組んで、とても良かったと思っているよ。2002年頃にデモを作っていた時の新鮮な気持ちが蘇ってきたんだから。その感じがアルバムにも出ているんじゃないかなって思うよ。

-そうですね。彼とはどういう経緯で知り合いになったのですか?

K:ウェールズのロック・コミュニティはすごく規模が小さくて、みんなどこかで繋がっていたりするんだ。KIDS IN GLASS HOUSESやDOPAMINEのメンバーなんかも、昔からずっと知り合いだしね。本当に半径5マイルくらいにみんないる感じだからさ。要するに、カーティスのミュージック・シーンの中ではみんな知り合い同士なんだよ。それほど小さいコミュニティの中で、彼と知り合いになって、お酒を飲みに行ったりしていたんだ。その頃から一緒にレコーディングしようねって話は出ていたんだけど、当時の僕たちはメジャーのAtlantic Recordsに所属していたから、彼とレコーディングをしたいと希望してもOKが出なかったと思うんだ。今は自主レーベルを立ち上げて、誰に何を言われることもないし、自分たちの好きなようにできるような環境になった。これはもう彼とやるしかないな、と思ったんだよね。それで今回は念願叶って彼と一緒に仕事をすることになったんだよ。本当に良い仕事をしてくれて感謝しているよ。

-今話が出ましたが、その自主レーベル「JOIN US Records」の経営はメンバー皆さんが行っているんですか?

K:うん。レーベルの経営に関してはメンバー全員で行っているよ。さっきも言ったように、自分たちの好きなように活動するためにこの自主レーベルを立ち上げたんだ。そして色々な音楽レーベルとライセンス契約を結んで、このバンドを信じてくれる人たちにプロモーションや販売をやってもらっているんだよ。

-Gareth Davies(Ba)の脱退は残念でした。脱退の表明は、本作リリースの約1ヶ月前の08年9月でしたが、本作でベースを弾いているのはGarethですか?

K:そうだよ。今作でベースを弾いているのは彼だ。もちろん曲作りにも参加しているよ。だけど、アルバムがようやく完成して、そのアルバムのツアーの予定を組んでいる最中に、彼はツアーに参加することが難しくなってきたんだ。というのも、このアルバムのレコーディング中に彼はアメリカ人の女性と結婚してね。フィアンセはアメリカに住んでいるんだ。ツアーとなると、ずっと奥さんと離れていなきゃならない。レコーディング中にも奥さんを一人ぼっちにさせておいて、自分だけウェールズに戻って実家で寝泊りをしていたんだから。他のメンバーは家族が近くにいて、すぐに会える距離にいる中で、彼だけ奥さんを遠いアメリカに置いたままにしていた状態だったんだよ。彼自身が、こういう生活は無理だっていう判断を下した。その気持ちは僕らもすごく判るから、他のメンバーも了解して、友好的に彼の脱退を受け入れたんだよ。

-そうだったんですね。では、新メンバーのGavin Burrough(Ba)についてお聞きします。HONDO MACLEANで活躍していたそうですが、そのHONDO MACLEANと、初期のあなた方のサウンドは非常に近いものを感じていたので、Gavinの加入には深く納得がいったのですが、やはりもともと付き合いは長かったのですか?

K:そうだよ。Ryan(Dr)もこのバンドに在籍してたんだ。といってもデモ作りの時だけで、リリースされたEPなどには参加してないんだけどね。だからGavinとは古い友人なんだ。このバンドではベーシストだけど、彼はずっとギタリストだったんだよ。14、5歳の時から一緒にギターを始めて、お互いに刺激を受けながらギタープレイに磨きをかけるといった、僕にとって良きライバル的な存在だったんだ。このバンドは7年間も活動してきたから、新しいベーシストをいれるとなるとそれだけで大変なことだ。知らない人間だったら、また一から人間関係を築き上げていかないといけないからね。出来るだけ知った人間を新メンバーとして迎えたかったんだ。古い友人でもあるGavinは、そういう面から見ても完璧だってことになったんだ。彼のベース・プレイはもちろん信頼できるんだけど、歌もすごく上手いんだよ。それはバンドにとってもかなりプラスの要素だし、バンドもパワーアップできたと思っているよ。

-Garethの脱退、地元のバンドを多く手がけているプロデューサーを招いたこと、原点回帰とも読み取れるスクリームの復活などから、ここにあなた方の「再出発」という想いを感じ取ることが出来るような気がしています。本作のリリース日が、ファースト・アルバム『Casually Dressed & Deep In Conversation』と同じ10月13日であったのも、再出発の想いを込めてでしょうか?

M:そう!発売日に関しては狙ってやったんだよ!気付いてくれて嬉しいよ。ちょうどファースト・アルバムから数えて5周年でもあるんだ。さっきも言ったけど、今回のアルバムに込められているスピリットはファースト・アルバムと似ている部分がとても多いから、新たなスタートを切るという意味で発売日を同じにしたんだよ。
K:あと、曲作りに関してもファースト・アルバムの頃に戻したんだ。前作に関しては、本当にプロフェッショナルなスタジオでレコーディングをした。だけど今作は、Ryanの家のリビングルームにメンバーがギュウギュウ詰めになりながら、みんなでワイワイと意見を出し合って作ったものだ。初心に帰ったみたいだったよ。大きくて立派なスタジオでレコーディング出来るのは、それはそれで素晴らしいんだけど、なんとなくコミュニケーションが取り辛く感じてしまったりしちゃうところがあった。だけど今回は、みんなでリラックスしながらできたんだ。スタジオって普通窓とかないだろ?でも今回は、いわゆる普通の家だったから、窓から太陽の光も差し込んできたし、それが作曲やレコーディングをする際に良い影響を与えてくれた気がするよ。。
M:音楽のアイデア的にはセカンド・アルバムと似ている部分もあるよ。そういうところも、原点回帰と言われる要因のひとつかも知れないね。


FUNERAL FOR A FRIEND メモリーズ・アンド・ヒューマニティ

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