-はじめてのインタビューなので基本的な質問からいきます。はじめて買ったレコードは?
ムース:ガンズアンドローゼズの「Appetite for Destruction」だな。カセットテープで手に入れたんだ。
ジェイ:俺はニルバーナで、同じくカセットテープで手に入れたんだけど・・・買ってはいないんだ。金は出してない。コピーしたんだよ(笑)
-影響を受けたアーティストを挙げるとしたら?
ムース:そうだな。パンテラ、アイアンメイデン、ガンズアンドローゼズだな。
ジェイ:俺はパンテラ、AC/DCをよく聴いていたよ。
-"Jeff Killed John"というバンドが、BFMVの基になっていると聞いています。まず、Jeff Killed Johnとは現メンバーの誰が在籍していたのですか?
ムース:俺と、マットとパッジだよ。ジェイはあとから加入したんだ。
-どんなバンドだったのですか?
ムース:そのときやってたのはハードロックとか、ニューメタルだったよ。
-では、BULLET FOR MY VALENTINEというバンド名の由来は?
ムース:特に意味はないんだ。"Jeff Killed John"が解散してから、新しいマテリアルを用意して、パブにいった時にいったんだ。
ジェイ:みんなで紙とエンピツを持っていいと思う言葉を書きなぐってたんだよ。で、今のバンド名に決まったんだ。
-ジェイ加入以前のベーシストが脱退していますね。急な脱退のようでしたが、その理由は?
ムース:あれは3年半か4年前くらいだったと思う。もううんざりしてたんだろう。俺たちのバンドに興味はなくなったんだろうな。
-その後、現ベーシストのジェイが加入していますが、加入以前はジェイはどのような活動をしていたのですか?
ジェイ:それまでも色んなバンドをやってたよ。BFMVにベースが必要になった時も、まだ俺はあるバンドで活動もしていた最中だったんだけど、こっちに加入することにしたのさ。そしたらそのバンド連中はものすごく嫉妬しちゃってたけどね。
-友達だったのですか?
ジェイ:あぁ、幼なじみだよ。2歳くらいから一緒にいるんだ。同じ街出身だし、昔からバンド連中でいりびたってたりとかして。今でもすごく仲がいいよ。
-ねるほど。以前のバンドもメタルバンドだったのですか?
ジェイ:最初はカバーバンドだったんだけど、そのうちオリジナルもやるようになったよ。主にメタルだね。
-BFMVの話に戻ります。あなたたちはRob Zombi、Guns N' Roses、Iron MaidenらのUSツアーサポートも努めていましたよね。
ムース:うん。それまでは友達のバンドがサポートでまわってたこともあったんだ。そいつらから「ぜんぜん人気無くて観客は5人しか来ないよ~」とか気かされてたんだけど、実際アイアン・メイデンのサポートでまわることになるとオーディエンスは1万5千人くらいの大きな規模でのショーになったから、最初は驚いたよ。俺たちがヘッドライナーでまわったときも2万5千人くらいのオーディエンスが集まったりもした。だから俺たち自身、何か残せたんじゃないかと思ってるよ。
-その時の観客の反応はいかがでしたか?
ムース:驚くほどいいものだったね。これ以上ないってくらい。
ジェイ:ワイルドだったね。
-ヨーロッパとアメリカ、日本でのオーディエンスの盛り上がり方って違うもの?
ムース:文化が違うだけど、盛り上がり方はそんなに違わないよ。だけど、日本が他の国と違うのは、曲と曲の間は静かに待ってるってことだね。他の国だったら「あの曲やってくれ!」とかバンドに叫んでるけど。どちらにせよ、みんな楽しんでくれてるみたいだけどね。
-なるほど。今ではアメリカでの活動も順調なようですね。
ムース:あぁ、そうだね。イギリスのバンドがアメリカで売れるのは本当に難しいことなんだ。状況的にもね。俺たちみたいにうまくやってるのはめずらしいだろうな。ほんとに感謝してるよ。俺たち自身もすごくエキサイトしてる。
-キマイラとはUKツアーで一緒だったそうですね。
ムース:あぁ。あれは3年前くらいだったかな。その頃は俺たちはまだツアーバスもなくて、バンで移動してたんだ。初めてのツアーってくらいの心境だったよ。どこにいっても居心地が悪くて、ツアーを楽しむことも難しかった。全てが新しかったし、訳が分からない状態でね。28日間のツアーの最後だけキマイラと一緒だったんだけど、彼らもすごく疲れてたな。あんまり楽しくなかったよ(笑)
-では音楽の話に。強固なギターリフはBFMVのサウンドの要でもあると思います。曲作りのときはやはりリフから考えてくのですか?
ムース:うん、最初にリフだね。沢山リフを考えて、それから曲を作って、そのあとにメロディーと歌詞を乗せていくんだ。
-BFMVのサウンドは、ギターリフとアグレッシブなバックサウンドでありつつも同時にドラマティックな要素も持ち合わせていますよね。ここに色気すら感じるわけですが、この色気は、あなたたち自身どこから生まれてくるものだと思いますか?
ジェイ:俺達自身がセクシーだからかもしれないな(笑)
ムース:ハハハ!(笑)
ジェイ:俺達は音楽への情熱を持っているからね。真剣に音楽に取り組むところから、自然と出てくるものなんじゃないかな。
-合わせてジャケットや、バンドのロゴもセクシーなデザインですよね。これらは誰が手がけているのですか?
ムース:ロンドンにある「アポーガ」って会社にデザインを頼んだんだ。そこのデザイナーに俺達の歌詞を読んでもらって、俺達のイメージで作ってもらったんだ。次の新しいロゴはそこの会社に頼むかどうかは分からないんだけどね。
-あなたたちはメタルバンドでありながらFamousなど若者に人気のブランドをタイトに着こなしたクールな装いで、「メタルはダサい」といったイメージを打ち砕く鮮烈なデビューでしたね。あなたたちの登場によって、それまではパンクロックしか聴かなかったような若いリスナーすらメタルにも興味を持つようになっています。「メタルはダサい」と思いがちな若者にメタルを身近なものにしたという意味でも、BFMVの存在はメタルシーンの繁栄に大きく貢献していると私は思うのだけど。
ジェイ:俺達は着たいものを着てるだけだよ。意識は全くしてないし、トレンドを作ってるつもりはないんだ。まぁでも、最近ではジーンズとかにも気を使うようになったけどね! ムース:俺はいつも変わらず短パンと好きなバンドのTシャツだよ。短パンはドラムを叩くためにね。
-ジェイが今着ているTシャツは自分でカッティングしたものですよね?
ジェイ:あぁ、そうだよ。
-それ、真似しました。
ジェイ:ハハハ(笑)
-さて、新作についての質問に。本日、ニューアルバムに収録される「Deliver Us From Evil」「Hearts Burst Into Fire」「Scream,Aim And Fire」の3曲を聴かせてもらいました。素晴らしかったです。特にアルバムタイトルになっている「Scream,Aim And Fire」は衝撃的でした。色々感じたことはあるのだけど、まずマットの歌い方が大きく変わっているな、と。
ムース:そうだね。実はマットはこの夏、喉の調子が良くなくて、手術して扁桃腺をとったんだよ。アグレッシヴな曲に合わせてガラガラ声で歌うようになったから、歌い方は変わったかもしれないね。
-なるほど。そのせいか、シャウトも減ってますよね。
ムース:あぁ。最近色んなバンドがスクリームしてるだろ?みんなスクリームしすぎなんじゃないかと思って、俺達はあえて抑えようと思ったんだ。マットはほとんどスクリームせずにうまく表現してくれたと思うよ。
-楽曲の中で叫んでいるのはマット?それともジェイ?
ジェイ:アルバムではマットが叫んでいるんだけど、ライブで叫んでいるのは俺だね。
-その叫び方も曲調もオールドスクールな感じを受けましたが。
ジェイ:あぁ、そうだね。どの曲も違うスクリームの仕方をしているんだよ。新作では俺達のルーツに戻ってみたんだ。今までよりもっとメタルベースなアルバムなんだよ。マットも、それに合わせて歌っているんだよね。
-この3曲以外はどんな風に仕上がっているのでしょうか?
ジェイ:この3曲はどれもリードソングになりそうな良いメロディーがあるんだけど、他の曲も同じようにハードでこの3曲にフィットした感じに仕上がっているよ。
-では、その新作のテーマは?
ムース:基本的には俺達が普段やっていること・・・例えばツアーでまわったりしてる中で起きた出来事とか、とてもパーソナルなことが書かれてるんだ。あとは戦争についての曲もあるし、マットが喉をつぶして手術をしなくてはならなくなったときの気持ちを曲にしたものもあるんだよ。どの曲も、違った内容になっているんだ。
-リリースの予定はいつ頃?
ジェイ:そうだなぁ、2月くらいかな。
ムース:うん・・・多分ね(笑)
-アヴェンジド・セヴンフォールドやトリヴィアムといったバンドは、以前はあなたたちのようにエモーショナルなメタルサウンドを奏でていたバンドですが、両バンドとも新作ではオーセンティックなメタルサウンドを提示していますよね。ニューアルバムを作る上で、これらのバンドのサウンドの変化に刺激されたりしました?
ジェイ:俺達は俺達だけの音を作ることに集中するようにしているよ。だけど、アヴェンジド・セヴンフォールドもトリヴィアムも大好きだよ。トリヴィアムの新作は特によく聴いているよ。
-なるほど。『KERRANG!』でマットがトリヴィアムのTシャツを着ている写真を拝見しました。トリヴィアムとは仲がいいのですか?
ジェイ:あぁ。ファンでもあり、友達でもあるんだ。彼らがやってることにとても共感できるんだよ。だから彼らがUKでブレイクする時には俺たちがサポートできるように、今からTシャツを着て応援しているのさ。
-トリヴィアムとツアーをまわったりは?
ジェイ:ツアーはまだないんだけどフェスティバスでは一緒に出演してたよ。そこで仲良くなったんだ。
-フューネラル・フォー・ア・フレンドの新作は聴きましたか?
ムース:あぁ、聴いたよ。今までで一番最高な作品だよね。
-彼らは「テクニックを見せつけるだけのギターソロやリフはもううんざりだ」と言ってメタルエッジなサウンドを捨て、エモーショナル・ロックなサウンドに大きくシフトチェンジしています。彼らに対して何か思うことってありますか?
ムース:うん。彼らはああいった変化を遂げて、それで大きな成功を収めたよね。それはとても素晴らしい事だと思う。
-確か、友達同士でしたよね?
ムース:あぁ、仲良いよ。特にドラムのライアンには良く会いにいっているんだ。
-地元ウェールズで共感できるようなバンドはいますか?おすすめのバンドなどあれば教えて下さい。
ムース:う~ん・・・今一番好きなバンドはラム・オブ・ゴッドだよ。ぜんぜんウェールズと関係ないけど(笑)他にはいないなぁ。
-そうですか(苦笑)ウェールズにはあなたたちのフォロワーともいえるようなメタルバンドも数多くいますよね。
ジェイ:そうだね。実際、俺の友達のバンドも俺達とそっくりな音を出してるんだ。他にもそういうバンドはたくさんいるだろうね。
-私達「激ロック」はオールナイトでへヴィーロックをプレイするDjパーティーなのですが、BFMVはとても人気があります。「Hand of Blood」「4words」などをよくセレクトしているのですが、ニューアルバムから激ロックでかけてほしいお勧めの曲を教えて下さい。
ムース:やっぱり「Scream, Aim And Fire」だな。 ジェイ:全部!
-最後に、今回のジャパンツアーでの意気込みをお願いします。
ジェイ:何度もキャンセルして、こんなに遅れてしまってごめんよ。明日は沢山の人に見に来て欲しい!
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