HOPES DIE LAST:Marco(Gt)
インタビュアー : MAY-E
-まず初めに、前作で「Stand By Records」と契約を結んだきっかけは何だったのでしょうか?
彼らのほうからコンタクトをしてきて進めていった感じなんだ。契約に至るまで割とすんなり決まっていったね。
-ロックと結びつかないバチカン市国出身というプロフィールがとても気になるのですが、実際にはイタリアで暮らしているのですか?
あれはジョークだよ(笑)!4年くらい前にMySpaceを始めたときに載せたプロフィールなんだ。俺たちは実際バチカンのあるローマの出身だから、あまり間違ってはいないんだけどね。
-デビューEP『Your Face Down Now』で「Garimpeiro Records」から日本デビューを果たしていますが、EP『Your Face Down Now』は日本のリスナーに強烈なインパクトを与えた作品でした。日本のファンからのコメントもMySpaceなどを通じてあなた方の元に届いていると思いますが、どんなリアクションがありましたか?
今のところ反応はすごく良いよ。EPやアルバムのコメントはもちろん、ライヴを早く見たいっていう要望も日本のキッズからはたくさん来てる。すごく光栄なことだと思ってるし、早く日本のみんなと会いたいよ!
-もともとはポップ・パンク・バンドだったようですが、現在のような激しくメタリックなサウンドに進化していったのは、世界的なシーンのムーヴメントは少なからず影響していると言えますか?
現在のスクリーモ/ポスト・ハードコアのムーヴメントにはもちろん影響を受けているけど、今活動している多くのバンドよりも俺たちのほうが実際早くからスタートしていると思う。スタイルを変えようと思ったのは2005年頃で、単純にそれまでの曲にスクリーム・パートを入れて、キャッチーなメロディとミックスさせようと思っただけなんだ。
-どのような音楽を聴いて育ってきたのですか?
メンバーみんな本当にたくさんのジャンルの音楽を聴いているから、ハッキリ答えるのは難しいかもね。このバンドはすごくオープン・マインドなバンドだと個人的には思っていて、メンバーそれぞれ、その時に熱中して聴いているものが素直に音楽に反映されている。今回のニュー・アルバムでもそれが顕著に表れていると思う。ポスト・ハードコアを基本にしながらも、インディ・ロックやポップ・ロックなんかの要素も取り込んだりしていて、そういったところからもHOPES DIE LASTの現状がわかってもらえると思うよ。
-イタリア語でなく英語で歌っていますが、世界的な活動を視野に入れて英語で歌っているんでしょうか?
単純に英語の持つ響きとインパクトが楽曲に合うから使っているだけさ。イタリア語は語感が強くて、特に俺たちのような音楽だとなかなかイタリア語で歌詞を書くのは難しいんだ。
-デビューEP『Your Face Down Now』以降、Nick(Vo)が脱退していますね。差し支えなければ脱退の理由を教えて下さい。彼は、今も音楽活動を続けているのでしょうか。
いくつか理由があったけど、一番の理由はお互いの関係の中で何かが途切れてしまったと感じたからだろうね。前回のUSツアーの途中で彼はいきなり何もかも放棄してしまって、その時に何ヶ月も一緒にツアーしながら生活できるような奴ではないんだってことがわかった。今は確かイタリアのポップ・バンドでプレイしているらしいよ。
-ヴォーカリストとして新たにDanieleが加入していますが、彼はそれまではどのような活動をしていた人物ですか?加入までの経緯を教えて下さい。
たいした経験があるわけではないんだけど、ヴォーカリストを探していたとき一緒にリハーサルに入って、純粋に彼の才能にすぐに惚れ込んだってだけなんだ。「Call Me Sick Boy」の出だしを歌っただけですぐに思ったよ、「こいつだ!新しいヴォーカルを見つけた!」ってね。
-Danieleのスクリームはあなた方のサウンドにとてもフィットしていますし、カリスマ性のあるヴォーカリストですね。彼は、バンドに新たに何をもたらしてくれましたか?
確かにそう思う、彼を迎え入れることができて本当に良かったと思ってる。彼のスタイルはまさにこのバンドが理想としていたものそのもので、今にして思えばNickのこともあの初日に見せたDanieleのスタイルを無意識に真似させようとしていたくらいさ。とにかく最高のシンガーだよ。
-アルバム『Six Years Home』は、激しくもドラマティックな素晴らしい作品ですね。より洗練された印象も受けましたが、ソングライティングのプロセスはEPの頃から変わりましたか?
あまり変わってないかな。基本的にはほとんどその時の思いつきや直感で進めることが多いんだ。それがバンドにとってのもっとも自然な表現方法だと思うし、ソングライティングもすごくスムーズに進められる。
-アルバム『Six Years Home』のテーマがあれば教えて下さい。
10曲中9曲の歌詞を俺が書いたんだけど、全体を通して大きな意味を込めている。歌詞の中で俺の過去6年間のことを歌っていて、”home”というのはまったく出口の見えないその当時の個人的な心境を表しているんだ。
-VANILLA SKYのDaniele Autore(Vo&Gt)をプロデューサーに迎えていますね。その経緯は?
彼はすばらしいプロデューサーで、イタリア屈指のミキサーでもあって、そして何よりも俺たちの大親友でもあるから、彼に依頼したのはすごく自然な流れだったね。EPのときも彼に頼んでいて仕上がりには大満足だったから、ほかの候補について考えたことはなかった。
-また、彼はどのような形でアルバムに貢献してくれましたか?
EPの頃に比べたら、プロデューサーとしての貢献という意味では今回はそれほどなかったかもしれないけど、レコーディングとミクシングでは最高の仕事をしてくれたよ。
-MEMPHIS MAY FIRE、CATHERINE、DESTROY THE RUNNERなどの若手バンドらと共に『Make A Mess In The US』と題したアメリカ・ツアーでは35公演もまわったそうですね。ツアー中のエピソードを教えて下さい。
一番おもしろかったのは、ツアーの終わりの頃にはなんと他のアメリカのバンドたちともみんなイタリア語で会話できていたんだ(笑)。あれは最高だった。
-アメリカでのファンベースも確固たるものになっていると思いますが、ヨーロッパ以外の国でアルバム『Six Years Home』の反応はいかがですか?
とは言っても国によるよ。例えばカリフォルニアでは250人くらいのオーディエンスがみんな俺たちの曲をシンガロングしてたりもしたし、一方オクラホマとかじゃ10人くらいが俺たちの音楽を見て「これいったいなんて音楽なんだ?」って顔で見てたりもしたし。
-私たちが主催する激ロックFESでの初来日が決定しましたね。あなた方のパフォーマンスを心から楽しみにしています。日本のファンへ向けてメッセージをお願いします。
きっと君たちが想像している以上に俺たちはエキサイトしているよ!日本のみんなの前で演奏できるのはすごくいいチャンスだと思うし、たくさんのオーディエンスが集まってくれるのを期待してる。そのためにも最高のショウにすることを約束するし、みんなも是非サポートして欲しい!そのために俺たちは活動してるからね。
Six Years Home MySpaceにアップされた楽曲のあまりの完成度の高さに話題騒然となったバンド「HOPES DIE LAST」。嘘か真か<バチカン市国>出身という前代未聞のプロフィールも大きな注目を集めた彼ら。初作品となるEP『Your Face Down Now』リリース以降にスクリーム・ヴォーカル担当のNick が脱退してしまったが、新しく加入したDaniele の強靭なスクリーム・ヴォーカルはNick以上にダイナミックで(さらにイケメンだ・笑)、どことなくTHE USEDのBertを思わせるクリーン・パート担当のBechoとの相性も抜群に素晴らしい。ヨーロッパ大陸、アメリカ大陸と度重なるツアーで鍛え上げられた彼らのライヴは必見である! ムラオカ |