ニューヨーク拠点とするヘヴィ・メタル・バンド。1984年にアルバム『Fistful Of Metal』でデビューを果たし、彼らと同時期に登場した⻄海岸出身のMETALLICAやSLAYER、MEGADETHらと共に、80年代半から後期にかけて、従来のヘヴィ・メタルよりもさらに過激で攻撃的な音楽を標榜する“スラッシュ・メタル”あるいは“スピード・メタル”と呼ばれる新たなスタイルの確立に貢献した。
1985年発表の2ndアルバム『Spreading The Disease』制作時、Joey Belladonnaがリード・シンガーとして加入。以後『Among The Living』(1987年)、『State Of Euphoria』(1988年)、『Persistence Of Time』(1990年)といったアルバムをコンスタントに発表。前述のMETALLICA、SLAYER、MEGADETHらと共にアメリカのヘヴィ・メタル・シーンを代表するバンドの1つとして君臨するようになった。
2007年、新しいシンガーとしてDan Nelsonを迎え、Rob Caggianoを復帰させてツアーを再開。同時にアルバム制作準備にも取り掛かったが、Danと上手くいかず2009年に彼を解雇。バンドにJohn Bushが再び加わり、Johnを擁する編成で新作レコーディングを行うと目されるようになった。ところが、METALLICA、SLAYER、MEGADETH、ANTHRAXという“The Big 4”による初合同ツアーの開催が明らかになると、音楽以外の仕事で成功を収めていたJohn Bushがフルタイムでバンドに関われないことを理由にANTHRAXから再離脱を表明。2010年にJoey Belladonnaがバンドへ2度目の復帰を果たした。
The Big 4による合同ツアーは大成功を収め、Joeyがバンドにそのまま留まることも決定。2007年より棚上げ状態にあったニュー・アルバムのヴォーカル録音もJoeyが行うことが決定し、2011年9月に『We've Come For You All』から実に8年振りとなるオリジナル・アルバム『Worship Music』をリリース。同作のツアーは各地で好評を博したが、2013年にRobが脱退を表明、バンドにマサチューセッツのヘヴィ・メタル・バンド、SHADOWS FALLに籍を置くJonathan Donaisが新たにリード・ギタリストとして加わる。そして2016年2月、前作『Worship Music』から4年半振りとなる、通算11枚目のオリジナル・ アルバム『For All Kings』がリリースされた。