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LIVE REPORT

魔法少女になり隊

2017.07.02 @渋谷STAR LOUNGE

秦 理絵

渋谷STAR LOUNGEに足を踏み入れると、パステル・カラーの提灯が天井から吊るされ、お祭りっぽい雰囲気が漂っていた。"魔法少女になりな祭"と題して、魔法少女になり隊が初めて開催した自主企画ライヴ。1日目にはWienners、2日目にはオメでたい頭でなによりを迎えた2デイズのツーマン・ライヴから、ここでは2日目の模様をレポートする。

まず、最初にフロアをもみくちゃにしたのはオメでたい頭でなにより。昨年バンド名を新たにスタートしたばかりの最高にオメでたい5人組ラウドロック・バンドは革ジャンの上に法被を着たお祭り仕様でステージに乗り込んできた。"スターラウンジ! 全員まとめてかかってこいや!"という赤飯(Vo)の叫びを合図に、「あられ雛DANCE!!」からパリピ感全開のダンス・ロックで集まったお客さんの心を一気に鷲掴みにする。フロアを回転寿司サークル・モッシュでぐるぐると回した「wosushi ~ウォールオブ寿司~」のあと、ぽにきんぐだむ(Gt/Vo)が"赤飯がバジルちゃんと同じ呪いにいかかってしまったー!"と切り出して、絵に描いたスライムを赤飯が倒すという茶番を用意する周到さ。そこから「ダルマさんは転ばないっ」の途中で「ラムのラブソング」を挟み込んで、"それ、ましょ隊のやつやー!"とメンバー同士でツッコミを入れたりと、やりたい放題のステージだったが、気づけばラストの「オメでたい頭でなにより」のころには笑顔が会場いっぱいに溢れていた。その光景を前にして"俺が守りたいのはこれだ!"と、赤飯。力任せのパフォーマンスで笑顔を伝染させるエンターテイメント集団は会場をサウナのような熱気で包み込んで、後半をましょ隊に託した。

会場のあまりの暑さにドリンク・カウンターに長蛇の列ができ(お祭り仕様でラムネが用意されていた)、それが落ち着いたころ、魔法少女になり隊の4人がサポート・ベースと共にステージに現れた。派手な柄ものタンクトップ姿のgari(VJ/Vo)を除いて、ウイ・ビトン(Gt)と明治(Gt)は法被を羽織った衣装で、赤いスカートをはいた火寺バジル(Vo)の衣装はなんとなく巫女さんっぽい感じだ。メジャー・デビュー・シングル曲「KI-RA-RI」からライヴはスタート。激しい打ち込みのビートにキラキラとした電子音。バジルのキュートな歌声にgariのシャウトが絡む怒濤のましょ隊サウンドが初っ端からフロアを激しく掻き回していった。VJを擁するバンドの特徴を生かして、スクリーンにはサイケデリックなイメージ映像や歌詞にリンクしたイラストなどを映しながらライヴは進んでいく。

「ハレ晴レユカイ」を皮切りに中盤ではメンバーが大好きなアニソンのカバー・ゾーンへ突入。「おジャ魔女カーニバル!!」ではフロアにダイバーが続出したかと思えば、「ラムのラブソング」では激しいサークル・モッシュが巻き起こる。極めて曲間が短く、矢継ぎ早に投げ掛けられるライヴ・アンセムの数々に会場の熱気はぐんぐん加速していった。

MCでは、gariが初めての自主企画が2デイズともソールド・アウトできたことに感謝を伝えると、魔女の呪いによって喋ることのできないバジルも"2日目、ケガなく楽しんでいこうね!"と書いた画用紙を見せて、フロアの一体感を高めていった。ひときわハードコアなヘドバン曲「狂騒曲ザラキ」から、"わたしは革命起こすの"と決意を込めたポップ・パンク「革命のマスク」、そして瑞々しいメロディ・ラインが印象的な新曲「sayonara fantasy」へと、様々なジャンルを縦断しながら、そこにラウドでキュートなポップ空間を作り上げていった。

デビュー以来、初のラヴ・ソングとしてリリースしたシングル表題曲「ヒメサマスピリッツ」では和テイストの曲調に合わせてバジルがトレードマークの×印がついたセンスをひらひらと翻しながら歌うと、最終盤にきて快速チューン「MEGA DASH」を投下。ラストはウイ・ビトンと明治のツイン・ギターがステージ際まで歩み出てフロアを煽った「BA・BA・BA ばけ~しょん」まで、全12曲のキラー・チューンを怒濤の勢いで畳み掛ける1時間だった。

アンコールでは9月27日に初となるフル・アルバム『魔法少女になり隊~まだ知らぬ勇者たちへ~』をリリースすることを発表すると、いち早くアルバムに収録される新曲「完全無敵のぶっとバスターX」を披露した魔法少女になり隊。ゴリゴリの重低音に乗せてバジルがラップするという新機軸のナンバーは、アルバムの期待感を高めるのに十分な1曲だった。そして、最後はバンドのテーマ・ソングでもある「冒険の書1」での盛大なシンガロングでフィニッシュ。次々に襲い掛かってくるモンスターを倒すのではなく、笑顔にするというハートフルなスクリーン映像とともに、私たちを再び日常という冒険へと送り出してくれた。

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