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LIVE REPORT

Far East Dizain

2017.06.13 @原宿ASTRO HALL

米沢 彰

開演予定時刻をやや過ぎたころ、客電が不意に落ちSEが鳴り始める。勝手に想像していたよりも大人しく、静かにメンバーたちを迎えるオーディエンス。それは彼らの音楽性がそうさせるのか、あるいはこのツアー・ファイナルをしっかりと見届けようということなのか。

『DIZAINERVE』リリース・ツアー・ファイナルの幕開けに彼らが選んだのはオープニング・トラックの「INVISIBLE WOUNDS」。ハイテンションでテクニカルで、でもキャッチーでノリやすい、今の彼らのスタンスを象徴するようなトラック。音源の1曲目ということもあり、待ってましたとばかりに、Keita(Vo)の"ジャンプ"の掛け声で一斉に飛び上がるオーディエンス。ギター・ソロではLeda(Gt)がマシナリーなシーケンスを繰り出し、いきなり正確無比なプレイでボルテージを上げていく。そのまま音源と同じく「Counterfeit Virtue」へと突入する。イントロから圧巻のグルーヴを響かせ、バンドとしてのレベルが格段に上がってることが手に取るように伝わってくる。4人のグルーヴに呼応するように、序盤だというのにフロアも全力でヘッドバンギング。レポートのメモなんてとってる場合か、とか一瞬頭をよぎるが我慢我慢。

3曲目はダンサブルながら妖しさも孕んだ「Illest」。グルーヴを増したプレイはこの曲の持つヘビネスをさらに引き出し、音源とは異なる曲のようにすら感じさせる。続く「I'm a Human Just Like You」ではヘッドバンギングの嵐から、Keitaの"東京飛べー!"の呼び掛けでフロアが揺れるように一体となる。随所に挟まれるドラマー Sujkの手数に思わず見惚れているとそのまま、今日の前半戦のハイライトとなる彼らの代表曲「Cry My Name From The Light」へ。これまでの彼らはライヴを観ていても"個々にレベルが高いプレイヤーの集団"という印象がどうしても拭えなかったが、この高難度の曲で格段に増したグルーヴを生み出し、バンドとしてひとつの完成形へと達したことを証明してみせた。

「Cry My Name From The Light」の余韻のまま、ドラム・ソロが始まる。ラフに見えるのにツーバスの安定感が半端ない。SEをバックに叩く姿はまるで"プレイスルー動画"を贅沢にも生で見てるような気持ちにさせる。これは贅沢。同じギター・リフでも、ドラム・パターンが変わると全然違う曲になっていくということを丁寧に教えてくれているかのような不思議な感覚。ドラム・ソロが明けると『DIZAINERVE』収録の圧巻のトラック「izayoi」へと突入。派手な動きはなくとも、ライヴでこの曲をこのレベルで成立させられることには驚きを禁じ得ない。正直ここまでのレベルで見せてくれると思ってなかった。この次元の演奏をぶっ続けでここまでやる彼らの力量とエネルギーにはもはや唖然とさせられる。ピック弾きと指弾きを使い分けながら8弦の音域をフルに鳴らすLeda。爆上げのリフにつられて、会場のボルテージがどんどんと上がっていく。ベース、ドラム、ギターとフレーズを展開させてからのブレイクダウンはまさに圧巻。音源から予想していた以上のドライヴで、まるで集団催眠にかけるかのような一体感をフロアと共有する。

ライヴでもまるで教則ビデオを見ているかのような丁寧なギター・ソロにはどの曲でも魅入ってしまう。基本に忠実に、1音1音を大切に奏でていく。素晴らしい音源を掲げながら、残念なライヴしかできないパターンは減りつつある良い傾向の近年だが、それにしてもこのLedaのライヴ・パフォーマンスへの姿勢は本当に際立っている。

アンコールは異例とも言えるアコースティック・スタイルで幕を開ける。彼ら自身が語ったとおり、たしかにFar East DizainはほとんどMCをしないバンドだったが、バンドのスタートから2年を迎え、メンバーのこともお互いにわかってきたからこそのアコースティック・スタイル、そして長めのMC。プレイとは裏腹に緩めのトークで会場を沸かせる。バンドとしての一体感が本当に出てきたな、と随所から感じさせる。アコースティックとしては「蜃気楼」、「Super Moon」の2曲を披露。いずれも音源とは違う雰囲気で、聴いている側はまるで、曲を解き明かしていくような、あるいはメロディの素性の良さを明らかにしていくような、そんな機会にすら感じてしまう。

通常のバンド・セットに戻ってからは"さっきミスったからもう1回やりたい"とLedaが語り、予定外の本日2回目となる「Fragments」。だったのに、また同じところでちょっとハラハラさせるSujk。でもそこはご愛敬、とばかりに「Blank Space」、そしてライヴでは定番の「Weight of sins」で締めくくる。

バンドとして2年間を過ごしてきたからできる作品、ライヴ。そんなスタンスがわかりやすく、そして、MCも増え、あたたかみも感じさせるような公演となった。LedaがMCでも語っていたが、それを壁と表現すべきかは別にして、前バンドでのキャリアを共にしたLedaとSujkのふたりと、Keita、Яyu(Ba)の間に当初壁があったのは事実だろう。その意味で、4人がひとつになったことが音源にもライヴ・パフォーマンスにもきれいに表れているのは面白い。

そして、残された最大の課題はKeitaのトーク力。ついでにLedaも。ふたりが淀みなくグッズを説明できる日は来るのか。

[Setlist]
〜OPENING SE〜
1. INVISIBLE WOUNDS
2. Counterfeit Virtue
3. Illest
4. I'm a Human Just Like You
5. Cry My Name From The Light
---- Drum Solo ----
6. izayoi
7. Fragments
8. ZENITH
9. Memorize
10. False
11. Disgracer
12. The War Went On

【EN.1】
13. 蜃気楼 -unplugged-
14. Super Moon -unplugged-
15. Fragments
16. Blank Space
17. Weight of sins
〜END SE〜

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