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LIVE REPORT

Xmas Eileen

2016.06.23 @下北沢LIVEHOLIC

吉羽 さおり

"LIVEHOLIC 1st Anniversary series Vol.14"に登場したのは、Xmas Eileen。翌々日の6月25日には、主催イベント"暁ロックフェス"(渋谷 TSUTAYA O-EAST)の第2回目の開催を控えており、チケットをソールド・アウトさせていたXmas Eileenだが、この日のライヴはその"暁ロックフェス"の番外編として無料招待で行われたスペシャルな一夜だ。会場のLIVEHOLICは抽選で当たったラッキーなオーディエンスの熱気で、開始前からしっとりと汗をかくような状況。活動歴は2年半。未だメンバー名すらも明かされていない仮面のバンドでありながら、イベントに出演すれば入場規制がかかり、スケール・アップしながら各地のライヴ会場を熱狂の渦へと落とし込んでいる現在、キャパシティ180人規模のLIVEHOLICでのステージが観られるのはかなりレアな体験になるだろう。しかも、楽屋から客席を通ってステージへと上がる、このLIVEHOLICならではの密着型の動線もさらにオーディエンスの興奮を誘う。オーディエンスとハイタッチしながら(半ば掴まれるようにして)ステージへと辿り着いたメンバーだったが、まずドラム、ベース(サポート)、ギターに、DJ、ツイン・ヴォーカルとパフォーマーという大所帯は、舞台上に収まるのもひと苦労。ステージの前列に立つツイン・ヴォーカルとパフォーマーの3人は、常時、舞台上からはみ出た3D状態である。メンバーからも思わず、"凄い狭いな"と声が上がり、人口密度が急上昇したステージとフロアとで、酸素を奪い合うような熱いライヴとなった。

今年4月にリリースした2ndミニ・アルバム『WORLD COUNTDOWN』のオープニング曲「Keep on A・B・C・ing」でライヴはスタート。へヴィなバンド・アンサンブルとシーケンスによるアグレッシヴなサウンドと、ツイン・ヴォーカルが繰り広げるメロディ・トラップの応戦に、フロアが爆発する。"そのままいくか。みんなで遊ぼうぜ"と続く「Still a Liar」、「Love the life,you live」と、ダンサブル且つ高く高くジャンプさせるアッパーなサウンドでオーディエンスを揺らしていった。ちなみに、メンバーはみんなお馴染みのトレンチコート(冬物、だそう)。フロアからの熱気と、照明と、パワフルなパフォーマンスと、本人たちいわく"人数多いし、ガタイもいいので"というステージ上で汗だくになってせめぎ合っている姿から、体感温度は凄まじいものになっているのだろうなと思う。それでもお構いなしに、「Calling Rainy Days」と「FATE」という攻撃的なビートでステップを踏ませるダンス・チューンを放ってくる。中盤で披露された『WORLD COUNTDOWN』収録のバラード曲「Darling」は、暴れまくって身体から湯気を立ち上らせるオーディエンスが気持ちよくクール・ダウンできるようなパートとなり、メロウなメロディと、瑞々しく高揚感のあるバンド・サウンドが会場に満ちていった。重厚なラウドロック感とクラブ・ミュージックの機能性、その間を縦横無尽に縫っていく柔軟で自由で、且つノリのいい遊びの発想力もあるこのバンドの空気感は、90年代オルタナやミクスチャーの匂いと刺激がある。その時代を経験した者にとっては、青春時代の郷愁感もありつつ、音の面ではアップデートを繰り返しながら新しく、面白く、ポップなアイテムも貪欲に増やしているのも痛快だったりする。急速にライヴの動員やリピーターを増やしているのも、いろいろなロックのDNAが混じり合って曲ごとにいろいろな顔を見せてくれる面白さゆえだろう。中盤の1stミニ・アルバム『SORRY WHO AM I ?』収録の「Don't say good-bye」や『WORLD COUNTDOWN』収録の「And be My Friend」などのキャッチーさは、J-POPシーンでも十分に暴れまわれそうであるし、コール&レスポンスを巻き起こす「No justice in this world」の多国籍な音のエッセンスが混じったハイブリッドなアドレナリン・サウンドは、ライヴで圧倒的な肉弾戦を巻き起こす。熱気に朦朧としていたのもあったのか、後半には"ラスト1曲......あれ、違ったっけ?"というシーンもあったが、「Walk the Talk」から「Kiss me Kill me tonight」へと馬力たっぷりに興奮の頂点に駆け上がっていくステージは最高だった。後日行われた"暁ロックフェス"では、8月31日に1stフル・アルバム『ONLY THE BEGINNING』でメジャー・デビューすることをアナウンスしたXmas Eileen。始まりの跳躍となるようなこのステージは、LIVEHOLICの1周年記念にもぴったりだった。

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