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LIVE REPORT

京都大作戦2016【1日目】

2016.07.02 @京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ

KAORU

いよいよ今年もこの季節がやってきた! 若い世代から大御所までジャンルを超えた様々なアーティストが出演し、夏の風物詩として定着している10-FEET主催の"京都大作戦"が今年も開催された。9周年を迎えたことにかけ、"~吸収年!栄養満点!音のお野祭!~"と題し、2日間で延べ4万人を動員した熱狂の宴をレポートしていく。

京都大作戦といえば、まるでお約束と言っていいほど天候に恵まれないことが多かったと聞いていたのだが、今年は2日間を通して奇跡的な大晴天に恵まれた。

会場に到着すると、午前10時40分からラジオ体操の音楽が流れる。初日はオーディエンス側、2日目はバックヤード側でその光景を見ていたのだが、"君は小学生か!"とツッコミを入れたくなるほど"ラジオ体操なんてイヤイヤやってないとダサい"的な表情を浮かべて小振りにやっている人と、"長時間に及ぶ過酷なフェスを乗り切るためにちゃんとやっておこう!"と、気合いを入れてやっている人が入り交じっている光景が面白かった。演者を含めスタッフや関係者も体操する暇なんてないくらい忙しいのに、それでもちゃんと参加しようという心意気が素晴らしいではないか。

ほどなくしてスクリーンには"開幕"の2文字が現れる。

源氏ノ舞台:Fear, and Loathing in Las Vegas
広大な源氏ノ舞台のトップ・バッターを務めたのは、Fear, and Loathing in Las Vegasだ。「Acceleration」からスタートし、"声出そうぜー!"というSo(Clean Vo/Prog)の声を皮切りに全力のパフォーマンスを繰り広げていく。夏にぴったりのナンバー「Jump Around」ではバンドとオーディエンスが一体となって高くジャンプし、その波が後方までどんどん伝わっていく様は痛快そのもの。「Rave-up Tonight」と「Party Boys」ではさらに力の入った演奏と独特のダンスで熱量を上げていき、モッシュやサークルでもない独特の振りでキッズを一体にしていく。"呼んでいただいて本当にありがとうございます! 京都大作戦はいつも雨が降ってると聞いてたんですが、めちゃめちゃ晴れとるやんけー!"と言うSxun(Gt)は満面の笑顔。"10-FEETとは2月にツアーに呼んでもらってから距離が縮まった。もしかしたら京都大作戦に出させてもらえるかな? と思って、7月は空いてるんですよね~とアピールしたら本当に呼んでもらえました!"と喜びを伝え、さらに"俺らは1年生だから牛若ノ舞台だと思ってたのに源氏ノ舞台で、しかもトップ・バッターって、サプライズが過ぎるやろ!"とコメント。そんな10-FEETのメンバーの期待に応えるがごとく激烈ヘヴィ・チューン「Virtue and Vice」を迫力たっぷりにプレイし、ラストに披露されたキラー・チューン「Love at First Sight」ではダイバー続出の狂乱を繰り広げた。

源氏ノ舞台:04 Limited Sazabys
昨年の牛若ノ舞台から源氏ノ舞台へ抜擢された04 Limited Sazabysはサウンド・チェックの時点で2曲ほど披露し、早くもツーステップをするキッズが続出。本番さながらに観衆をあたためていき、SEにBOWLING FOR SOUPの「1985」が流れる中、GEN(Ba/Vo)が"準備できてますか!?"と威勢よく声を出し、「monolith」からスタートすると大量のダイバーが。6月にリリースされたばかりの新曲「cubic」はダイナミックな展開を織り成す新基軸を打ち出したナンバーだが、彼らの確かな演奏力がいかんなく発揮された印象的な場面だった。"憧れが詰まった京都大作戦に最高の形で帰ってくることができました。身体いっぱい栄養を吸収して楽しんでいきましょう。今日はいいライヴができる気しかしないです"と、嬉しさを素直に言葉に表し、さらには彼らが主催する"YON FES"に10-FEETのTAKUMA(Vo/Gt)が遊びにきてくれ、いろいろな感想を言ってくれたというエピソードも語られた。エモーショナルで疾走感溢れるナンバーを立て続けに披露し、いい意味であどけなさと純粋さ、バンドとしてのフォーリミの進化を実感する印象的なライヴだった。

源氏ノ舞台:MONOEYES
昨年の夏から始動した細美武士(Vo/Gt)によるプロジェクト、MONOEYES。ステージ下手側にドラムがあり、全体的にメンバー間の距離をグッと近くにとっているセットだ。映画"スター・ウォーズ"の壮大なオープニング・テーマに乗って登場し、"熱中症に気をつけろよ! 生き残ろうぜ!"という細美の第一声とともに「My Instant Song」からスタート。澄み渡った青空と爽やかなサウンドが溶け合い、細美とScott Murphy(Ba/Cho)による絶妙なハモりのコーラスも美しく響き渡る。シンプルながらもハッとさせられる求心力を持つ至極のメロディとタイトな演奏によって、オーディエンスの心をどんどん掴んでいくのが目に見えるように伝わってきた。「Like We've Never Lost」ではScottがベースを高く持ち上げてぐるぐる回るというパフォーマンスを披露し、戸高賢史(Gt)の身体を折り畳むような激しいステージング、一瀬正和(Dr)のタイトで骨太なリズムが融合してどんどん熱量を高めていった。MCでは"京都のことをもっとよく知りたくなったよ。昨日普通のTシャツ着てパチンコ屋に行ったら刺青の人は帰ってくださいって言われて追い出されて、あぁ京都は治安のいい街なんだろうなと思ったり、そういう街こそ影ではいろんな悪いことも起こってるんだろうなと思ったり、そういうところも見てみたいなとか思ったり"と京都という街への思いから始まり、10-FEETと知り合ったのは千葉LOOKで、自分のCDをわざわざTOWER RECORDSで買ってTAKUMAに渡したらあまり相手にされなかったけど、そこから深く付き合っていったというエピソードが語られた。Scottがリード・ヴォーカルを取るALLiSTERのカヴァー「Somewhere On Fullerton」は一度ミスしてやり直すという少し危なっかしいところもあったが、それぞれがベテランのアーティストなだけに意外な一面を見たというレア感を楽しめたし、ラストの「Remember Me」まで骨太且つエモーショナルなサウンドがときめきを誘う全9曲を披露した。

源氏ノ舞台:ROTTENGRAFFTY
フェスにおいてはサウンド・チェックで観客の心を掴むことも時には大事だということを心得ているバンドが多いが、ROTTENGRAFFTYは10-FEETの「その向こうへ」のカバーを1コーラスだけプレイするというニクい演出で早くも観客の心を鷲掴みにしていた。本編前にロットンのタオルを高く掲げている人もとても多く、その人気がいかに高いかということを証明している。"瞬間を生き延びろ! 俺たちが京都のROTTENGRAFFTY!"というN∀OKI(Vo)の声とともに、ヘヴィ・チューン「世界の終わり」で幕を開け、ド迫力のブレイクダウンが響き渡るとウォール・オブ・デスの嵐が巻き起こり、サークル・モッシュやダイバーもそこかしこに出現する。3曲目には待望の新曲「So...Start」が披露され、攻めに攻めた前半戦。そして「響く都」ではロットン流の祭囃子に合わせ、N∀OKIの扇動によってオーディエンスが一体となり、大きなコール&レスポンスが轟いた。ダンサブルなサマー・チューン「D.A.N.C.E.」ではNOBUYA(Vo)のクールなヴォーカルが際立つ。さらに、観客を一旦座らせてから一斉にジャンプさせてテンションをMAXまで持っていった。「This World」では侑威地(Ba)とHIROSHI(Dr)のリズム隊がストイックに刻むビートが重く響き、KAZUOMI(Gt/Prog)はギターを置いてオーディエンスの中に飛び込み、彼らに支えられながら拳を上げ、ラストの「金色グラフティー」ではN∀OKIまでも堪えきれない気持ちを爆発させるかのように客席に飛び込むという白熱っぷり。そのテンション感とキッズ心を忘れない衝動的な感情がダイレクトに伝わる、熱演という言葉が相応しい凄味のあるステージだった。

源氏ノ舞台:Ken Yokoyama
この日出演していた東京スカパラダイスオーケストラのライヴにも参加していたKen Yokoyama。SEもない中、颯爽と登場し、京都大作戦の9周年を祝う言葉に加え、"今年3月の武道館公演と同じ1曲目をやります!"と「Maybe Maybe」からスタートした。もう一発目の音からパワーの格の違いを感じて鳥肌が立ってしまったし、ダイバーの数も半端じゃない。立て続けにパンク・ロック・ナンバーをプレイし、"そこの一番右の子のTシャツとかめんこいずらね~"とお客さんをイジるなど、飾らないMCで沸かせながら"今日はTシャツの物販持ってきませんでした~。欲しかったらKenバンドのライヴに来てね。フェスってTシャツがメインじゃないでしょ? 俺もAC/DCのTシャツだったら2時間くらい並んで買うけど(笑)"と、キッズ心に対する寛容さを見せながら"(東日本大)震災後から日本国旗を掲げながらライヴをやってるんだけど、おかしいかな? なんか右翼みたい? どう捉えられてもいいんだけど、フランスの国旗を掲げてる人も今日いるしね!"と言うと、実際にフランスの国旗を持ったファンがビジョンに映され、拍手が起こる。"どこの国でもいいから国旗振ってくれよ。こういうことしてると日本の優位性というか、日本民族優れてるアピールみたいに使われるけど、こんなもんにそんな大した意味ないんだよ。そうだろ? あとからKenバンドのライヴって右翼みたいって言われても別にいいじゃねーか! 好きなこと言えよ! 京都大好きだぜ! 日本大好きだぜ! 10-FEETが作ってくれたこういう場所をみんなで守るんだよ! いいかい?"と、思わず全文をメモせずにはいられなかったMCに大きな拍手が起こる。そんなKenの思いが込められた「This Is Your Land」がプレイされ、お客さんが上げていた拳のひとつひとつに、より一層大きな力が加わったような硬さを感じた。"深いこと考えないで、答えは自分の中にあるんだからそれに従えばいいんずらよ~"というMCに凝縮されたように、Ken Yokoyamaの掲げた国旗に履き違えたナショナリズムなんてものを感じた人はひとりもいなかったのではないかと思う。"俺はち●こ、ま●こと同じ温度で日本のことを考える"、"フェスでしか盛り上がらないバンドなんてクソだ!"と言い放ち、「A Beautiful Song」と「Pressure Drop」を全力でプレイし、緊迫感から解き放たれたオーディエンスとぶつかり合うような熱演を繰り広げた。

源氏ノ舞台:10-FEET
京都大作戦はいつも曇りか雨というジンクスが破られ、灼熱の中で行われた数々のライヴの大トリを飾るのは、もちろん主催の10-FEETだ。源氏ノ舞台の一番後方まで広がるオーディエンスの隅から隅まで10-FEETタオルを掲げる人で埋め尽くされているという絶景が広がる中、"ドラゴンクエストIII そして伝説へ..."の荘厳なSEに乗ってメンバーが登場し、KOUICHI(Dr/Cho)のドラム・セットの前で3人の手が重なる。バックヤードの飲食エリア付近には必ずメンバーの誰かがいてバンドマンや関係者と談笑している姿があり、あぁ本当に愛のあるバンドだなと感動していたのだが、そのぶん休んでいないということなのでメンバーの顔には若干の疲れを感じるが、大歓声に迎えられ奮い立ったように「goes on」からスタートした。狭い場所で必死にツーステップを踏んだりジャンプしたり、巨大な円が広がって命をぶつけ合うようなウォール・オブ・デスには圧巻のひと言。音よりも気持ちが走り気味なところも含めて最高だった「4REST」、"鞍馬ノ間"で3on3トーナメント"京都大作戦杯2016"を行っていた大阪籠球会がTAKUMAに呼び込まれ、「super stomper」でバスケットボールを使ったパフォーマンスを見せてくれた前半戦が終わると、声を枯らしたTAKUMAが"みんな楽しんでくれてたらいいな! なるべくみんなに嫌なことがなかったらいいなってそう思います。100パーセント楽しめてたらいいなと思います"というMCに大きな拍手が起こる。「Freedom」ではNAOKI(Ba/Vo)のブリブリなベース節が炸裂し、"久々の曲をやります。知らない人は新曲だと思ってください"というMCのあと、「nil?」のイントロが鳴ると歓喜の声がそこかしこから上がり、軽快なプレイとKOUICHI、NAOKIのコーラスのハモりに合わせ合唱が起きる。そのままスーパー・アンセム「1sec.」へとなだれ込み、サークル・モッシュの足踏みがどんどん速くなって怒涛のような一体感を生んだ。"いろいろあるな。お前らもいろいろあるのかコラァ! 絶対負けんなよ! あぁチキショーめんどくせぇ! きっとこの京都大作戦が楽しいと思える理由のひとつに、俺やお前らの過去の悲しいことが今日の楽しさを生んでくれてるはずや! 諦めずに死ななかったから、運よく生きれたから今日があります!"という、万感の思いが込められたMCから"これから待っている悲しみを~"と、そのまま「アンテナラスト」の歌に落とし込み、不器用で素直な感情が伝わり愛しく響く。京都大作戦定番の"宇治川バージョン"の「RIVER」で大団円を迎えるも、鳴り止まないアンコールの声にすぐに応えてくれたメンバー。KOUICHIがヴォーカル、NAOKIがギター、TAKUMAがドラムという構成で、藤井フミヤの「TRUE LOVE」がプレイされたのだが、そのカラオケ感があまりにもおかしくて、KOUICHIがお客さんに歌わすだけ歌わすという余興にどっと笑いが起きる。「その向こうへ」ではROTTENGRAFFTYのNOBUYAとN∀OKIが参加し、ラストの「風」を情感豊かに演奏したあと、"諦めへんかったから今日があるんや! 手遅れなんてひとつもねぇよ!"という力強いメッセージを残してステージを去っていった。

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