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LIVE REPORT

ROOKiEZ is PUNK'D

2016.03.26 @台北THE WALL

Writer 山本 真由

"台湾のロック・シーン"というと未知の領域のようだが、過去には、FACTやSPYAIRなど、日本のバンドも数多く出演している台湾最大級のロック・フェス"Rock In Taichung Festival"と聞くと、ご存じの方も多いのではないか。同フェスを始め、レーベルやライヴハウスの運営も行っている"No Fear"が、今最も注目している日本のバンドのひとつが、ポップ・パンクやラップコアなどのアゲアゲなパーティー・ロックから、ロック・バラードまでこなす器用さを持ったラウドロック・バンド、ROOKiEZ is PUNK'Dだ。
ということで、数々のメンバー・チェンジなどの苦難を乗り越えつつも、人気アニメのタイアップもあり、ロック・ファンだけでなく、幅広いファン層から支持を得ている彼らが、10周年に相応しい台湾という新たなステージに立った模様をレポートしよう。

台湾のファンからも熱烈に歓迎されて登場したメンバー。まずは、メロディアスでありながら骨太のラウドロック「IN MY WORLD」で幕開け。会場を埋めるファンは、ライヴの冒頭から超ハイテンションでノリノリ。女性ファンも多く、コール&レスポンスにも大合唱で応える。その圧巻の一体感は、日本でのライヴに負けず劣らずといった勢いだ。続く「Evil messenger」、「ZERO SATISFACTION」でもヘヴィなサウンドを叩きつける!
中国語と英語を使ったオーディエンスとのコミュニケーションも、なかなか自然で自信たっぷり。こういった、壁を感じさせないライヴの組み立て方も、幾多のライヴ・キャリアを積んできたバンドのなせる業だろう。ただ、この日のオーディエンスは、日本語のわかるファンが多かったらしく、この日のために中国語を一生懸命勉強してきたというSHiNNOSUKE(Vo/Gt)は、驚き(と同時にちょっとホッとした感じ)を隠せないようだった。そして、アッパーで迫力のある"ザ・ROOKiEZ is PUNK'D"ともいえる楽曲「リマインド」では、イントロから大歓声! それもそのはず、この曲が主題歌となっていたTVアニメ"弱虫ペダル"は台湾でも大人気らしい。アニメやロックというカルチャーを通して、日本の文化に魅力を感じてくれる若者たちが、台湾にも数多くいるのだということをリアルに感じられた瞬間だった。ダンサブルでスピード感のあるお祭りソング「JagerBomb」、エモーショナルで力強いメッセージを持った「I'm who I am」や「Breathing」といった、強力なセットリストで最高潮に達するほど盛り上げていく。そして語られた、SHiNNOSUKEと台湾の意外な関係。なんと彼の祖父が以前台湾に住んでいたという。オーディエンスとの距離がさらに縮み、親しみが増したところで、「DROP」をじっくりと歌い上げる。気持ちが先走ったためか、同期がうまく合わない部分もあったけれど、そんな細かいところは会場の熱気に溶けてしまった。さらに、小洒落たグルーヴと洗練されたラップで躍らせる「manhattan」と「BUMP ON da STYLE」、そしてチャラさ全開のパーティー・ロック「eggmate of the year」で完全ハッピー・モードに。長丁場にもかかわらず、どんどん力がこもっていく演奏とキレが増していくヴォーカル。「リクライム」では文句なしの大合唱! 最後に、再び台湾に帰ってくることを約束して、「コンプリケイション」で感動的なラストを飾った。アンコールは、ROOKiEZ is PUNK'Dの初期衝動が詰まった「ブチアゲミクスチャア」、そしてポジティヴなパワーが凝縮した「リアライズ」という激アツな流れで、駆け抜けるように最高の時間は幕を閉じた。

今回は、初の台湾公演でありながら、ワンマン・ライヴということで、バンドにとっては緊張感もあったかもしれないが、台湾のロック・シーンを熟知した"No Fear"が主催ということもあり、非常にアットホームで大盛況、そして国境を越えたバンドとファンの心の交流という貴重な一夜となった。


No Fear LIVE INFORMATION

2016.5.14-15
No Fear presents TGS LIVE 2016 -TAIPEI & HONGKONG- Supported by @JAM

2016.7.9-10
Back-on PACK OF THE FUTURE TOUR -TAIPEI & HONGKONG-

2016.8.27-28
2016 NO FEAR FESTIVAL

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