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LIVE REPORT

AA= "SETAGAYA TOUR 2015 -COMPRESSOR!!!!!-" +20dBDAY_ Compress AA=

2015.06.06 @下北沢SHELTER

藤崎 実

上田剛士のソロ・プロジェクト AA=。約1年半ぶりとなるツアー"SETAGAYA TOUR 2015-COMPRESSOR!!!!!-"の2日目である"+20dB DAY"をレポート。会場である下北沢SHELTERは、初日に続きソールド・アウト。開演前のフロアは、すでに身動き取れないレベルにギッチリと埋め尽くされていた。筆者はTHE MAD CAPSULE MARKETSを含め、上田剛士のライヴはそれこそ2桁は観ているが、このレベルのライヴハウスは初めての経験であり、否が応にも期待値は上がる。

客電が落とされSEが流れ始めると、我慢できずにステップを踏み始める人や、お手製であろうフラッグを揚げる猛者もいた。ステージにメンバーが登場。歪みまくったディストーション・サウンドがフロアを揺らし始め、AA=を最も体言しているともいえる代表曲「PEACE!!!」からライヴ・スタート。盛り上がらないわけがない。フロア全体にピース・サインが上がる。ライヴの掴みとしては完璧である。"いけるか? 世田谷!!"と上田が煽ると大歓声で呼応するオーディエンス。続く「LOSER」では早くもダイバーが続出し、この瞬間から完全にハード・コアのライヴと化すフロア。この日のオーディエンスはコール・アンド・レスポンスも完璧で、笑顔の上田が"ちょっと痛い"といった独特の言い回しでの賛美を贈っていたのも微笑ましい光景だった。現時点での最新作である『#4』からの楽曲も立て続けに披露される。怒りや憤りが全開であった『#3』への反動もあってか、『#4』という作品は、どこか上田剛士の美学やインテリジェンスを前面に押し出した作品であった。しかし、その楽曲に内包されていた攻撃性が、この日のライヴではゴリゴリのヘヴィ・サウンドとアグレッションにより完全に開放されていたのは、世田谷3DAYSツアーならではと言えるのではないだろうか。

曲によってはベースを持たずに、シーケンサーやシンセサイザーを操る上田の姿ももはや堂に入っている。THE MAD CAPSULE MARKETS初期のころからサンプラーを使うなど、人力とマシーンの融合を実験的に行い、テクノやドラムン・ベース等、その時代に合ったテクノロジーを駆使した音楽作品を制作し、常にスキルアップをしてきた上田剛士。決してデジタル・サウンド一辺倒にはならずに、息遣いを感じさせるオーガニックな部分や、若くから持ち得ていたパンクスとしての魂や熱を独自変換し表現できるということが彼の待つ武器のひとつなのだが、AA=ではそのすべての素材や様々な感情や要素が自然に楽曲へと反映され高次元で融合し、まるでひとつの魂のように激しく躍動をしている。

"全ての創造は平等である"。上田がAA=というバンド名の意味を語る。この日集まったAA=ファンはその言葉に真剣に耳を傾ける。しかし、熱い......そして、とても暑い! 開演から間違いなく5℃は温度は上がっている。まだまだと言わんばかりに"暴れる準備はいいですか?"とオーディエンスを煽る。「GREED...」がプレイされると、フロアはモッシュで応え、その熱量はさらにボルテージを上げていく。エッジの効いたメタリックで攻撃的なギター・リフを弾き、暴れるオーディエンスと笑顔でアイ・コンタクトをする児島実も満足そうだ。『#2』からの楽曲「4 leaf clover」「TEKNOT」と続き、金子ノブアキのドラム・プレイと打ち込みの相性の良さに改めて気づく。双方のリズムを打ち消し合うことなく、相乗効果で生み出されるダイナミックなダンス・ビートは実に爽快で気持ちがいい。上田曰く"殺りにいくセットリスト"の締めを飾る楽曲「FREEDOM」。フロアの圧縮率はこの日最高の極限状態、カオスと化す。本日のテーマは"Compress AA="。文字通り、正に圧縮!!

AA=のデビュー・ライヴも体感している自分であるが、当時に比べるとバンド感が確実に増している印象を受けた。丁寧に音源をライヴで再現するのではなく、AA=のメンバーそれぞれのフィルターを通すことによって、何倍にも強力さを増したサウンドが弾き出される。AA=は、ミクスチャーやデジタル・ハードコアといった過去の枠組みを越えたオリジネーターとして成長し、現在進行形の終わりなき進化の途中であると確信できたライヴだった。

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