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LIVE REPORT

KNOTFEST JAPAN 2014 -DAY1-

2014.11.15 @幕張メッセ

LIMP BIZKIT
開演前から大きな"LIMPBIZKIT!!"コールが会場に木霊するほど、オーディエンスの期待値が相当に高かったLIMP BIZKIT。メンバーがステージに登場すると、ここまでで今日1番の歓声が沸き起こった。"ドモアリガト! マザファッカー!"
フロントマンFred Durst(Vo)の一声と共に「Thieves」でショウはスタート。曲中でMETALLICAの「Master Of Puppets」のリフをかますなど、ヘヴィ・ロックの祭典に相応しい煽りもあって、客席の盛り上がりは早くも沸点に達した。
続く「Hot Dog」で、はち切れんばかりの客席を縦に揺らす。バンドが放つ爆音に負けないくらいの大合唱が発生したのは「My Generation」だ。そして「Bring It Black」からの「Rollin'」の流れで2度目の爆発。そこから「My Way」と、まさに"Best Of LIMP BIZKIT"とも言うべきアンセムのオンパレードである。
ただし、ここはLIMPBIZKIT。悪ノリしない訳などなく、曲中のフレーズを引き伸ばして執拗に焦らしてみたり、突如GUNS N' ROSESの「Welcome To The Jungle」のカバーを始めたり、楽器隊がRAGE AGAINST THE MACHINEの「Bombtrack」のイントロを演奏したかと思えばFredが悪態ついて終わるなど(苦笑)、今回もまたハチャメチャにやってくれていた。まるで前戯の長いセックスのようであったが、これぞリンプ流の極上のエンターテイメント・ロック・ショウと言えよう。
ブレイクの引き金になった「Faith」「Take A Look Around」を熱演し、ラストは「Break Stuff」。そういえばこの曲、KORNのジョナサンがMVにゲスト出演していたよなぁ。結成から数えれば、もう20年。今回のセットリストはとりわけ初期ナンバーばかりであった印象だが、当時のアンセムたちが今なお現役で鳴らされている目の前の光景に、思わず胸が熱くなった。リンプよ、生涯現役であれ!(MAY-E)

【SET LIST】
Thieves
Hot Dog
My Generation
Livin' It Up
Bring It Back
Rollin'
My Way
Faith
Take A Look Around
Break Stuff


SLIPKNOT
いよいよ、KNOTFESTの主催者、真打ちのSLIPKNOTの登場だ。今回の来日では、ドラマーのJoeyの解雇(脱退?)の詳細や、代打のドラマーの詳細も明らかにされず、Paulの代わりに弾くベーシストが誰なのかも明かされていないという、少しモヤっとした状況下ではある。しかし、新作『.5: The Gray Chapter』は、オリコンのウィークリー・チャート1位を獲得し、まだまだSLIPKNOTに対するファンの期待は薄れていないということがセールスにも繁栄されているし、このKNOTFESTのチケットは2日間ソールド・アウトしている。期待と不安が入り混じる中、SEが鳴り響く。筆者の観ている場所からは、幕が開く前の瞬間、メンバーが軽いストレッチをしている光景が見えたのだが、それだけで気合の入り具合が伝わってきた。
1曲目は新作『.5: The Gray Chapter』のオープニングでもある「XIX」~「Sarcastrophe」!Coreyのマスクはクリーチャーのようでさらに不気味になっており、パーカッションのふたりは左右対称に配置され、そのステージがクレーンのように上昇するというド派手なオープニングだ。謎のドラマーは豪速のブラストビートを紡ぎ、ド迫力の演奏で、Joey不在というせつなさと不安を一気に吹き飛ばしてくれた。そして、Coreyから"if you're 555"と発せられ、すぐに"then I'm 666!"と、コールアンドレスポンスが起きる。そう、SLIPKNOTのライヴでは欠かせないハイライト、「The Heretic Anthem」だ!もうフロアはぐっちゃぐちゃ! ヘドバンとダイヴの嵐! さらに予想外の「My Plague」が立て続けにプレイされ、熱狂の渦はどんどん上昇していく。
MCではCoreyが"ドーモアリガトー""コンニチハトーキョー""スリップノットデース"と、へヴィなサウンドとギャップのあり過ぎるかわいい日本語で挨拶し、先ほどの緊張感のある場面から一転し、フロアからもたくさんの笑顔があふれた。
そして、「The Devil In I」、原曲よりもかなり速いアレンジの「Psychosocial」がプレイされ、鼓笛隊のようなパーカッションとスクラッチが炸裂する。この曲はSLIPKNOTの中ではそこまで激しい曲ではないが、9人という大人数のメンバーひとりひとりが同じ比率で楽曲の中で見せどころを持つ曲のひとつだ。
2回目のMCでは、アメリカ以外でKNOTFESTを開催するのは初めてだが、とても国際的なフェスになった、すべてのバンドとお客さんへの感謝しているという旨がゆっくりとした英語で述べられる。本国アメリカの次はヨーロッパというのが定番であるはずだが、日本で先に開催してくれたことはとても嬉しい。
ここからの中盤は、初期のSLIPKNOTを彷彿させる「The Negative One」、「Eeyore」、「Liberate」と、怒涛のエクストリームサウンドで畳み掛ける。しばしの間のあと、「Frail Limb Nursery/Purity」で、暗黒の重低音を響かせる。
Coreyの要望で照明が明るくなったあと、"トーキョードーモアリガトー!"と明るいMCが入り、グルーヴィなロックンロール・ナンバー「Before I Forget」、「Duality」、「Left Behind」が披露され、大合唱が沸き起こる。この起承転結の付け方もさすがだ。しかし、こういう歌ものの曲になると、個人的に少し気になったのが、STONE SOURで聴かせるCoreyの歌いかたとの差だ。音楽性も違うし、バンドの趣旨も違うのだから当然かもしれないが、もっとメロディをしっかり丁寧に聴かせるような歌いかたをするのかと思った。しかし、わりとあっさりと歌っている。OZZFESTでSLIPKNOTとSTONE SOURが同時来日した際も同じことを思ったのだが、SLIPKNOTのヴォーカルは早口でスクリームするものが多いし、そもそも90分のセットリストをこなすのはとてつもなく大変なことだ。Coreyの中ではきっぱり分けて考えているのだろうし、全力のパフォーマンスだということもよくわかる。ただ、決して良い悪いということではないのだが、ヴォーカリスト、Corey Taylorの魅力を両方のバンドで知っていると、少し考えさせられたファンもいたのではないだろうか。どちらもすごいということには変わりないのだが。
「Spit It Out」では、オーディエンスを全員座らせて一気にジャンプさせるという定番の演出で幕張メッセ全体が大きく揺れ、「Custer」で本編は終了。しかしアンコールの声が鳴り止まず、「(sic)」、「People=Shit」、そして「Surfacing」ではパイロもふんだんに焚かれ、ド派手にKNOTFESTの初日を締めくくった。これぞモンスター・バンドSLIPKNOT! 明日も最高のライヴになりそうだ。(KAORU)

【SET LIST】
XIX / Sarcastrophe
The Heretic Anthem
My Plague
The Devil in I
Psychosocial
The Negative One
Eeyore
Liberate
Frail Limb Nursery / Purity
Before I Forget
Duality
Left Behind
Spit It Out
Custer

-ENCORE-
(sic)
People=Shit
SURFACINGSurfacing