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LIVE REPORT

京都大作戦2014 【1日目】

2014.07.05 @山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ

Writer 山本 真由

夏の始まりを告げる風物詩、京都大作戦。例年疑問の余地のない激アツなブッキングと、キッズにやさしいチケット&グッズの価格設定、随所に見られるエコでピースフルな精神、そして何よりも音楽を目一杯楽しもうという10-FEETの心意気が詰まった2日間。関西のキッズのみならず、全国の音楽好きが"1度は行ってみたいフェス"に挙げる、音楽バカの音楽バカによる音楽バカのためのロック・フェスティバルだ。関東在住の筆者は、実は今年が初参戦!一体どんな興奮と感動が待っているのか......期待度MAXで早朝の東京駅を新幹線で出発した。

余談だが、京都大作戦に行ったことのない遠方のキッズのために。会場までの道のりは、京都駅からいくつかのルートがあるが小1時間をみておこう。さらに、開演前は入場が混雑するので、1時間以上みておくと安心だ。ちなみに、私はバスを使わずに宇治駅からの徒歩1.8kmのルートを選択。宇治駅からの道のりは、案内の看板があって記念撮影をしている人がいたり、京都大作戦を応援している商店もたくさんあるので、道中もフェス気分を味わうことができる。結構な距離だと思っていたが、楽しんで向かうことができたので、特に初参戦の方にはこの徒歩ルートをおススメしたい。

RIZE
朝から会場に詰めかけた大勢のキッズのカウント・ダウンとともに、盛大に京都大作戦2014の1 日目がスタート。そして、初日のトップ・バッターはなんとRIZE!あまり朝っぽいイメージがなかったので意外だったが、いきなり「Get the Mic」「Why I'm Me」でギア全開!日本のラウドロック・シーンを牽引し続けてきたライヴ・バンドの堂々たる演奏に、スタンディング・エリアもシート・エリアも一気に熱が上がる。この日のRIZEの気合いの入りっぷりとサービス精神は凄く、なんと前の方で盛り上がっていたオーディエンスの中の1人を"黄色いTシャツのやつ"と指名してステージに上げ、歌わせるというサプライズも。そして驚いたことに、その彼はかなり日頃から歌いこんでいるようで、ノリノリで1曲歌いきったという......これには横にいたKenKenもビックリ、しかもJESSEはステージを彼に任せてモッシュ・ピットにダイヴするというカオスな状況に!お祭りならではの貴重な光景に、オーディエンスは盛り上がり、改めてRIZEというバンドの"いつまでもやんちゃなルーキー精神"を見せつけられることとなった。

HAWAIIAN6
朝から不穏な空模様だったが、昼には雨が本降りに。雨の中泥だらけでのモッシュというのもまた野外フェスならではの醍醐味......と言わんばかりにメイン・ステージ"源氏ノ舞台"には多くのキッズが押し寄せた。お目当てはもちろん、意外にも今回が京都大作戦初出演というHAWAIIAN6!心に沁み入る哀愁メロディと走り続けるドラム、情熱的なヴォーカルは、国産パンクの至宝!スタンディング・エリアで泥にまみれるのもいとわないキッズたちの熱気に背中を押され、精一杯のパフォーマンスで答えるバンドは、どこまでもマイペースだ。"今日はライヴハウスと変わらないルールで遊んでいいと言われている"。まさしく京都大作戦らしいポリシーを体現した彼らの、フェスの大舞台でもライヴハウスと変わらぬ、3ピース体制が作り上げる最小限の美学が輝く。"もし雨が止んだら奇跡だね、って言おうと思ったけど......"というMCの後に披露された名曲「MAGIC」は、雨の中でもモッシュ・ピットでの信頼と友情を得たキッズの心に虹を見せることが出来たはず。そして誰もが平等に音楽を楽しむことを望む彼らは、今この幸せな時間を噛みしめながらも、東北の被災地へと思いを馳せ、またこのステージへ帰ってくることを誓った。

coldrain
そして、この日のメンツの中では一際重厚なサウンドで異彩を放っていた、coldrain。いきなりの「The Revelation」で、Masato(Vo)の雄叫びが響き渡る!ヘヴィなパートもメロディアスなパートも安定のクオリティで仕上げてくるのはさすが!このバンドは、本当にライヴのたびにどんどんスケール・アップしているから、いつ観てもワクワクさせられる。MCでは、"3つの約束をしてほしい"と呼びかけた。"まず1つは、周りは仲間しかいないから助け合って最後まで楽しもう!2つ目は、絶対ケガはしないように!骨折だけはするなよ!そして3つ目は、イカレてくれ!イカレ狂ってくれ!!"そして、最新作『Until The End』収録の「Aware And Awake」へ。SugiとY.K.Cの2本のギターが生み出す、破壊力を持ちながらも繊細なリフとメロディは、狭い世界に収まりきらない激的なサウンドを作り上げる。"ここはDownload Festivalか?"と錯覚してしまうくらい、彼らのパフォーマンスは大陸級のものだった。ラストは初期の代表曲「Final destination」。新旧織り交ぜたセットは、楽曲もバンドと共に成長を遂げている証。この先も彼らの音楽が、どのような広がりを見せてくれるのか、楽しみだ。

dustbox
すっかり雨も上がり、昼までとは打って変わって炎天下の夏フェスらしい日差しの中、一段と人口密度が増した源氏ノ舞台に登場したのは、京都大作戦の常連、dustbox。15周年のアニバーサリー・ライヴを控え、気合十分のバンドが1発目に披露したのは、最新アルバム『Care Package』から「Riot」!もちろん、テッパンの名曲「Break Through」では、あちこちにサークル・ピットが出来て、盛り上がりの渦はどんどん拡大していく。まさしく、メロコア・キッズたちの大好物、ど真ん中サウンドを提供するこのバンドは、ある意味京都大作戦の第2の主役(ASIAN KUNG-FU GENERATION主催のNANO-MUGEN FES.で言うところのストレイテナー的ポジション)と言っていいだろう。ライヴの中盤には、10-FEETのKOUICHI(Dr)もなぜかピンクのズラを被って乱入。「Jupiter」の一節をSUGA(Gt/Vo)に負けじと(?)高音で歌って盛り上げるという爆笑パフォーマンスも。15年という1つの節目を迎えたバンドの風格、そしてメンバー3人が共に歩んだ友情の軌跡と、ファンとのアツい信頼が感じられ、最初から最後まで充実したステージだった。